※画像をクリックするとAmazonに飛びます
部下とコミュニケーションをとるべきだと思いますが、仲良し・友達関係になってはいけないと思います。線引きはどうすべきでしょうか?
何のためにコミュニケーションをとるのか
「仲良し・友達関係になってはいけない」という懸念は、部下とのコミュニケーションは「仲良くなるための要素」であって、「成果を出すための要素」としては重要ではないという考えから生まれているのでしょう。
職場におけるコミュニケーションの目的は、「部下との関係性を良好なものにすることで、部下に仕事を円滑に進めてもらって、成果を出してもらう」ことです。
「部下に好かれるため」でも、「単に楽しい職場にするため」でもありません。そこを履き違えると、「なあなあな関係」に堕落します。
私はさまざまな会社のコンサルティングに入るので、「上司に対する部下のフィードバックコメント」を拝見することがあります。
雰囲気が明るく、社員も上司もニコニコして働いているのに、業績が振るわない会社のフィードバックコメントには、次のような文言が並びます。
- 優しさだけでは解決できない厳しい事業環境下にある。みんなが一丸となって成果をあげられるチームにするため、毅然たる行動指針の明示と、メンバーの状況に応じたさらなる育成を期待する
- 能力があるのに実行しないメンバーには、ときには厳しく指導したり、アドバイスしたりといったアプローチがあってもいいのではないか
- メンバーに遠慮せず、リードしてほしい
一方、同じように雰囲気が明るく活気にあふれ、さらに業績もよい会社のフィードバックコメントには、次の文言が目につきます。
- 「成果をあげるためにやるべきこと」を共有しようと、具体的な話をしてくれる
- 求める成果のために一緒に汗をかき、ともに行動してくれる中でのコミュニケーションには説得力があり、やる気が出る
「部下ととるべきコミュニケーション」とは?
前者はまさに「なあなあな関係」に堕落してしまっている会社。
後者はコミュニケーションが「成果を出すための要素」として円滑に機能している会社だといえます。
違いは、「何のためにコミュニケーションをとるのか」が明確なことです。
仕事では成果をあげることが求められます。ならばコミュニケーションも「成果をあげるため」に行われるべきです。
成果をあげるコミュニケーションとは、突き詰めれば次の3つに集約されます。
①うまくいっていない原因の確認と共有
②うまくいっている原因の確認と共有
③メンバーの背中を押す励まし
成果に直接結びつかないコミュニケーション(趣味の話題や家族の話など)は人間関係の土台を築くうえで大切ですが、こちらに偏りすぎてはいけません。
あなたは普段、どんなコミュニケーションを部下ととっていますか。自分のことは意外とわからないものです。時間をとって、じっくり振り返ってみてください。