景色が移り変わる楽しさと、たくさんの思い出をくれる日本最長の高速道路「東北道」を満喫しよう!

日本の数ある高速道路のなかで、もっとも長い距離を誇るのが東北自動車道(以下 東北道)です。埼玉県川口市の「川口JCT」を起点に、青森県青森市の「青森IC」までという、超長距離路線になります。その総距離なんと679.5kmあり、東名高速道路と名神高速道路を合わせた総距離が536.2kmになるので、東北道はさらに140kmほど長いことになります。

実際走行すると、区間や地域によって見える姿が違うこともありますし、距離が長いのでその分さまざまな都市や地域を通るため、さまざまな顔がみられ、本当に走りごたえがあります。私の東北道利用は、東京在住なので起点〜栃木県あたりまでを走行する機会が多いですが、栃木県より北側の東北地方も何度か訪れたことがあり、その際は東北道のドライブも楽しんでいました。

みなさんにもぜひ東北道のドライブを楽しんでいただきたく、今回は日本最長の高速道路である東北道を満喫するためのポイントについて区間ごとにお話しします。

目次

  1. 起点から35kmほどは大都市近郊区間
  2. 利根川橋を渡り北関東へ
  3. 那須を越えて郡山・福島・仙台へ
  4. 東北道は仙台で中間地点、ここからまだまだ満喫できる
  5. 岩手・秋田を抜けて終点の地青森へ
  6. 東北道を上手に満喫するためのポイント

起点から35kmほどは大都市近郊区間

景色が移り変わる楽しさと、たくさんの思い出をくれる日本最長の高速道路「東北道」を満喫しよう!

東北道は埼玉県川口市の川口JCTが起点ということで、首都圏起点の高速道路になります。川口JCTは首都高や外環道と接続しており、極めて重要なジャンクションです。

起点からしばらくは都市圏の走行が続きます。片側3車線通行で、他の首都圏起点路線よりも落ちついた雰囲気ではあるものの、全体的に都市景観の多めな景色となります。ちなみに東京と大阪周辺のNEXCO管轄高速道路は、大都市近郊区間というのが設定されているところがあり、高速道路1kmあたりの料金が通常より1.2倍となっています。

東北道では、川口JCT〜埼玉県加須市の「加須IC」までが大都市近郊区間です。この区間は、サッカーで有名な埼玉スタジアム近郊の「浦和IC」、NEXCO東日本管内で最大級のサービスエリアとなる「蓮田SA」、圏央道との分岐点となる「久喜白岡JCT」など重要となるポイントが続きます。

交通量も多めな地域になるため、土日や連休の際は渋滞が多発します。東北道のなかでも、計画的に走行したい地域になりますので、交通情報をこまめに調べながら走行しましょう。

利根川橋を渡り北関東へ

景色が移り変わる楽しさと、たくさんの思い出をくれる日本最長の高速道路「東北道」を満喫しよう!
画像は上り方面に向かう道中の利根川橋

大都市近郊区間を越えて、埼玉県を北上していくと日本第2位の長さをほこる利根川があります。東北道には利根川橋が架かっており、道中を走行しているところに、突如アーチ状の鉄筋で支えられた橋が現れます。利根川橋も東北道の見どころポイントです。

利根川橋を渡ると、群馬県を短い距離ながら走行します。東北道では群馬県唯一のインターである「館林IC」は、日本の最高気温の記録で上位に入る場所としても有名です。しばらくいくと、栃木県に突入。栃木県で最初の街である佐野市は佐野ラーメンというご当地グルメに、佐野プレミアム・アウトレットなどの商業施設も充実しています。

佐野市と次の栃木市は、北関東自動車道(以下 北関東道)の分岐点も存在し、同じく北関東の群馬県や茨城県へのアクセスに便利です。北関東道との分岐点を越えると、いよいよ鹿沼市そして栃木県の県庁所在地で中心地となる宇都宮市へと入っていきます。

宇都宮市は北関東最大の都市にして、ギョーザの街としても有名です。さらに、宇都宮市から西側に位置する、日光や鬼怒川温泉などの観光スポットへは、東北道の「宇都宮IC」から有料道路である日光宇都宮道路を利用するのが便利なため、宇都宮市は交通の要所にもなっています。

那須を越えて郡山・福島・仙台へ

景色が移り変わる楽しさと、たくさんの思い出をくれる日本最長の高速道路「東北道」を満喫しよう!
杜の都・仙台の景色

宇都宮市をすぎると、だんだん山岳地帯へと入っていきます。「宇都宮IC」を境に片側3車線通行が片側2車線通行となり、道もカーブや勾配が徐々に増えていき、これまでの雰囲気からガラリと変わっていきます。

そして栃木県北部の観光スポット那須地域へと入ります。那須は、高原をはじめ山々や温泉など日頃の疲れをリフレッシュできるところがいっぱいです。東京からも順調にいけば3時間弱でいけるので、首都圏にお住まいの方ならこのあたりまでは日帰り可能な範囲といえます。

