PMI
(画像=Athitat Shinagowin/Shutterstock.com)

売り手と買い手がともに成長するPMI

PMIとは「Post Merger Integration(合併後の統合)」の略語である。そのためPMIは「買い手目線」で語られることが多いが、「統合」や「吸収」という視点だけでPMIを進めていくことはできない。「戦略的M&A」においては、売り手企業の良さを活かす、従業員のモチベーションを高める、といったことが両社の成長に必要不可欠な要素となるためだ。我々は、PMIを「資本提携後に売り手企業と買い手企業がともに成長する過程=Collaborative Growth Process」と再定義している。

互いの成長戦略を実現するために、すべてのステークホルダーがこのような基本コンセプトでPMIに取り組むべきだろう。

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(画像=日本M&Aセンター)

PMIでやるべきことは多くの領域に分散しているが、大きく「Physical Issues(実務的な課題)」と「Organizational Issues(組織的な課題)」と「Emotional Issues(感情的な課題)」という3 段階に区分できる。

これらを網羅したものが、いわゆる「100日プラン」だ。しかし、現実的には買い手企業がPMIの専任者をアサインするのが難しかったり、売り手企業でこれらに対応できる人材が限られたりしていることから、これらのテーマを同時並行的に、かつ、100日間で実施するのは非常に困難である。そこで、M&A直後の3ヶ月間は「Physical Issues(実務的な課題)」に軸足を置きながら「Organizational Issues(組織的な課題)」の準備を進めるなど、優先順位を明確にすることによってパワーの分散を避けることが重要だ。

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(画像=日本M&Aセンター)

クイックヒットによる「変化の見える化」

実際のPMIの現場では、売り手企業の従業員に対する配慮から、PMI施策の実施が後手になるケースが散見される。M&A直後の従業員の不安を早期に払拭する意味でもクイックヒットに取り組むことが効果的だ。前向きな意味で「会社が変わった」というメッセージを早期かつ連続的に売り手企業従業員に対し発信することで、その後の成果創出に向けたエネルギーを蓄積することにもなる。M&A担当の皆様には、M&A成約前から「効果的なPMI」を計画し、実行していただきたい。

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(画像=日本M&Aセンター)

竹林 信幸(PMI支援室 上席課長 株式会社日本M&Aセンター)