休肝日は必要ない? 脂肪肝のリスクを減らすお酒とおすすめの飲み方
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(本記事は、浅部 伸一氏の著書『長生きしたけりゃ肝機能を高めなさい』=アスコム、2023年4月5日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

休肝日は必要ない

「週に1日は休肝日をとりましょう」と聞いたことがあるかもしれません。

そうかと思うと、「週に2日は休肝日を」と説く本や、「休肝日なんていらない」と主張する専門家もいます。

いったい、何が正しいのでしょうか。

実は、大事なのは「総量」です。たくさん飲む人なら、ときには飲まない日を設けるほうがいいでしょうし、いつも少ししか飲まない人には休肝日がいらないかもしれません。

大酒を飲む人に必要なのは、肝臓を「休ませる」ことではありません。

必要なのは、お酒の「総量規制」です。

お酒を飲むときには、必ず水分を摂るのが鉄則

お酒にも、糖質が多い種類と少ない種類があります。

糖質が少ないほうが、肝臓には優しいお酒です。糖質が多いお酒には、梅酒などの果実酒のほか、紹興酒、日本酒、発泡酒、ビール、チューハイ、ワインなどがあります。いわゆる「醸造酒」です。

逆に、焼酎、ウイスキー、ブランデー、泡盛、ウオッカ、ジン、ラム、テキーラなどの「蒸留酒」には、糖質が含まれていません。そのため、蒸留酒のほうが脂肪肝のリスクを抑えるとされています。

一回に数種類のお酒を飲むつもりなら、アルコール度数の低いお酒から飲み始めるといいでしょう。「とりあえずビール!」はその点、理にかなっているということです。

ですが、ビールは糖質が多いので、ウイスキーを炭酸で割ったハイボールなどを「とりあえず!」に採用するのがおすすめです。

なお、ウイスキーをストレートで飲むときなどに「チェイサー」としてお水が供されますが、ウイスキーに限らず、お酒の合間にはお水を飲むといいでしょう。

なぜなら、お酒を飲むと体内の水分量が足りなくなりがちだからです。その原因の一つは、アルコールに利尿作用があること。もう一つはアルコールの分解に体内の水分が使われるからです。お酒の合間にお水を飲めば、減ってしまった水分を補給することができます。

お水を飲めば、アルコールが薄められるばかりでなく、お酒を飲む量を抑える効果もあります。

長生きしたけりゃ肝機能を高めなさい
浅部 伸一(あさべ・しんいち)
肝臓専門医。自治医科大学附属さいたま医療センター消化器内科元准教授。
1990年、東京大学医学部卒業後、東京大学附属病院、虎の門病院消化器科等に勤務。国立がんセンター研究所で主に肝炎ウイルス研究に従事し、自治医科大学勤務を経て、アメリカ・サンディエゴのスクリプス研究所に肝炎免疫研究のため留学。帰国後、2010年より自治医科大学附属さいたま医療センター消化器内科に勤務。現在はアッヴィ合同会社所属。 専門は肝臓病学、ウイルス学。好きな飲料はワイン、日本酒、ビール。

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