「経営者にとっても最もプライオリティ(重要度)が高いことは何か」と聞かれれば、多くの社長は「成功」と瞬時に口にするはずだ。それならば、自分の趣味一つとっても、成功につながる趣味を選んだ方がいい。
経営者の趣味としては「釣り」や「ゴルフ」が挙げられることが多いが、では子どもの頃から趣味にしている人も多い「マンガ」は経営者の趣味としてはNGなのか。答えは「否」だ。マンガという趣味をビジネスで生かせるシーンは実は少なくない。
目次
ビジネスにおける「縁」の重要性
ビジネスはその規模が大きくなるほど、1人で成功を果たすことが難しくなる。「自分と従業員」「自分とビジネスパートナー」という関係性において、より多くの人といい縁で結ばれ、かつ同じ方向を向いて動ければ、成功を果たせる確率は高まっていく。
もちろん、雇用した人、事業で手を組んだ相手の全てといい関係を築けるわけではないが、「分母」は大きい方がいい。ここでいう「分母」は「出会った人の数」のことだ。
説明のために、話を単純化しつつ数字を挙げて考えてみよう。たとえば出会った人の中でいい関係を築ける比率が10%だとすると、出会った人の累計人数が100人の場合は「10人」、出会った人の累計人数が300人の場合は「30人」といい関係が築けることになる。
つまり、ビジネスで成功を果たすためには、出会った人の数をいかに増やすかというのも非常に重要な要素ということだ。話が回りくどくなったが、ここでマンガが趣味だということが生きてくる。その理由を次に説明していこう。
「マンガ」は人と人の共通点になり得る
民間市場調査会社のアスマークが2021年に行った調査によれば、「アニメ/マンガ」は男性の趣味で5位、女性の趣味では9位に選ばれている。
コロナ禍による「巣ごもり」が顕著な時期だったことも少なからず影響していると考えられるが、前回調査の2014年時点では男女ともトップ10に「アニメ/マンガ」が全くランクインしていなかったことを考慮すると、趣味としてのマンガ人気は近年高まっていると考えられる。
背景には、最近は雑誌やコミックを書店などで購入しなくても、スマートフォンやタブレット端末があれば、簡単にマンガを購入して楽しめるようになったことが挙げられそうだ。
また、多くのマンガアプリで広告モデルが採用され、広告さえ見れば無料で多くの話を読めることもマンガ人気に拍車をかけているとみられる。
つまりマンガが趣味であるということは、多くの人と同じ「共通点」があるということだ。共通点があると相手から親しみを持ってもらいやすく、これが前述の「出会った人の母数」を増やすことにつながってくる。
せっかく読むなら「人気」マンガを
多くの人と共通点を持ち、出会う人数を増やすという視点でマンガを趣味にする、もしくは現在のマンガという趣味を持ち続けるのであれば、読むマンガはできるだけ人気が高い作品にしたい。その方がより多くのマンガ好きの人と会話が盛り上がりやすいからだ。
どのようなマンガが人気なのかを調べる際には、過去の販売部数データが参考になる。マンガ販売サイトの「漫画全巻ドットコム」が出版社から公式に発表された情報を基に調べたデータによると、ランキングは以下の通りだ。
中でも大人でもファンが多そうな作品を以下に紹介していこう。
ワンピース
「ワンピース」は、週刊少年ジャンプで連載している。冒険モノのマンガであり、特に「友情」に関して多くの人を感動させる要素が盛りだくさんだ。ファンの層は幅広い。
ゴルゴ13
割と年配の層に人気なのが「ゴルゴ13」だ。政治や歴史などに絡めた作品が多い。熱狂的なファンも多く、元首相の麻生太郎氏もファンの1人として知られる。
ナルト
「ナルト」は海外における人気も非常に高く、過去にはニュース誌「ニューズウィーク」における「世界が尊敬する日本人100人」において、同マンガの主人公が架空の人物であるにも関わらず選出されたことがある。海外の人との出会いを増やしたいなら、ナルトは必読だ。
スラムダンク
最新映画が公開された「スラムダンク」は、連載中に読んだことがない世代も新たにファンに取り込んだ。読んでおけば、若い世代も含め幅広い世代との共通点になり得る。
マンガから「知らない知識」を得る視点も
マンガは「共通点」というだけではなく、さまざまな知識を得られることも、もちろん重要な点だ。企業経営や人生哲学、投資、歴史など、作品によっては読書のように多くの知見を得ることができる。
より成功確率を高めるためのアプローチとして
「マンガなんて子どもっぽい趣味」と断罪し、趣味の選択肢からはずしてしまうのは、いささかもったいない。より成功確率を高めるためのアプローチの一つとして、マンガという趣味に注目してみてはいかがだろうか。
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文・一道