今回は「令和5年度 TOKYO戦略的イノベーション促進事業」(以下、本事業)についてお知らせします。
本事業は、東京都(公益財団法人 東京都中小企業振興公社)が所管する助成事業で、中小企業・スタートアップ等が取り組む「革新的な研究開発」に必要な費用の助成を通じて、早期の事業化を支援する事業です。本事業の主な特徴、申請要件、審査方法、留意点は、以下の通りです。
1.本事業の主な特徴
(1)最大8,000万円を助成
→ 助成率:2/3、申請下限額:1,500万円
(2)幅広い経費が助成対象
→ 原材料費、直接人件費、産業財産権出願費、専門家指導費、広告費などを対象
(3)事業実施中のハンズオン支援、及び事業完了後のアフターフォロー
→ 製品開発や事業化支援等の経験を持つ連携コーディネータが、技術開発や知的財産権の取得、販路開拓等を伴走型で支援
→ また、事業完了後においても、事業化の進捗状況に応じて、マーケティングや販路開拓等に関した継続支援が受けられる(但し、最大1年間)
2.本事業の主な申請要件
(1)中小企業であり、東京都内に登記簿上の本店または支店があること
→ 設立1年未満の未決算法人でも可
(2)東京都が策定した「イノベーションマップ」に掲げられた9つの開発支援テーマのいずれか1つに合致した技術・製品の研究開発であること
(3)他企業・大学・公設試験研究機関等との連携(委託、外注、共同研究によるノウハウ等の活用)が含まれた事業計画であること
→ 連携先は大企業でも可。また、東京都外の企業・大学・公設試験研究機関等も可
→ 但し、自社単独での開発は対象とならない
(4)早期に事業化を目指す研究開発であること
→ 本事業における「事業化」とは、販売等により収入が発生すること
(5)開発に関する情報を公社に開示し、申請者と公社の窓口として、事業全体の進捗管理や必要書類の管理等を全面的に担当する「統括管理者」を1名設置すること
3.本事業の審査方法
(1)経理審査(財務内容、事業予算、資金確保状況など)
(2)技術審査
①イノベーションマップとの適合性
②新規性(従来技術にない新しい開発要素など)
③優秀性(従来技術に対する優位性など)
④市場性(市場動向、ニーズの把握、販売見込みなど)
⑤実現性(技術的能力、社内外体制など)
⑥計画の妥当性(事業計画や資金計画の適切性など)
4.本事業の主な留意点
(1)申請エントリーが必要
→申請書類の提出(提出期間:2023年8月10日~8月30日 17時まで)に先駆けて、「GビズIDプライムアカウント」を用いた、事前の申請エントリーが必要(締切日:2023年8月8日)
→申請は、国が提供する電子申請システム「Jグランツ」でのみ受付
(2)自社のユニークな独自技術を活かした「革新的な研究開発」に対する助成
→開発以外の経費(運転資金、生産用機械設備導入費等)は、助成対象外
→研究開発が概ね終了し、量産化段階・事業化段階にある技術も助成対象外
(3)書類審査(一次審査)の後、面接審査(二次審査)がある
→申請書類の記載内容はもとより、自社が有する独自技術の特長や助成事業全般について、具体的且つ丁寧に説明できる準備が必要
本事業の支援は最大3年間と、他の補助金・助成金と比べ、長めの支援期間が設けられています。
また、創業1年に満たない、研究開発型のベンチャーやスタートアップも申請することが可能なため、自社のユニークな独自技術を活かし、外部機関と連携して革新的な製品を開発し、新たな成長ステージへのステップアップを目指す中小企業は、申請をご検討下さい!