矢野経済研究所
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2021年度の国内ディスプレイ(内装)業の市場規模は、前年度比3.1%減の1兆2,700億円と推計

~2022年度は、イベント関連需要や商業施設・アミューズメント施設等の新装・改装需要の回復により、同6.3%増の1兆3,500億円の見込~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、ディスプレイ業界を調査し、国内市場規模、関連業界の動向、将来展望を明らかにした。

国内ディスプレイ業の市場規模推移・予測

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1.市場概況

2021年度の国内ディスプレイ業の市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比3.1%減の1兆2,700億円と推計した。2021年度は、イベントや展示会等の需要が回復傾向にあった。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大が続く中、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が継続的に発令され、経済活動への制限が長期化したことで、商業施設やエンターテインメント施設等の新装・改装需要が低調となった。そのため、ディスプレイ業全体ではマイナスに推移した。

2.注目トピック

収益性の改善が課題に

ディスプレイ業は、構造的に低収益体質である。近年は、資材価格や人件費の上昇による原価高騰、価格競争の激化を背景に、ディスプレイ事業者各社の収益性は更に厳しい状況となっている。

そのため、ディスプレイ事業者の多くは、企画、設計、デザイン、制作、施工等における差別化と総合的なプロデュースにより付加価値を高めることで、収益性の向上を目指している。また、業務効率化や協力事業者の新規開拓、発注スキームや仕入れスキームの見直し、グループ会社との連携強化により、原価低減を目指す動きも見受けられる。

3.将来展望

2022年度の国内ディスプレイ業の市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比6.3%増の1兆3,500億円の見込みである。2022年度は、資材価格高騰等の影響に伴う設備投資の抑制や出店計画の見直し、資材不足による工期の遅れ等のマイナス影響があった。一方で、2021年度に引き続きイベント・展示会等の需要が好調だったことや、2022年3月にまん延防止等重点措置終了後、全国を対象とした営業制限は実施されておらず、景気の回復とともに、商業施設やアミューズメント施設等の新装・改装需要が回復していることから、同市場はプラスに推移する見通しである。

調査要綱



1.調査期間: 2023年1月~3月
2.調査対象: ディスプレイ業界、イベント業界、商業施設業界、関連業界など
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談、ならびに文献調査併用
<ディスプレイ市場とは>
総務省「日本標準産業分類」によると、ディスプレイ業は「主として販売促進、教育啓蒙、情報伝達等の機能を発揮させることを目的として、店舗、博覧会々場、催事などの展示等に係る調査、企画、 設計、展示、構成、製作、施工監理を一貫して請負い、これら施設の内装、外装、展示装置、機械設備(音響、映像等)などを総合的に構成演出する業務」と定義されている。

本調査におけるディスプレイ業の市場規模は、広域な業務を手掛けるディスプレイ企業の事業者売上高ベースで算出した。
<市場に含まれる商品・サービス>
商業施設や展示施設(展示会・ショールーム等)、博覧会施設、文化施設(博物館・美術館・水族館等)、イベント・催事、娯楽施設(遊園地等)、公共施設(公園・モニュメント・サイン等)などの企画・基本設計、内装・設備工事、什器・制作物等のディスプレイ工事など

出典資料について

資料名2023年版 ディスプレイ業の市場展望と事業戦略
発刊日2023年04月10日
体裁A4 286ページ
価格(税込)165,000円 (本体価格 150,000円)

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