コロナ禍からの回復傾向にあり、2022年度のカテーテル&チューブ、IVR製品市場は前年度比2.4%増の3,916億円の見込
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、国内のカテーテル&チューブ、IVR製品市場の調査を実施し、市場規模推移、診療科目別の製品導入動向、製造販売業/販売元シェア、参入各社の販売政策、今後の成長製品などを明らかにした。
1.市場概況
カテーテル&チューブ、IVR製品とは、病院やクリニック、検査センター等で使用される単回使用の医療機器(診断及び治療を目的として使用される医療用デバイス)である。カテーテル&チューブ、IVR製品を含む国内医療機器市場は、近年、診療報酬改定による影響を受けて市場規模が減少する製品も多いものの、これまでは横這いから微増推移を続けてきた。
2021年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響から待機症例を中心に延期されていた手術数が回復し、さらに疾患領域によっては外来患者数もほぼ元の状態に戻った。製品によっては引き続き症例減の影響を受けているものの、大半の製品領域はプラスに転じている。2021年度のカテーテル&チューブ、IVR製品市場(メーカー出荷金額ベース)は前年度比3.7%増の3,822億4,200万円となり、2022年度も引き続きコロナ禍からの回復傾向にあり、同2.4%増の3,916億円の見込みとなっている。
2.注目トピック
アブレーション関連カテーテル市場
不整脈に対するアブレーション治療(経皮的心筋焼灼術)の症例数は、2021年度で98,958例、うちAF(心房細動)症例が71,574例と増加しており、同症例に対してはIVUS(intravascular ultrasound)・ICE(Intracardiac Echocardiography)が90%以上で採用されていると推測する。
症例数が増加する中、アブレーションカテーテルの出荷本数増加と併せて、アブレーション関連カテーテルでは検査用の電極カテーテル、挿入部位を確保する遠位端可動型シースイントロデューサーセットの本数も拡大傾向にあり、合算したアブレーション関連市場は2021年度が新型コロナの影響を強く受けた前年度から7.1%増の921億5,100万円、2022年度は同6.9%増の984億9,500万円を見込む。
3.将来展望
カテーテル&チューブ、IVR製品市場は外科的手術が減少し、非侵襲的な経皮的手技の症例が増加したことで、2000年度頃までは年平均で10%弱の伸び率であった。しかし、それ以降は高齢化の進展で症例数が増加する製品群がある一方、保険償還価格改定時に償還区分の変更や統合、償還価格2ケタ下落の大型製品も存在するなど、製品群の二極化傾向が続き、市場規模は微増傾向にあるものの減少実績にとどまる年度もみられる。それらを考慮し、2026年度のカテーテル&チューブ、IVR製品市場規模は、2021年度比6.4%増の4,068億500万円と予測する。
調査要綱
1.調査期間: 2022年5月~2023年2月 2.調査対象: 国内メーカー及び輸入製品の総発売元(製造業・製造販売業) 3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンラインを含む)、ならびに電話取材調査併用 |
<カテーテル&チューブ、IVR製品とは> 本調査におけるカテーテル&チューブ、IVR製品とは、病院やクリニック、検査センター等で使用される単回使用の医療機器(診断及び治療を目的として使用される医療用デバイス)を指し、血管内で使用される、PTCA(Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty)やPTA(Percutaneous Transluminal Angioplasty)関連のカテーテル、血管造影用カテーテル、アブレーション治療関連のカテーテル、Coronary Stent(ステント)、末梢血管用ステント、塞栓用コイル、消化管バルーン・ステント、栄養カテーテル、サクションチューブ(吸引カテーテル)、尿管ステント、ネラトンチューブ、自己導尿カテーテルなどに加え、各診療科特有の製品を含む52項目(80区分)を対象とした。 また、IVR(Interventional Radiology)製品は、X線透視撮影装置やCTなどの画像診断下で体内の診断・治療を行うデバイスで、血管系と非血管系の製品に分類される。 |
<市場に含まれる商品・サービス> カテーテル&チューブ、IVR製品 |
出典資料について
資料名 | 2022年版 カテーテル&チューブ、IVR製品市場の中期予測と関連製品の徹底分析 |
発刊日 | 2023年02月24日 |
体裁 | A4 689ページ |
価格(税込) | 132,000円 (本体価格 120,000円) |
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