ユニフォームレンタル,2018
(写真=wavebreakmedia/Shutterstock.com)

ユニフォームレンタル市場は横ばい傾向が続く

~食品工場向け需要が好調も新たな需要開拓が課題に~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役:水越孝)は、国内ユニフォームレンタル市場を調査し、参入事業者の動向分析、今後の市場予測を行った。

ユニフォームレンタル市場規模推移と予測

ユニフォームレンタル市場規模推移と予測

1.市場概況

2017年度のユニフォームレンタル市場規模は、前年度比1.1%増の939億円であった。概して一般消費者の「食の安全・安心」意識が高まるなか、食品工場向けユニフォームは、大手工場のみならず中小工場においても浸透してきている。また近年では、短時間勤務者の増加など、労働力確保の観点から就業形態が多様化しており、一工場あたりの延べ従業員数が増える工場も多い。衛生管理の強化や就業形態の多様化などにより、ユニフォームレンタル需要は堅調である。

2.注目トピック

コストの高騰

近年は人件費の高騰と共に、物流費の急激な高騰が課題となっている。配送・物流までを請け負うユニフォームレンタル事業者は、物流費の高騰が大きなコスト負担になっている。事業者各社ともコストの増加を価格に反映させないように努力しているが、なかにはコストを吸収しきれずに価格に反映させざるを得なくなってきている事業者も現れている。

3.将来展望

2020年頃の衛生管理手法の国際基準であるHACCPの義務化が想定されるなか、食品関連事業者の衛生管理に対する意識はさらに高まっていくものと見られる。また、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて訪日外国人客に対して食品の安全性をアピールする狙いもあるものとみられる。
こうしたなか、今後は食品関連事業者のHACCP対応などを背景に、なかでも中小食品工場向けレンタルユニフォームにおいて更なる需要があるものとみられ、主に食品工場関連需要を中心に市場は堅調に拡大するとみる。一方で食品工場関連以外の需要分野においては伸び悩みもみられることから、新たな需要開拓も課題であるものと考える。