渋滞が起こりにくい運転って? 高速道路でなるべく渋滞をつくらないために意識してほしいこと

高速道路は、自動車専用道路で信号がなくノンストップで走行できるので便利で快適なものです。が、渋滞という厄介なものも存在します。みなさん、高速道路で渋滞にハマってしまい、大幅な時間ロスをした経験はないでしょうか。

渋滞が起きるのはある程度しかたがないこともありますが、運転方法によって“渋滞しやすい運転”と“渋滞しにくい運転”があります。なるべくなら、渋滞しにくい運転をしたいところですね。

近年では、高速道路を管理・維持するNEXCO各社のホームページやポスターでも、渋滞が起こる仕組みや渋滞をつくりにくくする運転方法を案内しています。案内をみると、自分の運転は意外と渋滞をつくりやすい運転だったと感じる部分も出てくると思います。

高速道路を走行していると、自分が走行している範囲しか見えないですし、見える範囲で状況判断をしてしまいがちですが、当然自分の後から走行してくる車も存在します。なので、自分が見えるこの場の状況に加えて、後続車のことを考えた運転が近年は求められるようになりました。

これから夏の交通繁忙期を迎えることもありますので、高速道路の渋滞をなるべくつくらないためにできることを理解して、みなさんでより快適に高速道路を利用できるように努めましょう。

目次

  1. 不必要な減速や車線変更を減らす
  2. 上り坂で速度減速に気をつける
  3. 渋滞が発生しにくい時間帯に走行する
  4. 事故や故障を起こさない
  5. みなさんが快適に高速道路を利用するために

不必要な減速や車線変更を減らす

渋滞が起こりにくい運転って? 高速道路でなるべく渋滞をつくらないために意識してほしいこと

一度渋滞すると、これまで順調に動いていた車が、前走車が壁になるため一気に動かなくなります。時速80kmで走行していたところを、時速20km以下で走行するというかなり極端な速度減速が発生します。

渋滞をつくらない運転の一つにあるのが、順調に流れている際でもなるべく極端な減速をしないよう走行することがあります。無意味に減速しても、その場でいきなり渋滞に直結することは少ないですが、後続車にだんだんと影響が及ぶことにより、後の渋滞となることがあります。

もちろん、前の車やカーブ・天候などの影響により、状況に合わせた減速は必要です。安全運転を第一に走行して、必要のない減速はなるべくしないようにすることが、渋滞をつくらないポイントの一つになります。

また、片側2車線以上ある高速道路では状況に合わせて車線変更する機会もあるかと思いますが、なかには車線変更を頻繁に行う、あるいは周囲の車をギリギリかわすような車線変更をする方がいます。

基本的に車線変更をする際は、車が通常よりも速度が落ちますし、無茶な車線変更や無意味な車線変更は後続車を極端に減速させるきっかけになりますので、やはり渋滞をつくる原因となります。

高速道路走行の際は、無意味な減速や車線変更をなるべく控えるようにして、渋滞をつくらないようにしましょう。

上り坂で速度減速に気をつける

渋滞が起こりにくい運転って? 高速道路でなるべく渋滞をつくらないために意識してほしいこと
中央道(下り線)の相模湖東IC~相模湖ICは上り坂になっている

減速については、自分で自主的にブレーキを踏んであるいはアクセルからペダルを離して減速する方法がありますが、それ以外にも自分が意図しないカタチで減速してしまうことがあります。

その主な理由が上り坂による減速です、歩行や自転車と同じように、車も上り坂では速度が減速しますし速度があがりづらくなります。特に、高速道路では平坦な道と上り坂での速度の差が大きく開くため、後続車への影響が如実に表れます。

また、高速道路は速い速度で走行しているため、自分が今上り坂を走行しているという認識や感覚がわかりにくくなるため、上り坂だと認知しないまま走行して、知らぬ間に速度が低下しているということもよくあります。

