佐浦・佐浦弘一代表取締役社長と、一ノ蔵・鈴木整代表取締役社長
(画像=佐浦・佐浦弘一代表取締役社長と、一ノ蔵・鈴木整代表取締役社長)

一ノ蔵(いちのくら、宮城県大崎市)と佐浦(さうら、宮城県塩竈市)は7月18日、宮城県大崎市の一ノ蔵本社蔵で「一ノ蔵×浦霞」コラボ企画発表並びに中身酒検討会を実施した。

2023年で創業50年を迎えた(株)一ノ蔵と、2024年で創業300年を迎える、酒蔵「浦霞(うらかすみ)」を有する(株)佐浦が、日本酒業界の課題である若年層の日本酒離れへ訴求するコラボ企画として立ち上げたもの。

「日本酒の文化(固定観念)を変える」ために両社の銘柄の原酒が蔵の垣根を越えて出会う事で、これまでになかった新たなチャームポイントを生み出し、この自由な取り組みを通じてこれからの世代に投げかけようという試みとして企画している。

企画発表では、モチーフキャラクターと商品名を発表した。商品名は、浦霞の「うら」と一ノ蔵の「くら」から命名し、「うららとくらら」。モチーフは、コンセプトテーマの「変える」から「カエル」を表し、浦霞の「うらら」と一ノ蔵の「くらら」という名のカエルのキャラクターが起用される。

モチーフキャラクター「うらら」(左)と「くらら」(右)
(画像=モチーフキャラクター「うらら」(左)と「くらら」(右))

また、商品となるお酒は、両蔵の社長・杜氏と、両蔵の特性を理解し、長年宮城県の日本酒の品質向上を指導してきた宮城県農政部食産業振興課の橋本建哉技術副参事兼総括技術補佐を加えた検討委員5名によって選考。各蔵元が事前に候補となる原酒を持ち寄り、その原酒から調合した4種類の候補酒の中から1つを選ぶ形式で審査が行われ、審査の結果、「優しい華やかさとキレのあるカジュアルな日本酒」と評価を得た候補酒が本企画の商品として選考された。

商品デザインやスペックは8月8日に公開予定。発売日は11月8日、720mlで8000本を宮城県内限定・数量限定で発売する。

一ノ蔵の鈴木整代表取締役社長は「この企画によって、全国の日本酒ファンの方から両蔵のコラボレーションでの意外性を感じてもらい、日本酒の固定観念を変える第一歩になるのではと思う。宮城県限定商品だが、ぜひ、全国のファンの皆様に宮城県に来県いただき、とっておきのお酒として楽しんでいただきたい」とコメントした。

佐浦の佐浦弘一代表取締役社長は「良い意味で、ライバル蔵元と思われている両社で持ち寄った、選りすぐりのお酒を調合し、一つのお酒にするコラボ企画は、新鮮な驚きをもってもらえるのではと思う。想像を超えた企画に、どのようにみなさんが反応するか楽しみであり、新しいファン作りをしたい」と意気込みを語った。

また、橋本氏は中味について「吟醸の香りがほのかに香り、全体になめらかで軽いお酒。よりお酒としても全体の味わいがしっかりあってまとまりがある。秋口の旬な料理として芋煮、鍋物、バターでソテーした魚介など手軽に若い方でも楽しめるような料理にも合うようになっている」と説明した。

〈酒類飲料日報2023年7月21日付〉