趣味は独自の視点や創造力を生み出し、イノベーションを促すだけでなくリーダーシップやチームワークにもプラスの影響を与えることをご存じだろうか。仕事で多忙極まりない経営者のなかには、仕事だけでなく趣味にも力を入れている人も多い。趣味とビジネスのシナジーを磨く方法について解説する。

目次

  1. 趣味を活用したイノベーションの源泉
    1. 独自性を生み出す趣味の要素
    2. アイディア創出のための趣味活動
  2. 経営者の趣味が創造する風土と社員のモチベーション
    1. 経営者の趣味を共有する社内イベント
    2. 趣味を通じた社員同士のコミュニケーション促進
  3. リーダーシップと趣味の関係:自己成長を促すプロセス
    1. 趣味による新たなスキル習得とその経営への応用
    2. 自己啓発と経営者の役割を結びつけるアプローチ
  4. 経営者こそ趣味の活用を
趣味で経営を加速! ビジネスとのシナジーを磨く方法とは
(画像=denisismagilov/stock.adobe.com)

趣味を活用したイノベーションの源泉

趣味は経営者や起業家にとってイノベーションの源泉となることがある。趣味を通じて得た独自の視点や知識により、ビジネスに新たなアイディアや解決策をもたらすことが可能だ。

独自性を生み出す趣味の要素

趣味は個人の特性や経験が反映されるため、独自性に富む要素が多い。そのためビジネスにおいても趣味を活用することで他社と差別化されたアプローチやサービスを生み出す可能性がある。例えば、アートやデザインの趣味を持つ経営者は、ビジネスにおいてクリエイティブな発想を活かすことが期待できるだろう。

またスポーツやアウトドア活動を楽しむ経営者は、リーダーシップやチームワークのスキルを磨くこともできる。これらの趣味がもたらす独自性は、競争力のあるビジネスを構築するうえで非常に重要だ。

アイディア創出のための趣味活動

イノベーションを促す方法の一つとして趣味を活用する経営者も少なくない。趣味活動は、アイディア創出のための豊かな土壌を提供する。趣味を通じてリラックスしたり、異なる環境に触れたりすることで新たな視点やインスピレーションが生まれることもあるだろう。またアイディア創出のためには、仕事と日常の区切りをつけることも重要だ。

例えば、平日の仕事終わりにスポーツジムに通ったり、休日の早朝は釣りに行ったりするなど上手に仕事のオンオフを切り替えている経営者もいる。趣味を通じて異業種の人々と出会うことで、異なる分野の知識やアイディアを交換し、ビジネスに応用することも可能だ。趣味を通じて独自性を生み出し、アイディアの創出を促進することでビジネスの競争力向上が期待できる。

経営者の趣味が創造する風土と社員のモチベーション

経営者が趣味を社内イベントなどで共有することで、風土づくりや社員のモチベーション向上につながるケースもある。ここでは、具体的にどのような形で趣味が影響するのかを確認しよう。

経営者の趣味を共有する社内イベント

経営者が趣味を共有することで、社内の風土がよりオープンで創造的なものに変わることがある。社内イベントを通じて趣味を共有することで、経営者と社員の距離が縮まり、新たなアイディアやビジョンが生まれやすくなる。普段の関係性の外側に一歩踏み出し、社員と交流を持つ非常によい手段となるのだ。

例えば、経営者がスポーツ好きの場合なら社員と一緒にスポーツイベントを開催することで、経営者と社員との間でコミュニケーションの機会が増え、お互いのモチベーション向上が期待できる。ただし必要以上に社員との距離が縮まってしまい、「経営者のお気に入り集団」ができてしまわないようにする配慮は必要だ。

趣味を通じた社員同士のコミュニケーション促進

経営者の趣味を通じて、社員間のコミュニケーションが活性化されることも、ビジネス上のプラス効果だ。共通の趣味を持つ社員が交流することで、チームワークが向上し、業務における協力関係が強化される。趣味を通じた社員同士のコミュニケーションは、異なる部署や役職の壁を超えて意見交換ができる場となる場合もあるだろう。

部署間の交流から新たなアイディアが生まれることもある。また趣味を通じたコミュニケーションが円滑に進むことで職場のストレスが軽減され、働きやすい環境が整うことが期待できる。

リーダーシップと趣味の関係:自己成長を促すプロセス

趣味を通じて得られるスキルや自己啓発は、経営者のリーダーシップを向上させる要素にもなりえる。趣味がどのようにして自己啓発を促すか見ていこう。

趣味による新たなスキル習得とその経営への応用

趣味を通じて習得したスキルは、経営に応用できるケースもある。例えば、ペイパルのダン・シュルマンは、趣味の格闘技からリーダーシップに必要となる「決して立ち止まらない」「危機を前にして冷静さを保つ」などの教訓を得たという。

このようにスポーツを通じて培ったチームワークやコミュニケーション能力は、経営者が率いる組織の運営にも役立つ可能性がある。また芸術や音楽などの趣味を通じて磨かれた創造性や感性は、イノベーションの源泉にもなりえる。

自己啓発と経営者の役割を結びつけるアプローチ

経営者は自己啓発を通じて自身の役割をより深く理解し、組織のビジョンを明確にすることを求められる。趣味を通じた自己啓発は、このような経営者の役割について気づきをもたらすことがある。例えば、読書や瞑想などの趣味を通じて経営者は自己理解を深め、組織運営に対する姿勢を再考するケースもあるだろう。

アップルのスティーブ・ジョブズも禅に傾倒し、瞑想をしていたことで有名だ。このようなアプローチにより、経営者はリーダーシップを磨き組織の成長に寄与できるのだ。

経営者こそ趣味の活用を

趣味は、経営者にとってイノベーションやリーダーシップ向上の源泉となりえる。場合によっては、ビジネスとのシナジー効果を生むことも期待できるだろう。趣味を通じて独自の視点や創造力を発揮し、競争力あるビジネスを構築することができる。また趣味の活動はアイディア創出のための豊かな土壌を提供する。そして、異業種の人々と出会うことで新たな知識やアイディアを得ることも趣味のもたらす効果だ。

経営者が趣味を共有することで社内風土が向上し、社員のモチベーションを高める効果も期待できる。日々経営に忙しい方も、ビジネスを加速するために、ぜひ趣味を活かすことを検討してみてはいかがだろうか。

著:藤森 みすず
食品衛生管理者、情報処理のアプリケーションエンジニア。21年ほどメーカー系SIerにてプログラマー、システムエンジニアを経験。退職後、Webライターとして様々な分野の執筆を行う。一時期、飲食業開業について学んだことがあり、起業関連の情報にも精通。FXなど投資関連も得意とする。
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