「プラントベース」「大豆ミート」を冠した販売コーナー
(画像=「プラントベース」「大豆ミート」を冠した販売コーナー)

大豆ミート市場はここ数年で大きく拡大した。大手食品メーカーの参入により、家庭用の商品ラインアップは、実にバラエティに富むようになった。

一方で、スーパーの棚には限りがあり、プライベートブランドも増えていることから、いまや競争はし烈を極めている。従来の常温、チルドに留まらず、伸長している冷凍食品カテゴリへの商品展開も本格的に始まった。業務用での十分な実績をひっさげ、消費者向け商品を新たに投入する複数の大豆ミートメーカーの動きも目が離せない。新商品の傾向として、今年は汎用性の高いこま切れ肉を代替するスライスタイプがトレンドとなりそうだ。

大豆ミートの上位メーカーによると、「引き続き市場の伸長率は高く、2022年の市場は20~30%伸びた。インテージのデータから見ると、大豆ミートのSKU数(最小の管理単位)は約1.5倍になった」と説明する。

ただ、「2020年、2021年の伸長率に比べると少し鈍化してきている」とも指摘する。母数が少なかった状況から、大手食品メーカーやハム・ソー、みそ、豆腐などの各メーカーが新商品を投入したことで、3年ほど前から急激に市場は伸び始めた。

一方で、アイテムごとに味や品質面での優劣ができ始めたという見方もなされる。ナショナルブランドよりも手頃なスーパーのプライベートブランドのSKUも間違いなく増えているという。プレーヤーが増えたことのプラス面は、売場で「プラントベース」や「大豆ミート」を冠したコーナーが作られることも珍しくなくなり、消費者が手に取りやすい環境になってきたことだ。

そのような中、今後のさらなる市場拡大に向け、従来の常温やチルドに加えて、冷凍食品カテゴリへの展開も本格化しそうだ。冷食市場自体が拡大していることもあり、将来的には主戦場となっていく可能性もある。

2022年秋の新商品で大塚食品は、チルドで展開していた「ゼロミート」シリーズで冷凍食品のハンバーグと餃子を新発売した。また、双日、ロイヤルホールディングスと植物肉事業で業務提携しているTastable(テイスタブル)は、ホテルやレストランなどに採用を拡げている「NIKUVEGE(ニクベジ)」の家庭用製品第1弾のうち、冷凍食品でハンバーグを新たに投入する。グリーンカルチャーも初の消費者向けとなる冷凍デリカ商品を新発売した。業務用で好評の植物肉「Green Meat(グリーンミート)」などを使用した8種類を自社通販サイトで発売開始し、好調な滑り出しだという。

このように、業務用が中心だった大豆ミートメーカーが家庭用に進出する動きも見られ、発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」を開発・製造するDAIZも、「ミラクルミート」を原料とした家庭用の大豆ミート商品「粒ベジ」を2022年12月から販売開始した。ミンチ肉形状で水戻しは不要、下味も付いており、そのまますぐに料理に使えるという。

〈新商品では汎用性の高い小間切れのスライスタイプ投入が目立つ〉
もちろん現在のメインストリームは、あくまでチルドや常温の商品だ。今年の新商品の傾向を見ると、メニューの汎用性が高い小間切れのスライスタイプを投入する動きが目立つ。

マルコメは、「大豆のお肉」に新形状のスライスタイプを投入した。使い勝手に合わせて、乾燥とレトルトの2つのタイプを用意した。2023年春夏商品発表会でスライスタイプのトレーパックを提案したところ、流通各社からの反応が非常に良かったという。肉メニューの中でも汎用性の高いスライスタイプを商品化することで、さらに食卓出現率を高めていくのが狙いだ。

アサヒコは、「大豆のお肉 生姜焼き」を新発売する。「大豆のお肉」ではこれまで、牛肉に見立てた商品を発売してきたが、初めて豚肉に見立てた商品となる。バラ肉のように薄く柔らかいのが特徴だ。

ケンコーマヨネーズもスライス状の大豆ミート使用のサラダを新発売する。

〈大豆油糧日報2023年2月3日付〉