日本の交通を支える高速道路は、年々新しい路線や区間が開通しています。高速道路事業会社であるNEXCOや国・地方自治体により、高速道路の建設・維持・管理が行われ、便利に快適に高速道路を利用することができます。
新しい高速道路の開通は、車を運転する人にとってはとてもありがたいもので、開通した区間のいままでの一般道でかかっていた所要時間と、開通後の所要時間の差を肌で感じると、高速道路の偉大さが身にしみて感じとれます。
新しい高速道路の開通は、特に2000年以降にはこれまでの主要高速道路以外の地方と地方を結ぶ、いわゆるローカル線や都市部の交通がより円滑になるための路線など、よりみなさんが高速道路を身近に便利に利用できるようになってきました。
今回はそんな新設の高速道路に関して、2023年以降に開通が予定されている、みなさん期待されている路線について、いくつかお話ししていきます。ぜひ、参考にしていただき今後の高速道路開通情報に注目していただければと思います。
目次
【新東名】2027年に新秦野IC〜新御殿場ICが開通予定
まずは、私の記事でこれまでにも何回か紹介させていただいている新東名高速道路(以下 新東名)。東名高速道路(以下 東名)の代替ルートとして建設・開通した新東名は、高速道路誕生から約半世紀の経験や技術進歩が盛り込まれた、まさに近未来的高速道路です。
2012年4月に初区間が開通し、その後だんだんと開通区間を伸ばしていき、新東名は約9割の区間が開通し、残す区間は新秦野IC〜新御殿場ICのみとなりました。
現状、未開通区間は東名を通るのが主要ルートですが、該当区間は東名随一の山岳地帯となっており、渋滞の激しい区間でもあることから、新東名が開通すればかなりの利便性向上が見込まれます。
現在、未開通区間の建設が進められていて、2027年には新秦野IC〜新御殿場ICが開通予定。こちらが開通すると新東名は全線開通となります。全線開通すれば神奈川県海老名の「海老名南JCT」〜愛知県豊田市の「豊田東JCT」まで東名を利用せず、新東名1本で行けることになります。
【新名神】大津JCT〜城陽JCT・ICが2024年に開通予定
新東名に続いて新名神高速道路(以下 新名神)も、未開通区間を残している路線となっています。新名神は名神高速道路(以下 名神)の代替ルートとしてつくられている路線です。
新東名や伊勢湾岸自動車道(以下 伊勢湾岸道)と合わせて、首都圏〜中京圏〜関西圏の移動のスムース化がされており、さらに新名神終点の「神戸JCT」は山陽自動車道の起点であり、中国自動車道の重要経由地にもなっているため、関西圏〜西日本への移動にもつながる重要路線です。
実質的な初区間開通は2008年2月と新東名よりも早く開通し、その後起点の「四日市JCT」からや終点の神戸JCT側からの開通が徐々に進み、現在残す区間は滋賀県の「大津JCT」〜京都府の「城陽JCT・IC」、「八幡京田辺JCT・IC」〜大阪府の「高槻JCT・IC」の合計36kmとなりました。
今のところ、大津JCT〜城陽JCT・ICが2024年度、八幡京田辺JCT・IC〜高槻JCT・ICが2027年度開通を予定しております。新東名と合わせて、全線開通が期待されます。
【東関道】2025年〜2026年に潮来IC〜鉾田IC間が開通予定
千葉県〜茨城県にかけて通っている東関東自動車道(以下 東関道)は、首都圏にいらっしゃる方なら利用されたことがある方も多いのではないでしょうか。日本最大級のイベントホールである幕張メッセや日本最大級の国際空港となる成田空港の近郊を通ることから、重要度の高い路線となっています。
初区間開通は1971年10月と意外と歴史は古く、当時は「新空港自動車道」という名称でした。その後現在の東関道に名称が変更され、開通区間を延ばしていきました。
現在、茨城県の「潮来IC」〜「鉾田IC」が未開通区間となっており、鉾田IC〜終点の「茨城町JCT」はすでに開通しています。全線開通すると、東関道沿道への影響だけでなく、常磐自動車道(以下 常磐道)の代替ルートとしても利用できるようになるため、期待値はかなり高い路線です。
潮来IC〜鉾田ICの開通は、2025年度〜2026年度を予定されています。こちらが開通すると、茨城県内でも鹿島港〜茨城空港〜大洗港が高速道路でつながるため、物流関係への効果もかなり期待されます。
【外環道】開通時期は未定も、今後中央道、東名と接続
首都圏の環状高速道路となる東京外環自動車道(以下 外環道)は、首都高の外側と首都圏を起点とする各主要高速道路の起点および起点付近を通る高速道路です。
通っているのが首都圏内のみではあるものの、交通量は東北自動車道(以下 東北道)に次いで2番目の多さをほこり、重要度が高めの高速道路です。
1992年11月に初区間が開通し、しばらく首都高・関越自動車道(以下 関越道)・東北道・常磐道部分の接続という状況がつづきましたが、2018年6月に千葉県部分が開通し、京葉道路や東関道とも接続されました。
そして現在、関越道との接続地点となる「大泉JCT」より西側の中央自動車道(以下 中央道)や東名との接続区間が未開通区間となっています。これらの区間の開通時期は未定ですが、開通に向けて調査や建設が進められており、大泉JCT・中央道・東名では外環道の建設状況を垣間見ることができます。
【東海環状道】2024年に「山県IC」〜「大野神戸IC」等が開通予定
中京圏の環状高速道路である東海環状自動車道(以下 東海環状道)も、首都圏の外環道や圏央道と同様に中京圏から放射線に延びている各主要高速道路との接続路線として活躍しています。
特に、起点の「豊田東JCT」および近郊の「豊田JCT」〜「土岐JCT」は東名・伊勢湾岸道・新東名・中央道との接続がある重要区間であり、東海環状道のなかでも交通量が多い区間となっています。
2005年3月に初区間が開通し、東名〜東海北陸自動車道(東海北陸道)は接続され、その後断続的な開通がされていますが、今のところ東海北陸道〜名神〜新名神は未開通区間があり、接続されていない状態となっています。
今後の予定として、2024年度に岐阜県の「山県IC」〜「大野神戸IC」と三重県の「北勢IC」〜「大安IC」が、2026年度に「養老IC」〜「北勢IC」が開通予定です。全線開通が待ち遠しい路線の1つです。
どんどん便利になる高速道路をドライブしましょう
他にも近年開通予定の高速道路は全国各地に存在します。また、既存の高速道路も車線の増設や制限速度の引き上げなどにより、よりスムースに走行できるような取り組みも行われております。
新しい高速道路の開通は、これまで遠くに感じていた地域が一気に近くに感じるようになるため、行動範囲が広がる他、実際に利用すると感動すら覚えることもあります。
私の場合、静岡県や愛知県を以前は遠くに感じていたのですが、近年のめざましい高速道路ネットワークの発達により現在は身近に感じられるようになり、今ではたびたび静岡県や愛知県へドライブにいっています。
NEXCO各社のホームページでは、近年開通予定をしている高速道路や区間について公表していますし、新東名やが外環道などは現在の建設状況の画像をホームページへ載せていることもあるので、これからへの期待をしつつ、ぜひみてみていただければと思います。
また、新しい高速道路が開通した暁にはなるべく早く走行してみるのがおすすめです。路面やトンネルの新しさや、いままで通れなかったところが通れるという実感が、またドライブする気もちを高ぶらせてくれます。
■著者プロフィール、これまでの記事はこちら