システム開発の補助金は事業再構築補助金とものづくり補助金どっちに申請すればいい?①

事業再構築補助金は第10回から制度が大きく変わりました。

そのうちの1つで、売上減少要件が特定の枠(「最低賃金枠」「物価高騰対策・回復再生応援枠」)を除き、なくなりました。
コロナ禍でも業績が好調な事業者様から、事業再構築補助金で検討したいというお問い合せが増えてきております。
システム投資により新規事業開拓や既存事業強化を検討する場合に、事業再構築補助金とものづくり補助金補助金でどちらで申請すべきか、どのような違いがあるかについて複数回に分けて解説していきます。

違い①:新規事業 or 既存事業

事業再構築補助金の目的は、
ポストコロナ・ウィズコロナの時代の経済社会の変化に対応するため、新市場進出(新分野展開、業態転換)、事業・業種転換、事業再編、国内回帰又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、中小企業等の思い切った事業再構築を支援することで、日本経済の構造転換を促すこと
と公表されています。

ものづくり補助金の目的は、
中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援すること と公表されています。

事業再構築補助金の場合は、新規事業への展開が必要であり、申請の際には、既存事業との違いを記載する必要があります。

違い②:補助金の上限額

2つの補助金の予算規模には大きな違いがあります。
事業再構築補助金の場合は、約1兆円であるのに対して、ものづくり補助金は約1千億円です。
補助金額も、事業再構築補助金のほうが上限額が高く設定されており、より大きい投資額の案件に向いています。
事業再構築補助金の目的にもあるように、コロナ禍で業績が大きく落ち込み、事業の大展開をせざるを得ない事業者を対象としており、事業者にとって新たな取り込みに挑戦する場合は事業再構築補助金が適しています。

※2つの補助金ともに、複数の類型が用意されていますが、システム開発で利用の多い以下の枠を例に記載しています。

<事業再構築補助金【成長枠】の補助金額>
従業員数20人以下:100万円 ~ 2,000万円
従業員数21~50人:100万円 ~ 4,000万円
従業員数51~100人:100万円 ~ 5,000万円
従業員数101人以上:100万円 ~ 7,000万円

<ものづくり補助金【デジタル枠】の補助金額>
従業員数5人以下:100万円 ~ 750万円
従業員数6人~20人:100万円 ~ 1,000万円
従業員数21人以上:100万円 ~ 1,250万円

違い③:経費対象

ものづくり補助金の場合、建築費・広告宣伝費・研修費は補助対象外です。
新規事業ではプロモーションを行うため、広告宣伝費・研修費を補助対象経費とする場合は、事業再構築補助金を選択します。

<事業再構築補助金の補助対象経費>
建物費
機械装置・システム構築費
クラウドサービス利用費
技術導入費
専門家経費
運搬費
知的財産権等関連経費
外注費
広告宣伝費・販売促進費
研修費

<ものづくり補助金の補助対象経費>
機械装置・システム構築費
クラウドサービス利用費
技術導入費
専門家経費
運搬費
知的財産権等関連経費
外注費
原材料費

違い④:業種の縛り

第10回事業再構築補助金から通常枠は成長枠に変更になりました。 成長枠には、売上減少要件なくなったため、コロナ禍でも業績が落ち込まなかった事業者も事業再構築補助金での申請が可能となりました。
但し、成長枠には、以下の要件が加わりました。
取り組む事業が、過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が 10%以上拡大する業種・業態に属していること

補助対象事業が成長が期待できる市場に限定されます。
詳しくは「成長枠の対象となる業種・業態の一覧」
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/seichowaku_list.pdf

※リストは今後更新される可能性があります。

新規事業でかつ上記リストに記載された業種に該当する場合は、事業再構築補助金での申請が可能となります。

事業再構築補助金とものづくり補助金を同時に申請することは可能ですかという問い合せをいただくこともあるのですが、別テーマの事業であれば申請可能です。
例えば、事業再構築補助金で新規事業展開、ものづくり補助金で既存事業の生産性改善をテーマに並行して補助金を申請することが可能です。

弊社では、システム開発経験のあるコンサルタントが事業再構築補助金をはじめ各種補助金の申請支援を行っております。
システム開発を伴う事業で補助金を検討されている事業者様はお気軽にお問い合わせください。

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