【車のナンバープレートの見方】決まり事と数字やひらがなの意味。図柄入りナンバーや希望ナンバーへの変更方法等の基本

車にはさまざまな部品や装置が備わっていますが、ナンバープレートもその1つです。ナンバープレートは車のボディの前方と後方に装着されている、車が走行するうえで重要なものになります。

というのも、日本の道路交通法ではナンバープレートを車の前後にしっかり装着していないと、公道を走行することはできないことになっています。また、車両の識別するために欠かせないものです。ナンバープレートにはさまざまな文字や数字が記載されており、その組み合わせで管理されています。

ナンバープレートはまた、普段の私たちの運転にも大きな関わりがあるのです。というのも、ナンバープレートの決まり事、その意味を理解しているかいないかで、運転の質に関わってくる場面が結構あるのです。自分の車を正しく管理・維持するためにも、ナンバープレートの基本的な知識は知っておいて損はおりません。

今回は、ナンバープレートの基本知識について、ナンバープレートに記載されている文字や数字が持つ意味を解説していきます。図柄入りナンバー(ご当地ナンバー)や、希望ナンバーへの変更方法もご紹介していきますので、ぜひ参考にしていただければと思います。

目次

  1. 【ナンバープレートの見方 1】使われている地名の決まり方とは?
  2. 【ナンバープレートの見方 2】地名横の数字は、車の種類や用途によって分かれている
  3. 【ナンバープレートの見方 3】ひらがなは車の用途によって区別されている
  4. 【ナンバープレートの見方 4】4桁の数字は個別番号。自分の希望の数字にすることも可能
  5. 「ナンバープレートの色」によっても種類や用途が違う
  6. 近年は希望により図柄入りのナンバーを取得できる
  7. ナンバープレートの見方を知り、運転に活かそう

【ナンバープレートの見方 1】使われている地名の決まり方とは?

【車のナンバープレートの見方】決まり事と数字やひらがなの意味。図柄入りナンバーや希望ナンバーへの変更方法等の基本

日本の車のナンバープレートの一番頭、左上に記載されているのが地名です。日本各地の地名が記載されています。一般的に「静岡ナンバー」とか「群馬ナンバー」とか呼ばれているものです。

ナンバープレートに記載されている地名はエリアが限定がされており、日本の全ての地域や市町村の地名が記載されているわけではありません。ではナンバープレートに使用される地名には、どのような決まりがあるのでしょうか。

ナンバープレートの地名の決まり

ナンバープレートの地名は、各都道府県や都道府県の運輸支局や自動車検査事務所のある場所の地域や市町村の名前が使用されています。市町村別に管轄している運輸支局や、自動車検査事務所が決められているのです。

たとえば東京都を例にみてみると、品川区に運輸支局があり、練馬区・足立区・国立市・八王子市に自動車検査事務所が置かれています。そのためナンバープレートに使用されている地名は「品川」、「練馬」、「足立」、「八王子」に、国立市は多摩地域に属するため「多摩」の5種類となっています。
※注:図柄入りのナンバープレート(ご当地ナンバー)については、後述します。

ナンバープレートの地名は、自動車を使う本拠地、お住まいの地域を管轄している運転支局または自動車検査事務所を表示しています。つまり、原則自分で好きな地名のナンバープレートをつけることはできず、車庫証明で登録するところの担当エリアの地名がナンバープレートの地名に使用されます。

ちなみに同じ東京都の大島や三宅島等は管轄が品川区の運転支局のため、品川ナンバーが付与されています。

【ナンバープレートの見方 2】地名横の数字は、車の種類や用途によって分かれている

【車のナンバープレートの見方】決まり事と数字やひらがなの意味。図柄入りナンバーや希望ナンバーへの変更方法等の基本

地名の次に2〜3桁の数字がきます。昔は2桁が主流でしたが、車の台数が増えたこともあり2000年前後から3桁のナンバープレートが増えはじめて、現在では3桁が主流になってきました。

ナンバープレートでいう右上に記載される数字は「自動車の種別による分類番号」と呼ばれていて、車の種類や用途によって番号が分かれています。分類は主に、数字の最初の桁でされています。

自動車の種別による分類番号

  • 普通貨物自動車:1 / 10~19 / 100~199
  • 普通乗合自動車:2 / 20~29 / 200~299
  • 普通乗用自動車:3 / 30~39 / 300~399
  • 小型貨物自動車:4 / 6 / 40~49 / 60~69 / 400~499 / 600~699
  • 小型乗用自動車、乗合自動車:5 / 7 / 50~59 / 70~79 / 500~599 / 700~799

1は大型トラックのような物流用の車、2は乗車定員が11名以上のバスのような車、3は乗車定員が10名以下の普通乗用車になります。また、4〜7の小型自動車には軽自動車をはじめ、ミニバンやコンパクトカーなども含まれます。

私はマイカーでトヨタのアクアを所有していますが、アクアはコンパクトカーになるため分類番号は5からはじまる番号となっています。また、近年は車の台数が増えてきたことに伴い、数字だけでは分類番号を分けるのが限界にきていることもあり、一部の桁でアルファベットが使用されることもあります。

