IT導入補助金 「通常枠」で採択されるコツ3選(基礎編)

2023年度も、既にIT導入補助金2023の交付申請受付が始まっております。
まずは、昨年度実施されたIT導入補助金2022の採択率を振り返ると、以下の結果となりました。

通常枠の採択率                約58%
デジ枠(デジタル化基盤導入類型)の採択率   約82%

特徴としては、ご覧のとおり、インボイス制度(2023年10月開始)を追い風に、デジ枠の採択率の高さが目立ちます。今年度においても、引き続きインボイス制度が追い風となり、昨年度同様、デジ枠の採択率が高くなると見ております。

一方で、IT導入補助金は、採択結果が不採択となっても、その理由を知ることができないと言った、もどかしさがあります。
そのため、手探り状態で、不採択時の原因と思われる箇所を修正して再申請したものの、採択されないといったケースが散見されます。
特に「通常枠」においては、不採択結果を受けての再申請時に、対策に苦慮された方が一定数おられたことと推察しております。

こういった状況を踏まえ、「通常枠」にフォーカスして、採択されるコツを説明していきます。
まずは、採択を勝ち取るための考え方として、大きく次の2つがあげられます。

  1. 記入不備による足切り(ノックアウト)や減点を防ぐ。
  2. 目的に応えた申請内容にして、プラス点を積み重ねる。

今回の記事では、上記1.の「記入不備による足切り(ノックアウト)や減点を防ぐ。」ためのコツを以下で説明していきます。

「通常枠」で採択されるコツ3選(基礎編)

①交付申請手引きに沿って入力していく。
申請入力時の不安は大敵です。特に、初めて入力される方は要注意です。そんな時に役立つのが交付申請手引きです。交付申請手引きは、申請者視点で丁寧に記述されており、不安解消の対策として使わない手はないです。
例えば、申請マイページから申請入力する際、事前に交付申請手引きの4章「4.交付申請の入力画面イメージ」の内容にザっと目を通し、どんな流れでどういった情報項目を入力するのかイメージを持った上で、次に交付申請手引きにそって入力していくだけで、ケアレスミスを大幅に防げるはずです。

②正しい情報を入力する。
弊社は昨年度で200件以上の申請をサポートしてきました。サポートを通じて気付いた、入力時に気を付けるべき箇所を以下に記します。チェックシート的にご活用ください。


基本情報

本店所在地履歴事項全部証明書の情報を正とし、入力してください。
設立年月日履歴事項全部証明書の情報を正とし、和暦西暦一覧で和暦を確認してから入力してください。
代表者・役員数取締役に加え、監査役も含めた人数を入力してください。
役員情報履歴事項全部証明書の情報を正とし、入力してください。特に、役職と氏名(漢字)は間違わないように。
※氏名(漢字)で間違いやすい一例:崎/﨑、斎/斉


財務情報

年間の平均労働時間単位が「年間」であることを再確認してください。(単位を「月間」と勘違いしているケースが散見されます。


添付書類

履歴事項全部証明書の写し発行日から3ヶ月以内のものか確認の上、添付してください。
法人税納税証明書直近の納税証明書(その1)もしくは(その2)のいずれか1枚のみを添付してください。

③「経営状況についての入力」での回答は、一貫性を意識する。
「経営状況についての入力」は、選択式のため安易に回答してしまいがちです。しかし、前後の設問間で関連している箇所があり、安易に回答してしまうと、全体的に見て一貫性に欠けた回答になってしまう可能性があります。一貫性を保つための確認例を以下に挙げます。

「3.ビジネスプロセスの改善に向けて」で回答した内容は、「2.事業」の”弱み”で回答した項目と関連付けができていますか?
「2.事業」の”ITツール投資/活用の状況”において、”過去にIT投資を行っていない”を指定した場合、以降の”過去のIT投資”に関する質問に対して、一貫して”過去にIT投資を行っていない”の回答を選択できていますか?
つきましては、一貫性を意識するためにも、まずは各設問に対して丁寧に答えていくことを心がけましょう。

以上となります。今回は、申請時の足切りや減点を防ぐポイントを説明しました。次回は、申請時の加点を積み重ねるポイントを説明していきます。