MBO のメリット

MBOを行うことで得られる主なメリットは、以下の通りです。

独立した経営を実現できる

経営陣が大株主や親会社の影響から独立して経営を行いたい場合、MBOが選択されることがあります。 既存の株主から経営陣が株を買い付け、経営陣=株主となります。そのため、第三者の株主の意見を取り入れることなく、独立した経営を実現することができます。

円滑な事業継続を実現できる

既存の経営陣が株主として経営を行うため、第三者への承継とは異なり、引継ぎに時間を要すことなく円滑に事業承継を行うことができます。また既存の組織風土、文化が分断されることなく、さらにより良く再構築することもできるでしょう。

敵対的買収を防ぐことができる

他の企業からの敵対的な買収のリスクを避けるためにMBOを進めることもあります。 MBOを行えば、経営陣が株を保有するため、第三者が株式を取得できない状況になります。非上場株式であれば譲渡制限株式となる場合が多く、譲渡には株主等の同意が必要になります。そのため敵対的な買収を回避する効果も考えられます。

従業員からの理解を得やすい

また、従業員からも理解が得やすい手法と考えられています。外部の経営陣への交代があることにより、自分が継続して働けるかどうかわからない、と考えるのが従業員には普遍的なことです。しかし、MBOであれば、経営改革を行ってもその確率は低いのではないと考えられます。既存の従業員の理解協力を全面的に得たいケースでは、MBOは経営改革の手段として適しているといえるでしょう。

MBOのデメリット・注意点

MBOを行うことで、主なデメリットとして主に以下の事が挙げられます。

MBOの際に、既存株主と対立する可能性がある

既存株主にもそれぞれ異なる意見があるため、利害対立が既存株主との間で発生する可能性があります。 場合によっては、意図した買い取り価格でMBOを成立させられないことも出てくるでしょう。またMBOに対してTOBで対抗する株主が出てくることも考えられます。

経営に大きな変化が生まれない可能性がある

既存の経営陣が継続することで、経営体質が大きく変わらず、場合によっては悪い面も引き継いでしまい、結果想定したような変化が生じない可能性があります。

入念な資金計画が必要になる

MBOが行われる場合、後述のとおりSPCを設立して、金融機関等から資金調達(借入)が行われます。その後SPCと対象会社が合併し、対象会社には借入金の返済が残るため、資金繰りが悪化する可能性も考えられます。そのため資金調達方法とその実行計画については入念に取り組む必要があります。

資金調達の選択肢が狭まる

上場企業でのMBOは、上場廃止を意味します。つまり株式発行による外部からの資金調達が難しくなります。 MBO後は金融機関からの借り入れ、経営陣による増資が調達手段となります。