新型コロナウイルスの感染が国内で拡大し始めて、はや3年経った。ようやく経済や社会が正常化に向かう中、これを機に事業活動も回復軌道に乗せたいと考えている企業も少なくないだろう。

「グレートリセット」とも言われる今、横一線の再スタートでは外部資金を活用して思い切った事業展開に踏み切ることも考えたい。そこで今回は、資金調達時にやってはいけない行為を5つ挙げていく。

目次

  1. 資金調達の重要性
    1. 事業の拡大や加速、会社の成長につながる
    2. キャッシュフローの安定化につながる
    3. 設備投資などによる基盤の安定化につながる
    4. 「レバレッジ効果」を生み出せる
  2. 重要な資金調達、方法によってはマイナス効果に。NG行為5選
    1. NG行為1:「必要な金額のみ借り入れ」は慎重過ぎる!
    2. NG行為2:「返済計画なしの資金調達」は危険!
    3. NG行為3:「調達先にモノを言われるか」も考えておかないと後悔!?
    4. NG行為4:「資金調達なら銀行」と視野を狭めない
    5. NG行為5:うまく調達できなければ簡単に諦めてしまう
  3. 資金調達は資金不足を補うだけでなく事業の成長も左右する
中小企業の資金調達でやってはいけない5つの行動
(画像=kai/stock.adobe.com)

資金調達の重要性

資金調達がなぜ重要なのか。考えてみたい。

事業の拡大や加速、会社の成長につながる

仮に、外部資金を活用できない場合を考えてみよう。

この時、企業は自社の内部留保のみを活用して事業を展開しなければならない。自社の事業自体に問題はなくとも、今回のコロナ禍のように経済環境が急速に悪くなれば、どんな企業でも少なからず経営状況が悪化する。

業種によっては、平時なら優良企業であっても、一時的に赤字になることもあるだろう。この時、普段の事業展開のために内部留保をギリギリまで使ってしまったら、どうなるか。企業としては運転資金に事欠く事態に陥ってしまう。

つまり、事業を拡大したり、会社を成長させたりするために、一定の財務的な余力は残しておくべきと言える。もちろん、外部から資金の提供を受ければ、金利をはじめ何かと余分な出費はあるが、前に進むための必要経費と割り切るしかないだろう。