サントリーは7月12日、「サントリー生ビール」の西の生産拠点である「〈天然水のビール工場〉京都」において、仕込みから出荷までの工程を報道陣に公開した。
ビールカンパニーの角井達文京都ビール工場長、倉兼敏同工場醸造技術長、川合悠介マーケティング本部イノベーション部課長が出席し、4月の発売以来好調な同商品の販売動向などを説明した。
角井工場長は工場の概要について、「当工場は西日本の酒類基幹工場で、生産能力(年間)は34万kl。ビールとRTDを製造している。サントリーのビール4工場はすべて地下から汲み上げた天然水を用いて醸造している。農産物である大麦、ホップ、生物の酵母といった自然の恵みを生かすために人が存在し、設備を使いこなしておいしいビールをつくりあげている」と話した。
川合氏は、ビール事業参入60周年の節目の年であることし4月に発売したサントリー生ビールの販売動向を説明した。サントリーの1~6月の出荷数量はビール前年比35%増、ビール類14%増で、市場のビール6%増、ビール類1%減をそれぞれ上回っている。主力のザ・プレミアム・モルツは11%増、サントリー生ビールは計画比58%増と好調に推移し、寄与している。
サントリー生ビールは、サントリーが過去に発売したビール(缶)新製品で、史上最速で200万ケースを突破し、4~12月の販売計画を300万ケースから400万ケースへ上方修正した。川合氏は好調の要因について、「年代層が幅広く、40代以下の若年層にもしっかり支持されている。年代率リピート率を見ても、競合製品に比べ、20代、30~40代のビール若年層の反応が良好」とした。
マーケティング戦略については、「好評のテレビCMの夏バージョンの投入と、飲用接点・体験の創出に努める。店頭での景品付き製品の発売や、テレビCMと連動した売り場づくりも含め、さまざまなポイントでお客様との接点を獲得していくことで、おいしさを感じてもらい、ファンになってほしい」と話した。
また、「10月には酒税改正があり、ビールを手に取ってみよう、もっと飲んでみようという変化があるタイミング。10年、20年愛してもらうブランドになるよう、しっかりマーケティングを行う」と強調した。
また、「過去にいろんな商品でスタンダードビールに挑戦してきた。浸透してファンになってもらうには時間がかかる。飲用体験の創出、コミュニケーションを含め、粘り強く取り組む必要がある」とした。
〈酒類飲料日報2023年7月14日付〉