人材を「資本」として捉えることに注目が集まるなか、人材育成サービス大手のインソースと産業界をリードする人材を養成する神戸大学が連携し、人的資本経営や働きがいに関する実証的な研究に取り組む。
(写真左から)
神戸大学大学院経営学研究科 上林憲雄教授、人的資本経営研究教育センター長
神戸大学大学院経営学研究科 國部克彦研究科長
インソース 舟橋孝之代表取締役社長
インソース 藤本茂夫取締役
神戸大学に人的資本経営の研究教育拠点を開設
東証プライム上場企業で人材育成サービス大手のインソースは、神戸大学大学院経営学研究科と人的資本経営の研究に関する包括連携協定を5月16日に締結した。
同社は舟橋孝之社長があらゆる人が「働く楽しさ・喜び」を実感できる社会の実現を理念に掲げて2002年に設立し、研修やIT活用による生産性向上を支援している。神戸大学大学院経営学研究科は舟橋社長の個人寄付で4月に産学連携による研究教育拠点「人的資本経営研究教育センター(インソース創業20周年記念寄附センター)」を開設した。
今回の協定締結によって、日本企業の人的資本経営実現による経済活性化と、ダイバーシティ促進や働きがい向上などの社会課題の解決に貢献していくことを目指し、①見える化促進プロジェクト:人的資本の開示方法とその分析、可視化・指標化の推進、②働きがい向上プロジェクト:可視化・指標化の推進に伴って阻害されがちな働く人々の働きがいや幸せの追求、③新しい人的資本経営の実装:対立しがちな①と②の同時最適化の体系・方法の追求と実践―を研究テーマに取り組む。
共同研究を基盤に社会とのインタラクティブな関わりを重視したテーマの検討・人材育成などを共に行っていく。
4万社の人材育成データ・ネットワークを研究に提供
協定締結発表の会見で舟橋社長は「神戸大学は経営学部だけでなく医学部や工学部なども有する総合大学であることが強みで、多様な分野の視点を含めた共同研究を進めて、成果を社会に還元していきたい」と話し、同社が保有する4万社の人材育成などに関するデータやネットワークを研究に提供する。
同社が6月に発表した「グループ統合報告書」では、独自調査した450社4424項目の人的資本開示指標をもとに、企業が抱える課題と、課題に対応した提供サービスを示すなど、人的資本経営に役立つ情報の発信にも力を入れている。
【オンラインセミナー】
人的資本経営の要諦は「データと自動化」
~ 東証プライム上場企業の社長が語る、日本企業の課題とソリューション
スピーカー:インソース 舟橋孝之 代表取締役 執行役員社長
セミナー内容
1.人的資本経営における日本企業の課題~450社4000項目の調査結果から考える
2.人的資本経営のポイント①As is-To beギャップを把握し教育精度を向上させる
3.人的資本経営のポイント②効果的な指標を、効率的に開示する
4.人的資本経営のプロセスを、簡単便利にすべて網羅!インソースが提供するシステム「Leaf」シリーズ
8月23日(水)、9月14日(木) いずれも13:30〜 15:00