医者が教える 心がバテない健康法
野田 泰永
医学博士。医療法人春陽会理事長。日本循環器学会認定専門医。日本医師会認定健康スポーツ医。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。1962年愛知県名古屋市生まれ。1986年筑波大学卒業後、帝京大学医学部附属病院、東京女子医大病院、筑波大学附属病院、国立病院医療センターに勤務。循環器外科の診療に従事する。1992年に東京厚生年金病院で外科医長として勤務後、1998年、名古屋市天白区にサクラクリニック開院。高血圧病、糖尿病などの生活習慣病を中心に、最新の医療情報に基づいた医療を行う。

※画像をクリックするとAmazonに飛びます

ヨガやジムよりお風呂掃除を

筋肉を強化したり自律神経をリラックスする効果があるのでヨガやジムに通っている人は多いでしょう。

しかし、日々の家事の中でヨガやジム以上にカロリーを消費することが可能です。

それに、身の回りの家事をこなすのであればわざわざジムへ通う必要もないのでお金も時間もかかりません。

最近は、ロボット掃除機や、ボタン一つで食器洗いが完了するような便利な家電が売られています。どの商品を見てもいかに家事をラクできるのかがポイントのようです。当たり前のことですが家事でラクをすればその分の運動量は減ります。

ちなみに、生活家事による一日の消費カロリーは全体の2割を占めるともいわれています。

もちろんソファーで一日中だらだらと過ごしたり、ロボット掃除機を使って家事をしても大した運動量にはなりません。

しかし、掃除やふとんの上げ下ろしなどのように足腰を使うものであれば、けっこうな運動量にもなります。

そのため、わざわざスポーツジムなどに通わなくても、家の中で運動になるような家事を毎日おこなうことで十分にカロリー消費ができるわけです。

家事の中でもとくに運動量が多いといわれているのがお風呂掃除です。

足腰を使うお風呂掃除は、何もしないときに比べて約3・5倍の運動量があることがわかっています。これは、ヨガをしたりジムで短時間トレーニングするよりもずっと大きな運動量です。

もしも運動不足だと感じたときには、お風呂掃除をするようにしましょう。

下半身強化や運動量のアップだけでなく、家の中までキレイになるのでメリット三昧です。

筋トレ後はヨーグルトをとりましょう

筋トレをした後は何か飲みたくなりますよね。

そんなときは30分以内にヨーグルトドリンクを飲むことをお勧めします。

なぜなら筋肉を作るたんぱく質は常に分解と合成を繰り返しているため筋トレ後はたんぱく質を補給してあげる必要があります。

筋トレをすると一時的に筋肉の分解がすすみます。そのタイミングで筋肉のもとでもあるたんぱく質を補給すると筋肉の合成が優位になって筋力強化につながるのです。

筋トレをしてから30分の間は、成長ホルモンの分泌が著しく高まります。成長ホルモンは筋肉のたんぱく質の合成を促進させるため、たんぱく質の摂取は筋トレ後30分以内におこなうのがベストです。

たんぱく質を補給するときは同時に糖質が入っているとより筋肉がつきやすいというデータも出ています。

なぜなら糖質をとることで分泌されるインスリンには筋肉の合成を助長する効果もあるからです。もちろん糖質をとりすぎるのは問題外ですが少量であれば運動後の糖質はグリコーゲンとして蓄積されるので高血糖の心配もありません。

比率であらわすとたんぱく質1グラムに対して糖質は3グラム未満がよいとされています。

市販されているヨーグルトドリンクには、この割合で糖質が含まれているようです。そのため、筋トレ後は30分以内にヨーグルトドリンクを一本飲むようにすれば健康的に筋肉をつけやすくすることが可能です。

ほかにも脂質が少なく、たんぱく質が豊富な「プロテイン」も筋肉強化にはお勧めです。