【ナンバープレートの見方 3】ひらがなは車の用途によって区別されている

【車のナンバープレートの見方】決まり事と数字やひらがなの意味。図柄入りナンバーや希望ナンバーへの変更方法等の基本

分類番号の後にくる、ナンバープレートの左下に表記されるひらがな1文字も、車の用途によって区別される、れっきとした意味のある文字です。「お」を抜いた、あ〜か行と「を」は事業用車につけられています。物流トラックや観光・路線バス、タクシーなどがこちらに当てはまります。また、事業用車はナンバープレートの色が緑色になっています。

「わ」と「れ」は貸渡用の車になります。主にレンタカーやカーシェアの車がそれに当てはまります。どちらかというと「わ」の方が多くみかけますが、「れ」も近年では増えています。

それ以外の文字が自家用車、つまり一般車として使用されるひらがなになります。ただし、死を連想させる「し」や発音のしにくい「ん」など、一部使用されていない文字も存在します。ナンバーで使用されないひらがなは他に、「お」と「へ」があり、「お」は他の文字との見間違えを防ぐためで、「へ」は屁を連想させるためという理由です。

【ナンバープレートの見方 4】4桁の数字は個別番号。自分の希望の数字にすることも可能

【車のナンバープレートの見方】決まり事と数字やひらがなの意味。図柄入りナンバーや希望ナンバーへの変更方法等の基本

ひらがなの後にくるのが4桁からなる数字、ナンバープレートでも一番大きく表記されているこちらが「個別番号」と呼ばれる、ナンバープレートのなかで一番車に個性を与えているものになります。

この個別番号、昔はランダムで選ばれておりましたが、分類番号が3桁に増えたことに伴い、1998年5月に一部地域で、1999年5月には全国で希望制ナンバープレートが導入され、自分の好きな番号を選んでつけることができるようになりました。

たとえば、自分や家族の誕生日や、結婚記念日などの大切な日、縁起のいい語呂合わせなど、自分の好きな理由で好きな番号をつけられます。ナンバープレートの個別番号を希望する番号には、車を購入する際などに車屋さんに一緒にお願いしている方が多いかもしれませんが、自身で変更手続きを行うことも可能です。

ただし、1桁番号やゾロ目、「223(富士山)」などは人気のある番号になるため、抽選となり希望が通らない場合もありますので、第2や第3の候補を考えておきましょう。下記の13通りの番号は特に人気のため、全国一律で抽選対象となる番号となっています。

全国一律の抽選対象希望番号

1 / 7 / 8 / 88 / 333 / 555 / 777 / 888 / 1111 / 2020 / 3333 / 5555 / 7777 / 8888

全国一律で抽選対象となる希望番号の他に、特定の地域で追加されている抽選対象希望番号や軽自動車の特定地域に限って追加されている抽選対象希望番号もあります。

ナンバーが抽選となる場合は、インターネットで希望ナンバーを予約申込し、抽選は毎週月曜日に行われ抽選結果がメールで届きます。図柄入りのご当地ナンバーについては、後述します。

「ナンバープレートの色」によっても種類や用途が違う

【車のナンバープレートの見方】決まり事と数字やひらがなの意味。図柄入りナンバーや希望ナンバーへの変更方法等の基本

ナンバープレートは、車の種類や用途によってナンバープレートの色も分別されています。街中を運転していると、まれに珍しい色をしたナンバープレートを見かけることがあるかと思いますが、車の種類や用途によって異なるナンバープレートを設置しています。

ナンバープレートの色は、下記のように分類されます。

  • 白色:普通自家用車・商用車
  • 緑色:普通事業用車
  • 黄色:軽自動車自家用車・商用車
  • 黒色:軽自動車事業用車

商用車は救急車や消防車、キッチンカーなど車に働く機能がついている車を指します。人は文字よりも色の方が情報として早く認識して入ってきやすいという特徴もあり、パッとみることの多い周囲の車のナンバープレートも、色の違いで種類や用途の違いをすぐに判断することができるのです。

「仮ナンバー」等、特殊な用途のためのナンバープレートも

世の中には、あまりみかけない特殊な色のナンバープレートが存在します。

まず、東京都心を走行していると、たまに青色の特殊なナンバープレートを見かけますが、こちらは外交官の方が使用する車に付与されています。通常の車が国土交通省の管轄なのに対して、青色のナンバープレートの車は外務省の管轄になります。そのため、交通違反が適用されないことがあり、自動車税も免除されていたりします。

白色のナンバープレートに赤色の斜線が入っている車もまれに見かけます。こちらは「仮ナンバー」と呼ばれる臨時運行許可番号漂になります。仮ナンバーは、本来なら車検切れなどで公道の走行が許されていない車に対して、継続検査を受けるためなどの理由により一時的に公道を走行するために使用されるナンバープレートです。

