日本酒は、いまや日本国内だけでなく、海外でも「SAKE」の愛称で強い人気を誇っている。世代や人種をこえて、人々を惹きつけてやまない日本酒の魅力とはいったい何だろうか。経営者やビジネスエリートが嗜むべき、日本酒の魅力や基礎知識をあわせて解説する。

目次

  1. 日本酒の魅力
  2. 「美味しい」という日本酒の魅力
  3. 「深い」という日本酒の魅力
  4. 「広がる」という日本酒の魅力
  5. 日本酒の基礎知識も知っておこう
  6. 日本酒の魅力を知ればより楽しく
経営者が嗜むべき「日本酒の深い魅力」と基礎知識
(画像=taka/stock.adobe.com)

日本酒の魅力

肥沃な大地と清らかな水が生み出した日本酒は、種類や銘柄の豊富さに加えて、温度や酒器などさまざまな飲み方があるのが特徴だ。最大の魅力は何といっても「美味しい」ということである。口にふくんだ瞬間の米本来の芳醇な香りと味わいは、他の酒にはない特有の風味として愛されている。

日本酒が文化として「深い」ことも魅力の一つだ。歴史だけでなく、その土地の風土によって個性が出ることや、酒蔵ごとに味わいが異なることなど、底知れぬ奥深さを兼ね備えている。一度日本酒に魅了されれば、交友関係や世界が「広がる」という点が経営者やビジネスエリートにおススメする理由だ。

「美味しい」という日本酒の魅力

日本酒といえば、米のふくよかな甘みや、キリっと引き締まる爽やかな口当たり、フルーティーで芳醇な香りなど、個性豊かな味わいが特徴だ。たとえ同じ銘柄であっても、原料や製造方法、米を磨く割合(精米歩合)によって甘口や辛口、端麗や濃厚など味が異なる。

日本酒の美味しさは、基本の原料である国産米と米麴、水が織りなす複雑なうま味にある。日本酒は、麹菌と酵母といった微生物の働きを利用して発酵させて造る。この過程で生み出されるアミノ酸が、「第5の味覚」として甘みや酸味などと並ぶ「うま味」の主体になっている。

味わいを左右する工程の一つが、日本酒の種類分けに用いられる精米歩合だ。磨く割合が多いほどこの数値は低くなる。一般的に、精米歩合が高い純米酒はアミノ酸が多く濃厚に、少ない大吟醸酒ほど端麗になる傾向だ。ただし、アミノ酸は雑味や苦みのもとにもなる。

このバランスをうまく取る要素が、発酵の過程で生じる甘みの成分であるグルコース濃度や、エタノールなどの辛み、有機酸の酸味などだ。この複雑な掛け合わせが、人それぞれの好みに合った美味しさの秘訣ともいえよう。

「深い」という日本酒の魅力

日本酒の起源は、縄文時代や弥生時代の西日本にあるとされる。奈良朝時代に編さんされた播磨風土記には日本酒独特の製法が記され、平安初期には現代とほぼ同じ製法で造られるようになったという。江戸時代には量産化で庶民にも流通し、地方で造り酒屋が増えていく。技術の発展で製法は多様化し、時代とともにブームを巻き起こしてきた。

現代の日本酒の多様性をけん引するのは、地方ごとに異なる独特の味わいだろう。南北に長く寒暖差のある日本では、気候や自然環境、日本酒に使用する米や水の種類は地方により異なる。その土地の食材に合った酒造りがなされているともいえる。

醸造元である酒蔵も奥深さの一つだ。その醸造元でしか販売していない限定酒を購入できたり、酒造りの見学で酒職人や杜氏自ら説明してくれたり、試飲できたりと楽しみ方も多い。これらの知識は、ビジネスに役立つこともあるだろう。

「広がる」という日本酒の魅力

「日本酒好き」という共通点を通じて、交友関係が広がることも魅力だろう。経営者やビジネスエリートであれば、日本酒は接待やパーティーなどでコミュニケーションツールとなり、ビジネスに良い影響を与え得る。また、私生活でも日本酒を堪能し、各地を巡るなどすれば新たな出会いや発見があるかもしれない。

日本酒の基礎知識も知っておこう

日本酒の基礎知識について覚えておくと、その魅力をより感じられるはずだ。まず日本酒は、ビールやワインと同じ「醸造酒」に分類される。日本産米を使用した国内製造であることが日本酒の条件であり、海外産米を用いたり海外で製造されたりしたものも含む酒は、清酒と呼ばれる。

日本酒は「吟醸酒」「本醸造酒」「純米酒」の3つに分かれる。純米酒は米と米麹、水だけで造られるのに対し、吟醸酒と本醸造酒は醸造アルコールが含まれている。吟醸酒は精米歩合が60%以下、本醸造酒が70%以下だ。吟醸酒は低温で長時間発酵する製法により、香りが華やかな傾向だ。

この3つを基準に、さらに精米歩合と原料ごとに8種類に分類される。中でも米の表層を6割近く磨く大吟醸酒は、手間と時間を要するため金額も高い。とはいえ、高ければ良い酒、アルコールを添加しているから悪い酒というわけではない。それぞれに美味しさがあり、その個性の中に自分の好みを見出せるかがポイントだ。

さらに製造上の特徴として、火入れをしない生酒、出荷前のみ一度火入れをする生貯蔵酒、アルコール分を調整しない原酒など、さまざまな種類が展開されている。四季折々で米や仕込み具合に合わせて「旬」があるのも覚えておきたい。

日本酒の魅力を知ればより楽しく

日本酒には、味わいが「美味しい」、文化として知るほどに奥が「深い」、交友関係が「広がる」という魅力がある。味わいが個性豊かだからこそ、一人ひとりに合った好みが必ずあり、日本酒の奥深さに目覚めれば、世界も広がるはずだ。経営者やビジネスエリートであれば、日本酒について知っておくとメリットは大きいだろう。

事業承継・M&Aをご検討中の経営者さまへ

THE OWNERでは、経営や事業承継・M&Aの相談も承っております。まずは経営の悩み相談からでも構いません。20万部突破の書籍『鬼速PDCA』のメソッドを持つZUUのコンサルタントが事業承継・M&Aも含めて、経営戦略設計のお手伝いをいたします。
M&Aも視野に入れることで経営戦略の幅も大きく広がります。まずはお気軽にお問い合わせください。

【経営相談にTHE OWNERが選ばれる理由】
・M&A相談だけでなく、資金調達や組織改善など、広く経営の相談だけでも可能!
・年間成約実績783件のギネス記録を持つ日本M&Aセンターの厳選担当者に会える!
・『鬼速PDCA』を用いて創業5年で上場を達成した経営戦略を知れる!

✉️経営、事業承継・M&Aの無料相談はこちらから

文・岡本一道(金融・経済ジャーナリスト)

無料会員登録はこちら