こんにちは。(株)日本М&Aセンター衣料業界専門グループの白鳥です。
当コラムは日本М&Aセンターの衣料業界専門グループのメンバーが業界の最新情報を執筆しております。
本日から数回に渡り、衣料業界のM&Aについて動向やトピックスなど解説して行きます。
2023年及び2024年の経営判断が大きな変革へ
私は日本M&Aセンターの業種特化事業部という部署で、衣料・ファッション・アパレル業界を専門にM&Aの仲介を行わせて頂く業界担当の白鳥と申します。
我々のチームで、計12回に渡って、こちらの業界のM&Aについてコラムを記載させて頂きます。今回は3回目になります。
まず、冒頭のテーマである「今年、来年の経営判断が大きな変革へ」というタイトルでもあったとおり、現在2023年でありますが、2024年、2025年については事業承継にかなり大きな年になると私は強く思っています。
理由は以下の2つです。
・①経営のバトンタッチをするまたとないタイミングが到来!?
・②コロナ明け、いまこそ攻めの経営を!!
簡単ではありますが、順を追って説明させて頂きます。
①経営バトンタッチをするまたとないタイミング!?
まず①のタイミングについてですが、創業70年~20年の企業のシミュレーションをしてみます。
まずファッション業界全盛期だった(ガチャマン時代、ファッションの大衆化を想定)1960年~1970年代から現在に至るまで、創業された会社、またそのオーナーの年齢と承継されていればその息子さんの年齢を考えます。
前提として、油が乗っている30~40代での起業、そして親御さんが60歳、息子さんが30歳で会社にジョインすると仮定します。
そうすると下記の表を見て頂くとお分かりのように、承継する第4世代、もしくは第3世代が存在しておりません。
創業50年の企業は継いだばかりという推定になります。
恐らくこのような天文学的な、タイミングはまたとないと思います。
譲渡候補先企業からのご相談が殺到しているのはこの理由かと存じます。
②コロナ明け、いまこそ攻めの経営を!!
次に②ですが、こちらは買手企業の事情にはなりますが、新型コロナウイルスが第5類に分類されて約3か月が経過しました。
皆様におかれても、今年来年の発注で忙しくされている企業様、またリアル店舗への集客が殺到している企業様、また思った以上に回復していない企業様、色々おられるかと存じます。
要は状況が混沌としていることに間違いありません。
ただ歴史を振り返ると、2000年代のITバブル崩壊後リーマンショックまでの経済伸長、2011年の東日本大震災後のアベノミクス、と混沌のあとには必ず経済の上昇気流が発生します。
企業の買収を考えられている企業様におかれましては、積極的に買収を検討されることをお勧めいたします。
声がかかるのを待たず結婚相談所に登録を
譲渡企業様におかれましては、どんなアクションを取ればよいのでしょうか。
私からは専門家へのご相談並びに、登録を行って情報を集める準備をすることをお勧めいたします。
M&Aのプロセスは大きく分けて3つです。
・1:企業の強みを把握したり、分析したり、どんな形態での事業承継がよいか作戦を練る準備期間
・2:どんな候補先があるのかアイディア出しをする期間
・3:実際相手と会ってみたり、諸々の条件を交渉する期間
私が皆様と打合せをすると、2(どんな候補先があるのかアイディア出しをする期間)もしくは3(実際相手と会ってみたり、諸々の条件を交渉する期間)がすぐ進んでいくと想像される社長が多いです。
我々はまず、1(企業の強みを把握したり、分析したり、どんな形態での事業承継がよいか作戦を練る準備期間)をしっかりさせて頂き、会社、社長、家族、従業員さんがすべてハッピーになれるためにはどんな組み方があるのか、どこと組んだらいいのか、など、何百通りの可能性をじっくり打合せさせて頂きます。
ただ、1を行わないと、未来何かあったとき、2,3を進めてくれと言われてもご想像しているよりも難しであることが往々にしておきます。
ですので、まずは情報を整理したり、相手先の候補先をピックアップしてもらったり、プロ(結婚でいう相談所に登録)に外注して粛々と準備をしましょう。
実際M&Aを行うかどうかは3の段階からで問題ないのです。
会社を買うか?売るか?上場するか?の判断を
いずれにしても、会社の未来の経営戦略は以下のように4つしかありません。
会社を買って成長させるか、会社を売って成長させるか、会社を上場させるか、会社を廃業するか。
後述の2つについて現実的ではないとすると、前半のふたつしかありません。
この2つについて、悩まれている企業様の皆様へおすすめの書籍をひとつご紹介いたします。
弊社取締役、戦略本部長現任である竹内が2017年に執筆した「どこと組むかを考える成長戦略型M&A」という書籍です。
一部メッセージを抜粋しますと、
「売るか買うかではない。大切なのはどこと組んで成長するか。」
「買って県大会へ出るか、売って大手企業の一員として全国大会へ出るか。」
など、M&Aという手段を結果として選択しなくとも非常に参考になる点が多いかと思います。
もしご関心ございましたら、ご購入されてはいかがでしょうか。
いかがでしたでしょうか?
今後も衣料業界支援室から最新の業界情報をお届けさせて頂きます。
■衣料業界専門グループビジョン■
日本全国に点在する技術・ブランドをM&Aで存続させ、全国に広める
著者
1985年宮城県生まれ、2018年から日本M&Aセンターへ参画後、外食店舗、パン小売店、アパレル領域、食品物流、食品クロスボーダー案件、ECショップなど主に衣食に関わるライフスタイル領域のM&Aを中心に手掛けている。