上り坂による速度の低下の度合は、上り坂の角度や長さ、車の馬力によってまちまちですが、こまめにスピードメーターをみて、速度が低下していないか確認しながら走行することで、渋滞をつくらない運転につながります。

最近では、高速道路上にこの先が急激な上り坂になっていることを案内する表示や、上り坂による速度低下の防止をうながす看板なども多数設置されていますので、そちらも参考にしながら走行するようにしましょう。

渋滞が発生しにくい時間帯に走行する

渋滞が起こりにくい運転って? 高速道路でなるべく渋滞をつくらないために意識してほしいこと

渋滞にもさまざまな種類があり、一番多いのが交通集中による自然渋滞です。高速道路は車線の数によって順調に走行できる、おおよその可能台数が決まっていますが、その台数を超えるといわゆるキャパオーバーとなり、車が詰まりはじめ渋滞となります。

自然渋滞は、主に交通量の多い区間や時間帯・曜日に発生するため、これまでのデータをもとにある程度予測することができます。たとえば、平日なら朝夕の通勤時間帯は車で移動する方が増えるため、渋滞が発生しやすくなります。

そこで、できるなら渋滞しそうな時間帯を避けて高速道路を利用することで、渋滞をつくらないことに協力することができますし、自分も渋滞にはまらないですみます。

自分の予定や他の方の都合など、しかたないケースも多いかと思いますが、朝の移動を通勤時間帯より1時間早くあるいは1時間遅らせるだけでも、交通量はかなり変わってきます。

さらに言うと3連休以上の大型連休の場合、初日の都市部〜地方部(下り)、最終日の地方部〜都市部(上り)への移動は大規模な渋滞が発生する可能性が高いため、できるなら移動する日にちをずらすと渋滞を少しでも減らすことにつながります。

事故や故障を起こさない

渋滞が起こりにくい運転って? 高速道路でなるべく渋滞をつくらないために意識してほしいこと

渋滞のなかには交通集中による自然渋滞の他に、事故や故障車が原因で発生する突発的な渋滞も存在します。突発的な渋滞は、自然渋滞のようにある程度渋滞する区間や時間帯が決まっているというわけでなく、まさしく突発的にいつでもどこでも発生しうる可能性があります。

事故や故障の規模や発生場所にもよりますが、高速道路で事故や故障が発生すると、だいたいのケースで1車線分車線をつぶしてしまいます。それがボトルネックとなり、詰まって渋滞するという流れになります。

事故や故障車による渋滞は、場合によってはかなりの長さになったり渋滞中の車の流れが悪くなることもあるため、通常よりもかなりの時間ロスが発生することもあります。

なので、渋滞をつくらないという観点から話すと、事故や故障が発生しないように運転する必要があります。事故や故障が起きると、当事者以外にも後続車にも渋滞という形で迷惑をかけてしまいます。

事故を起こさないように安全運転や周囲へ思いやりのある運転を心がけると同時に、高速道路上で故障が発生しないために、普段から車のメンテナンスやケアをしっかりするようにしましょう。

みなさんが快適に高速道路を利用するために

渋滞が起こりにくい運転って? 高速道路でなるべく渋滞をつくらないために意識してほしいこと
渋滞ポイントである中央道(上り線)調布IC~高井戸IC

渋滞に関しては、しかたのないことも多々ありますが、私たちのちょっとした行動や心持ちで少しでも減らすことができます。みなさん渋滞はできればはまりたくないはずなので、自分もその恩恵を受けるためにも、渋滞をつくらない活動に協力していくのが大切です。

自分や同乗者の安全を第一に運転しつつ、後からくる車のことを考えた運転をすることで、みなさんがストレスなく高速道路を利用できます。

また、渋滞のしくみや渋滞が起きる事例などを掘り下げることでも、自分が渋滞にはまらないための対策をつかめることに加えて、自分自身が渋滞をつくらないための対策ができるようになるので、かなり有効です。

みなさんでよりよい高速道路環境をつくり、高速道路をより便利にそして快適に楽しく走行できるようにしましょう。