医者が教える 心がバテない健康法
野田 泰永
医学博士。医療法人春陽会理事長。日本循環器学会認定専門医。日本医師会認定健康スポーツ医。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。1962年愛知県名古屋市生まれ。1986年筑波大学卒業後、帝京大学医学部附属病院、東京女子医大病院、筑波大学附属病院、国立病院医療センターに勤務。循環器外科の診療に従事する。1992年に東京厚生年金病院で外科医長として勤務後、1998年、名古屋市天白区にサクラクリニック開院。高血圧病、糖尿病などの生活習慣病を中心に、最新の医療情報に基づいた医療を行う。

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ストレス軽減になる呼吸法

ゆっくり深呼吸をすると、何だか気持ちがスッキリして、ストレスが軽減されたような気分になりませんか?

ストレスがたまると血管を縮める交感神経が活発化されるので血糖値は上がりやすくなります。それによって血管にも悪い影響を与えます。

人間は仕事や人間関係などでストレスを感じているときは、自然と呼吸が浅くなっているものです。

そのため、呼吸をするときに意識して息を吐くときの時間が長くなるようにしてみましょう。目安としては、

  • 息をゆっくり吸って
  • 吸う時間の倍の時間をかけて吐く

といったイメージです。

すると、副交感神経が優位に働き出すので血管をゆるめてくれてリラックス効果を生み出します。これによって、ストレスでイライラしていた気持ちも落ち着いて気分もよくなってくると思います。

この呼吸法であれば、仕事中や移動中のときも簡単にできるので日々のストレス軽減にはうってつけの方法といえます。

お酒を飲むなら日本酒より焼酎を

種類にもよりますが、適量のお酒は血流もよくなって体にもよいといったメリットがあります。

もちろん飲みすぎると血管を傷つけたり高血糖や高血圧になったり、肝臓を悪くする原因にもなるので注意が必要です。

もしもお酒が好きな方であればとりあえず日本酒よりも焼酎を選ぶようにしてみてください。

日本酒は醸造酒なので、穀類や果物などの原材料からなる糖質がたくさん含まれています。そのため血糖値は上がりやすくたくさん飲むことで体に悪影響を及ぼす可能性があります。

データによると日本酒一合には、角砂糖二個分以上に匹敵する7グラムもの糖質が含まれているそうです。

そう考えると、血糖値が高めの人がこれを何杯も飲み続ければ、明らかに血糖値が上がって糖尿病になりやすくなることは容易に想像がつくと思います。

ちなみに日本酒だけでなく、ビールやワインもこの醸造酒のカテゴリーに入ります。ビール一杯(中ジョッキ)には角砂糖5個分に匹敵する糖質を15グラムも含んでいます。

ワインは辛口であればグラス一杯飲んだとしても糖質は2グラム程度しか入っていないのでとくに問題はありません。

これに反して焼酎などの蒸留酒は基本的に糖質ゼロといわれています。

そのため、血糖値を上げる直接の原因にはなりませんが、果汁や加糖した炭酸などで割ってしまうともちろん血糖値は上がります。

そのため、割り方には十分に気をつけるようにしてください。

ちなみに焼酎だけでなくウイスキーもこの蒸留酒にカテゴライズされるので血糖値を上げにくいお酒といえるでしょう。