今や高速道路を走行するのにかかせないものの1つが、ETCではないでしょうか。日本では、2000年前後から使用が開始され、国土交通省のデータによると2023年のETC利用率は94%まで上がっています。
ETCは、車に装着する「ETC車載器」に「ETCカード」を挿入することにより、高速道路の料金所をこれまでの現金での支払いではなく、無線通信によるキャッスレスで行うことができます。ETCを利用することにより、料金所で完全停止して係員の方とお金のやりとりをする必要がないため、料金所をスムースに通過することができます(料金所内は時速20km以下で通過する必要はあります)。
さらに近年では、サービスエリアやバスストップ等にETC専用のスマートインターチェンジが設置されており、ETCを利用するメリットが増えております。そんなETCを利用するメリットのなかでも特にみなさんが知りたい情報と言うと、「ETC割引」ではないでしょうか。
ETC割引自体は知名度の高いものですが、みなさん全てをご存知でしょうか。私も、実際車を運転して高速道路を定期的に走行するまでは、全てのETC割引を理解しているわけではありませんでした。ETC割引を利用するのとしないのでは、高速料金にかなりの差がでることもありますので、ぜひETC割引の情報を今一度おさらいして、高速料金をお得に走行しましょう。
目次
ETC割引の種類1. 休日割引
ETC割引のなかでも最も有名なのが「休日割引」ではないでしょうか。休日割引は、普通車・軽自動車等限定で土日祝にNEXCO管轄の高速道路を利用した際に、通常の高速料金から3割引きになる制度です。通常時の高速料金が10,000円だとしたらETC割引で7,000円になるので、かなりお得な制度です。
ETCの休日割引は、高速道路に乗ってから出るまでのどこかで曜日が土日祝だったら、割引の対象となります。つまり、日曜日の23時に高速道路を乗って平日月曜日の6時に高速道路を降りた場合も、休日割引の対象になり割引を受けられます。
利用の際の注意点として、東京や大阪の都市部にあたるエリアは割引対象外ということ、ゴールデンウィーク・お盆・年末年始などの交通ピーク時期は土日祝でも割引の対象外となる日があることがあります。対象外となる日は、事前にNEXCOのホームページや道路上に設置されている電光掲示板で案内されています。
ETC割引を受けるのには、ETCを利用できる環境さえ整っていればあとは手続きなどは不要です。週末のお出かけやドライブを手助けしてくれる制度になっていますので、積極的に利用しましょう。
「ETC休日割引」の割引対象日と割引率、利用の際の注意点
- 対象日は土日祝、割引率は3割引
- 地方部が対象の割引で東京と大阪の指定エリアは割引対象外
- ゴールデンウィークやお盆、年末年始などは割引対象外となる日がある
ETC割引の種類2. 深夜割引
私がおすすめしたいETC割引が「深夜割引」です。名称のとおり深夜割引は、深夜の時間帯にNEXCO管轄の高速道路を走行した車を対象に通常の高速料金から3割引となる制度です。こちらは、休日割引と違い大型車も対象となります。
高速道路は、交通量が多い時間帯と少ない時間帯の差が大きく、深夜の時間帯は交通量が少ないため、交通緩和の一環となる制度です。深夜割引の対象となる時間帯は0〜4時で、こちらの時間帯にどこか高速道路を走行していれば割引の対象となります。
深夜割引は、休日割引のように対象外となる日にちなどは特になく、東京や大阪の都市部も対象エリアとなります。ただし、休日割引や他の割引制度と重複して受けることはできず、一番割引率の高い制度が適用されます。
深夜割引は、休日割引が受けられない日にちでも割引を受けられるのと、高速道路が空いている時間帯に走行できるため、身体のコンディションを調整する難しさはありますが、ぜひ利用してみていただければと思います。
「ETC深夜割引」の割引対象日と割引率、利用の際の注意点
- 0〜4時に高速道路を利用していると高速料金が3割引
- 対象外となる日にちは特になく、車種やエリアの制限もなし
- 休日割引や他の割引制度と重複で受けることはできない
ETC割引の種類3. 平日朝夕割引
高速道路のETC割引には、意外と知られていない割引制度もあります。それが「平日朝夕割引」という制度です。こちらは、主に通勤や通学あるいはご都合によりいつも同じ区間を走行する方に向けた割引制度です。