仮ナンバーの使用は1回限りで、仮ナンバーが交付、付与された車は、許可を受けた出発地〜経由地〜目的地を走行しなくてはなりません。また、期間や目的も事前に申請して許可されたことのみ使用ができます。

近年は希望により図柄入りのナンバーを取得できる

【車のナンバープレートの見方】決まり事と数字やひらがなの意味。図柄入りナンバーや希望ナンバーへの変更方法等の基本

先ほど、ナンバープレートの地域は自分の本拠地となる運輸支局や、自動車検査事務所があるところの地名がつけられるとお話ししましたが、近年は新しい制度が誕生し、該当地域にお住まいの方は希望によりナンバープレートの地名を変えることができるようになりました。

いわれる「ご当地ナンバー」と呼ばれるもので、2006年10月に初めての導入がされて、以降不定期で募集が実施され、2022年5月の段階で46の地域がご当地ナンバーとして登録されています。

東京都でみてみると、2014年11月より「世田谷」と「杉並」ナンバーが、2020年5月より「板橋」、「葛飾」、「江東」ナンバーが交付を開始しました。さらに、2022年4月にご当地ナンバーの第4弾の募集が実施され、「江戸川」ナンバーが応募したことから、今後正式にご当地ナンバーになる可能性があります。

私の地元山梨県では、静岡県と共用のご当地ナンバーとなる「富士山」ナンバーが紆余曲折ありつつも、2008年11月から交付が開始されました。「富士山」ナンバーは、日本初の2県にまたがるナンバープレートに表記される地名となっています。

【車のナンバープレートの見方】決まり事と数字やひらがなの意味。図柄入りナンバーや希望ナンバーへの変更方法等の基本
画像出典:国土交通省

新たに始まるご当地ナンバーでは、2023年10月23日(月)から第3弾の「いわき(福島県いわき市等)」、「那須(栃木県大田原市等)」、「岡崎(愛知県岡崎市等)、「堺(大阪府堺市)」、「広島(広島県広島市等)」のご当地ナンバーが交付開始となります。

都道府県版の図柄入りナンバーも10月23日から交付が開始されます。例えば東京都では、「ソメイヨシノと東京タワー」のデザインのナンバープレート、秋田県では「親子の秋田犬」のデザインのナンバープレートを選択することが可能になります。また、全国版の図柄も2022年から選択できるようになっています。

近年のご当地ナンバーは、通常のナンバープレートよりカラフルで個性的なものが登場しています。期間限定の交付のものが多いですが、その地域のイメージに合わせたり、オリンピックなどの各種イベントに合わせた絵柄のナンバープレートが交付されています。

地方版図柄入りナンバープレートの交付料金は地域により異なりますが、ナンバーの交付料金として1,000円を寄付するとフルカラーのナンバーを選択することができるようになります。

【車のナンバープレートの見方】決まり事と数字やひらがなの意味。図柄入りナンバーや希望ナンバーへの変更方法等の基本
画像出典:国土交通省

ナンバープレートの変更は、新車・中古車購入時に限らず、いつでも交換することができます。取り付けた図柄入りナンバープレートは、使用終了後は取り外して不正防止のための穴を開けますが、記念に受け取ることができるようになっています。

各地域の図柄入りナンバープレートの交付手数料は、こちら

ナンバープレートの見方を知り、運転に活かそう

【車のナンバープレートの見方】決まり事と数字やひらがなの意味。図柄入りナンバーや希望ナンバーへの変更方法等の基本

ここまでナンバープレートの細かいところをお話ししてきたが、この知識をどのように運転に活かしていくかが重要です。分類番号や個別番号は活かせる要素が少なめですが、地名やひらがなは活かせる部分があります。

一概には言えませんが、たとえば高速道路で自分の周囲を走行している地名が、その地域以外の車が多い場合は、通常よりも交通量が多い傾向になります。首都高を走行していて遠方の地名ナンバーを多くみかけるときは、大抵がいつもより車の量が多くなります。

また、自分が不慣れな地域での運転の際は、その地域のナンバーの方の運転を参考にしながら運転するのも、効果的な方法です。幹線道路の車線どりや路地での速度の上げ下げのタイミングなど、地元の方は要領を得ていることが多いので、その車のいい部分を取り入れることで、不慣れな道を上手に進むことができます。

ひらがなについては、主に「わ」や「れ」のレンタカーについて。こちらも全てが当てはまるわけではありませんが、レンタカーの方はその地域で運転する機会が少ない方が多いので、そのあたりを考慮して運転することで、お互い気持ちよく運転することができます。

あとは、車や運転についてより興味や好奇心をもつという観点からも、ナンバープレートの知識をどんどん取り入れていくことは有効です。待ちゆく車のナンバープレートの地名や個別番号を見るだけでも、ほんとに十人十色で興味深いです。

みなさんも、運転する際はぜひナンバープレートに注目してみましょう。まずは、ご自身の車のナンバープレートを今一度確認し、希望のナンバーに変えたりしてみるとカーライフがより楽しくなるかもしれませんよ。

■著者プロフィール、この著者のこれまでの記事は:https://www.mobilitystory.com/article/author/000017/