那須地域を越えると、福島県白河市に突入。いよいよ東北地方になります。白河市から50km弱北上すると、福島最大の都市圏で東北地方全体でも2番目に大きい都市圏になる郡山都市圏の中心地郡山市へ入っていきます。「郡山JCT」は、福島県の浜通りの中心地いわき市と会津地方、そして新潟県を結ぶ磐越自動車道の分岐点です。

郡山市よりさらに北に50kmほどいくと、福島県の県庁所在地である福島市に入ります。1990年代に新幹線が東北新幹線と山形新幹線の分岐点となり、高速道路も2016年9月に東北道と東北中央自動車道を接続する「福島JCT」が運用開始され、交通の要所となっています。

そして、福島市から北上し宮城県へと入り白石市や蔵王町を抜けると、いよいよ東北地方最大の都市であり東北地方の中心地ともいえる杜の都・仙台市に着きます。仙台市は、さすが東北を代表する都市ということで、東北のあらゆるものが集まる他、歴史的建造物や商業施設、牛タンやずんだ餅などのご当地グルメまで充実しています。

東北道は仙台で中間地点、ここからまだまだ満喫できる

景色が移り変わる楽しさと、たくさんの思い出をくれる日本最長の高速道路「東北道」を満喫しよう!
宮城県北部の中心地。宮城県大崎市の古川駅

仙台市は東北の中心地ということで、東京や首都圏からも仙台に行かれる方はとても多くいらっしゃいます。車で、東京駅〜名古屋駅が約350km、東京駅〜仙台駅が約370kmになるため、ほぼ同じくらいの距離感覚になります。

ただし東北道はまだまだ続きます、というより仙台市でようやく東北道の中間地点を迎えます。正確には、仙台中心地の最寄インターとなる「仙台宮城IC」と次の施設である「泉PA」の間に、中間地点となる340kmポイントが設置されており、中間地点をしめす看板も設置されています。

仙台市をすぎると、また東北道は違った姿をみせます。東北新幹線と並走していく形で、周辺がとにかく広大でのほほんとした景色で、走っていて気持ちよくなります。このあたりは、日本屈指の米の産地ということで、周辺は他地域ではなかなかみられない田んぼが一面に広がった景色がみられます。

道路形状も、カーブや起伏がそれほど多いわけでもなく、ほんとに穏やかで落ちついた雰囲気を楽しめます。東北道をドライブするならではのポイントの1つにもなります。

岩手・秋田を抜けて終点の地青森へ

景色が移り変わる楽しさと、たくさんの思い出をくれる日本最長の高速道路「東北道」を満喫しよう!

宮城県を北上し、一関市からは岩手県になります。岩手県は北海道の次に面積が大きく、岩手県最初のインターである「一関IC」から最後の施設となる「田山PA」まで約150kmあり、まさに東北道の長さを象徴するような距離です。

東北道は岩手県の真ん中よりやや西側を縦断していきます。一関から中尊寺が有名な平泉や前沢牛の産地前沢などを通り、北上市や花巻市などの都市をすぎると、岩手県の県庁所在地で中心地の盛岡市に入ります。

盛岡市は、歴史のある街並みと同時に岩手県最大の都市ならではの商業施設も兼ね備えた街となっており、名物のわんこそばも人気のあるご当地グルメです。盛岡市をさらに北に進むと、八幡平や岩手山などの自然あふれる景観の地域に入ってきます。東北道はこれらの景観地の東側から北側へと通っていくため、下り方面走行の際は左側の景色がポイントです。

岩手県をすぎると、少し秋田県に入ります。秋田県の北東部分を東北道は通っていきます。そしてついに終着点となる青森県へ突入します。青森県では、弘前城やりんごで有名な弘前市や黒石つゆ焼きそばがご当地グルメの黒石市の近郊を通り、いよいよ青森市へとやってきます。

終点の「青森IC」手前には「東北自動車道 全長680km 終点 おつかれさまでした」という看板が設置されています。ぜひ、東北道走破の記念にチェックしてみてください。

東北道を上手に満喫するためのポイント

景色が移り変わる楽しさと、たくさんの思い出をくれる日本最長の高速道路「東北道」を満喫しよう!
東北道最後のサービスエリアである 青森県「津軽SA」

東北道はとにかく長くドラマティックな路線です。長距離を走行する前は必ず準備や体勢を整えることをおすすめします。ルートの確認やジャンクション・インターチェンジの確認は、綿密に行うといいでしょう。

道中は、魅力的なサービスエリアやパーキングエリアも多いので、ドライブの際はいくつか立ち寄るのもおすすめです。特に、終点の青森に近くなればなるほど立ち寄る貴重性や重要性は高まります。

終点近くにいくと、インター番号も50番代になります。これほど大きな数字は、特殊なインター番号の付け方をしている外環道や圏央道くらいで、通常のインター番号の付け方をする路線ではまずみられないので、こちらもぜひチェックいただければと思います。

とにかく、さまざまな印象と思い出を与えてくれる東北道の旅、ぜひ観光やグルメと合わせて楽しんでみてください。