あなたはアーティストorクリエイター? ビジネスで使い分ける2つのスタイルとは
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(本記事は、高松 智史氏の著書『「答えのないゲーム」を楽しむ 思考技術』=実業之日本社、2022年12月8日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

「100分の70 」VS「100分の3」 ―エリートの挫折

4つ目の「ゲーム感覚」は「100分の70」VS「100分の3」。

これは一体なんのことを言っているのでしょうか。

先に言っておくと、これはあなたが今から挑戦するゲームが「100人中70人が合格する」ゲームなのか、それとも「100人中3人が合格する」ゲームなのかを見極めてからそのゲームに取り組むべき、ということを意味しています。

資格試験でも恋愛でも転職活動でもなんでもいいですが、その勝負が〝自分にとって〟「100分の70」が勝つのか、それとも「100分の3」が勝つのか、どちらなのか見極めた上で行動に移るべきです。

そうして初めてそのゲームにおいてあなたは勝利に近づけます。

ただこれはあくまで「自分にとって」なので、Aさんにとっては「100分の70」のゲームだけれど、自分にとっては「100分の3」のゲームであることもあれば、当然、その逆もあり得ます。

「100分の70」のゲームと認識すれば、特別な努力をするより自然体で臨み、いかに減点されないような行動をとるかに神経を集中すべきです。

一方で、「100分の3」のゲームだと認識したら、戦い方はまったく変わります。

3%しか勝てないので、普通のことをやっていても結果は出ません。

あなたが類い稀な才能を持つ天才でもない限り、この「3」には滑りこめません。

なので、これから挑むものを「100分の3」のゲームだと認識したら、ここぞとばかりに圧倒的な時間を投下したり、倍率の高い採用面接のようなものであれば、あえて「滑べるかもしれないが、刺さったらホームラン」みたいな発言をしたりすることが求められるかもしれません。

とにかくこのようなゲーム感覚を持たないと、挑む前に勝負に敗れてしまう可能性が高いのです。

もう1つ大事なのは、毎回「100分の3」のゲームをしていたら、いくつ身体があっても持ちませんので、自分の人生をトータルで考えて、「100分の70」VS「100分の3」のバランスを取っていくことが必要です。

つまり、いつかの大勝負、「100分の3」の戦いに勝利するために、それまでの戦いは「100分の70」に挑み、力を抜くのではなく平常心で取り組んで勝ち癖をつける。

そうすることで、エネルギーを貯めることができ、いつかの「100分の3」の戦いにフルスロットルで臨めるのです。

「アーティストモード」VS「クリエイターモード」―エリートは一辺倒

さあ、最後の「ゲーム感覚」は、「アーティストモード」VS「クリエイターモード」です。

アーティストとクリエイターの違いは何だと思いますか?

世の中には「にせもの」も含めて、アーティストも、クリエイターも溢れかえっていますよね。

僕は次のように定義しています。

アーティストは目の前に「自分」
クリエイターは目の前に「お客さん」

ここでしたいのは、どちらのモードで目の前の物事に取り組むか、これを意識することが大事だという話です。

アーティストモードは、「僕はアーティスト。だから、誰の指図も受けない!

自分の思いのままに描き、何もかも自分の手で作り出す」という意識で最後までやり切る。

クリエイターモードは、「僕は、クリエイター。だから、お客さんの期待に応える、いや、お客さんの期待を超えるものを描く、作り出す」というモードでやり切る。

この時のお客さんは、ビジネスでいえばクライアントであり、時に上司にもなります。

ビジネスにおいて抜きん出た存在になるためは、この2つのモードの使い分けがとても大切です。

時には我をあえて通し、時には相手に合わせる。

そしてこれも、物事に取り組む前にどちらのモードでいくとうまくいくゲームなのかを見極めることが大事です。

そう、この章で説明したすべてに共通して言えるのは、始める前に、どういうゲームなのか?どういうゲーム感覚で臨むのか?

これを意識するかしないかで、結果は大きく変わります。

何も考えずに「ゲームを開始」すると、本来選ぶべきものと逆を選んでしまって手痛い失敗をしかねません。

ビジネスだけでなく、人生でもこのモードを切り換える必要があります。

例えば、彼女とどこに旅行にいくべきかを考えるときは、クリエイターモードで、彼女=お客さんとして、我など通さないのが大吉の場合が多いです。

もちろんその逆もあります。

なので、始める前に、それがどういうゲームなのかを見極め、アーティストモードでいくのか、クリエイターモードでいくのかを決めることが大事なのです。

本書を深く理解するために/「答えのないゲーム」とは
私たちは「答えのあるゲーム」の戦い方が体に染みついます。これまで義務教育や部活、受験、就職活動と、あらゆる「答えのあるゲーム」で試されてきたからです。
「答えのあるゲーム」は答えが当たればそれでいい。ですが、「答えのないゲーム」には明確な正解ありません。
新規事業の立案や、コロナなどの緊急事態に対しての対策などの「答えのないゲーム」つまり、「答え」を出したところでその答えが「正しい」かどうか判断できない、ということです。
「示唆」を活用することで、「答えのないゲーム」を」戦うことができます。事実(ファクト)だけでなく、それから導き出される示唆に基づいて行動する重要性を述べています。
「答えのないゲーム」を楽しむ 思考技術
高松 智史
一橋大学商学部卒。
NTTデータ、BCG (ボストン・コンサルティング・グループ)を経て「考えるエンジン講座」を提供するKANATA 設立。
本講座は法人でも人気を博しており、これまでアクセンチュア、ミスミ等での研修実績がある。
BCGでは、主に「中期経営計画」「新規事業立案」「組織・文化変革」などのコンサルティング業務に従事。
YouTube「考えるエンジンちゃんねる」の運営者でもある。
著書に『変える技術、考える技術』(小社刊)、『フェルミ推定の技術』『「フェルミ推定」から始まる問題解決の技術』(以上、ソシム)がある。

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