食品産業新聞社
(画像=食品産業新聞社)

2023年7月の鶏肉需給は、全国で猛暑続きとなったなか、季節的に需要が高まるムネは生鮮品、凍結品ともに引合いが強まった。

一方、モモの動きは依然として不振で、凍結回しや生鮮で売り切ろうとする動きから投げ物が多く出回るなど、各社対応に追われた。相場展開をみると、モモは日経加重平均700円台でスタートしたものの、月半ばにはついに700円を割り込んだ。以降はジリ下げで推移し、最終日(31日)は688円まで下落した。

ムネは需要こそ堅調なものの、ことしに入ってから400円を上回る高値水準が続いていたことによる高値疲れからか、モモの下落に引っ張られる格好で、400円を下回る日が多くみられた。

この結果、7月の月間平均相場は、日経加重平均でモモが707円(前月744円)、ムネが397円(405円)となり、正肉合計では1,104円(1,149円)となった。前年比では、モモ70円高、ムネ57円高と引続き高値推移するものの、前月に比べ、前年との価格差は縮小している。

一方、輸入品については、ブラジル・サンタカタリーナ州で高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)が確認されたことを受け、7月17日には同州からの一時輸入停止措置が講じられた。同州は、パラナ州に次いでブラジル第2位の鶏肉生産・輸出地域となるが、今回の措置を受け、現地大手パッカーなどでは、他の州の工場で日本向け製品の製造をカバーする動きが進んでいる。

〈供給見通し〉
日本食鳥協会がまとめているブロイラー生産・処理動向調査によると、8月の生体処理羽数は前年同月比1.9%増、処理重量が2.8%増とともに増加すると予測している。産地別にみると、北海道・東北地区は羽数1.5%増、重量1.8%増、南九州地区は羽数1.6%増、重量2.8%増と、いずれも前年を上回る出荷が続くものとみられる。

ただ、全国的に猛暑に見舞われるなかで、今後、餌の食い込み低下など増体に影響を及ぼしてくる可能性もある。農畜産業振興機構の鶏肉需給予測(8月1日発表)では、8月の鶏肉輸入量は前年同月比0.5%減の4万7,200tと予測。6月、7月と5万tを超える輸入量を見込む一方、8月は4万t台後半にとどまる見通しだ。ただ前述の通り、ブラジルからの調達は鳥フルの影響によって、実際にどこまで対日向け生産がカバーできるのかなど、不確実性が強まっている状況だ。

〈需要見通し〉
厳しい暑さが続くなか、7月後半からは学校給食の停止もあり、モモの荷動きは停滞している。その半面、消費者の生活防衛意識の高まりから、他畜種と比べても比較的単価の安いムネやササミといったアイテムへの引合いは強く、8月も堅調な荷動きが続くものとみられる。

輸入品はブラジルにおける鳥インフルの影響で価格が高騰しており、タイ産へのオファーも集中している。こうした状況下、盆休みには地方の外食店を中心に一定の荷動きが予想されるが、6月、7月とそれなりのボリュームが輸入されているため、各社手持ち在庫で対応していくようだ。そうは言っても、先々の調達は絞らざるを得ず、輸入品が高値・在庫薄となれば国産に需要がシフトしていく可能性も考えられる。

〈価格見通し〉
8月1日の相場は、日経加重平均でモモ682円、ムネ387円でスタートした。現状、投げ物が散見されるモモは実需を反映してジリ下げ展開が続くものとみられ、8月の月間平均は日経加重平均で660円前後(農水省市況680円前後)と予想される。ムネは380円前後(400円前後)とわずかに下げるものの、弱もちあいで推移するとみられる。ただし、輸入品の動向が不透明にあるなかで、ブラジルの鳥フルも予断を許さない状況が続いており、これが国産にどう影響を及ぼしてくるか注視していく必要がある。

〈畜産日報2023年8月7日付〉