「システム開発に活用できる事業再構築補助金」について解説いたします。
システム開発における補助対象経費
システム開発では、開発に携わる人的リソースと開発費用の確保が欠かせません。費用面で、システム構築費に補助金を活用することができます。
但し、以下については補助対象外となります。
事業に係る自社の人件費、旅費
システム開発においては、開発に関わる人件費が事業全体の費用の大半を占めますが、社内SE・プログラマーでの開発費用は補助対象外となります。
ITベンダー会社にシステム構築を外注しつつも、要件定義や案件全体の進捗管理などは自社で行うという場合もその人件費は対象外となるため注意が必要です。
また、事業再構築補助金では広告宣伝・販売促進費は補助対象経費となります。
補助事業のPR広告としての経費が対象になりますが、補助事業以外もしくは会社全体のPR広告としては対象外です。
事業再構築指針に沿ったシステム開発
事業再構築指針とは、申請するにあたり、補助事業の取り組みとして最低限満たさなければならない要件です。5つの区分の中から1つを選択して申請します。
<事業再構築指針について(出典:経済産業省「事業再構築指針の手引き」>
システム開発で該当するケースが多い「新市場進出」、「事業転換」、「事業再編」について見ていきましょう。
・新市場進出
新しい製品、サービスで新たな市場に進出するが、主力の事業は既存事業のまま。
例えば、花屋さんがオンラインでフラワーアレンジメント教室を提供し、ライブ配信だけでなく録画配信の閲覧や他の生徒の作品をオンライン上で共有するシステムを開発します。主力事業は生花の小売で店舗でお花を購入する方がターゲットのままですが、新しい事業はオンラインでフラワーアレンジメントを学ぶ方となるので、サービス内容もターゲットも既存と明らかに異なります。
主力事業は既存のままではあるけれど、補助対象事業の売上構成比率が10%以上、もしくは付加価値額が15%以上になるように計画を立てる必要があります。
・事業転換
新しい製品、サービスで新たな市場に進出し、主力となる事業が変わること。
例えば、コロナ禍での外食自粛等により売上が減少した飲食店が、デリバリー事業を立ち上げアプリでオーダー可能なシステムを開発し、中食市場への展開を図ります。この場合は、業種は変わりませんが、これまで経験のないデリバリー事業という新たな事業となります。また、主力事業も飲食店からデリバリー事業に変わるため「事業転換」に当たります。
・業種転換
新しい製品、サービスで新たな市場に進出し、主力となる業種が分かること。
例えば、介護施設運営会社が介護士と介護会社の人材マッチングプラットフォームを提供して人材派遣業を行い、売上構成比が最も高くなるように計画します。この場合、顧客層が介護を受ける側から介護を提供する側に変わり、介護サービスから人材サービスに業種も変わるため、「業種転換」に当たります。
弊社では、システム開発経験のあるコンサルタントが事業再構築補助金をはじめ各種補助金の申請支援を行っております。
システム開発を伴う事業で補助金を検討されている事業者様はお気軽にお問い合わせください。