1カ月間の期間で、平日(月曜日〜金曜日)朝6〜9時あるいは夕方17〜20時に高速道路の同区間を走行した回数に応じて、利用した高速料金が還元されます。こちらは、ETCマイレージサービスによる還元となるため、事前にETCマイレージサービスへの登録が必要となります。
最大100kmまでの区間が還元の対象となり、1カ月の間に同区間を5〜9回走行した場合は約30%、10回以上走行した場合は約50%還元されます。ただし、東京と大阪の都市部は対象外となります。
また、平日朝夕割引は高速道路を乗った時刻か降りた時刻が対象時間内でなければいけないという注意点もあります。たとえば平日の朝5時50分に高速道路を乗って9時10分に高速道路を降りた場合は、対象外となりますので気をつけましょう。
「ETC平日朝夕割引」の割引対象日と割引率、利用の際の注意点
- 1カ月間、平日の朝6〜9時あるいは夕方17〜20時に同区間を利用した回数に応じて、高速料金が還元される
- 還元はETCマイレージサービスでされるため、事前登録が必要
- 割引適用は高速道路を乗った時刻か降りた時刻が対象時間内でなければならない、また都市部は対象外のエリアがある。
ETC割引の種類4. ETC 2.0割引
近年登場した「ETC 2.0」を対象としたETC割引もあります。ETC 2.0はこれまでのETCより大量の情報を取得することにより、広域な交通情報の提供や高速道路の一時退出を可能にするサービスです。そしてETC 2.0割引は、首都圏の環状線となる圏央道と新湘南バイパスを対象とした割引制度です。
圏央道や新湘南バイパスは、首都圏の大都市近郊区間となるため、通常の高速料金の1.2倍の金額となりますが、ETC 2.0割引により割増分の2割が割引され、通常の高速料金で利用できます。
対象となるのは、ETC 2.0セットアップがされている車載器を使用したETC利用車で、走行距離や利用回数の制限はありません。圏央道や新湘南バイパスを利用の際は、ぜひ活用いただければと思います。
「ETC 2.0割引」の割引対象と割引率、利用の際の注意点
- 圏央道や新湘南バイパス利用車に、ETC 2.0を対象とした割引制度
- 対象車は2割引きの高速料金で利用できる
- ETC 2.0セットアップの車載器を装着する必要あり
路線によっては時間帯や迂回によるETC割引もある
NEXCO管轄高速道路ののなかには、「路線特別のETC割引」というものもあります。これまでの割引とまた別のその路線ならではの割引となるため、お得に高速道路を走行したいのなら覚えておくのがおすすめです。
NEXCO東日本管轄の区域でみると、東京湾アクアラインはこれまでのETC割引制度に加えて、2023年7月23日(月)より土日祝の川崎方面に向かう上り線が走行する時間帯によって高速料金が変化するようになりました。夜20〜24時が一番割引率が高く、600円で東京湾アクアラインを利用できます。
外環道では、首都高の混雑状況をみて迂回のために外環道を利用した方向けのために、迂回しなかった場合と同額の高速料金となる制度があります。
路線独自の時間帯や迂回による特別割引は、制度や適用対象などが複雑なことに加え、制度内容が変更になる場合もありますので、NEXCOホームページをこまめにチェックするのも大切です。
ETC割引を上手に利用し、高速道路をお得に走行するポイント
ETC割引は知っているのと知らないので、高速料金に大きな差が出ることも多く、特に長距離を走行すればするほど割引金額が大きくなるので大事になります。
ETC割引の制度によって、適用のルールが異なりますし対象外となるケースもありますので、事前にNEXCOホームページなどで確認してから出発するのがおすすめです。
近年は、高速道路も無料区間が増えていること、NEXCO管轄路線と都市高速など別会社が管轄している路線が接続しているところも増えているので、その場合は料金形態が切り替わる料金所までが適用範囲となります。そのため料金所を通過するタイミングも考えなくてはいけません。
ETC割引も調べれば調べるほど奥深いものですので、どんどんチェックして活用できる割引を受け、より高速道路をお得に楽しく走行しましょう。