社労士業界初!?メタバース支店つくっちゃいました!
(画像=プロパートナーONLINE)

2022年8月、キャンバス社会保険労務士事務所がメタバースを使った支店を開設。
創業者の五味田匡功氏は、「社労士業界では初めての取り組みではないでしょうか」
と話します。常に業界の最先端を走る五味田氏に、メタバース支店開設の狙いや、
士業と最新テクノロジーの関わり方について聞きました。


「支店を拡大するなら、メタバースにしちゃおう」

当事務所は大阪に本社がありますが、東京にも拠点を出したのが2021年。
1年半ほど経ち、東京オフィスの職員も約20名となり、
事務所が手狭になってきました。
そこで、もっと広いオフィスに移転するか、
もう1つ支店をつくるか、といった話が出ていました。

しかし、リモートワークも取り入れていますし、
今どき人を増やしてオフィスを大きくするというのは、
ムダではないかと考えたのです。
とはいえ、「リモートワークって、コミュニケーションがとりにくいよね」という意見もあり、
「それならば、リアルに近いコミュニケーションがとれるメタバースでオフィスをつくっちゃおう」
と決まりました。

メタバースを活用しようと考えた背景としてはもう一つ、
私自身が最近、NFT(※)関連のセミナー講師などをすることが多く、
お寺や神社をメタバース化するというプロジェクトも行っていることがあります。
こうしたメタバース関連の知識を活かしてみようと思ったのです。

※NFT:Non-Fungible Token。ブロックチェーン技術を活用した代替不可能なデジタルデータ

社労士業界初!?メタバース支店つくっちゃいました!
(画像=プロパートナーONLINE)

アウトソーシング先やお客様とのコミュニケーションにも活用

当事務所が使っているのは、バーチャルオフィスツールの
『Gather.Town』(ギャザータウン)。
このなかに、執務スペースや会議室、休憩スペースなどが再現されていて、
自分のアバターを使って、バーチャルオフィスのなかを動き回ることができます。

社労士業界初!?メタバース支店つくっちゃいました!
職員は、仮想空間上にあるオフィスに出勤し、自分のデスクに着席する
※画像は、実際のバーチャルオフィスとほぼ同じイメージのサンプル(画像=プロパートナーONLINE)


同僚や上司に質問や相談をしたいときは、
その人のデスクに近づくと音声通話が自動的に立ち上がり、
一対一で話すことができます。
会議室スペースもあり、例えば「青の会議室」であれば、
「青の会議室」に入っている人にだけ音声が聞こえます。
ですから、大きな会議室で全体会議をしたあとに、
各会議室で部署ごとの会議を行う、といったことも可能です。
また、休憩スペースもあるので、
自分のアバターを休憩スペースに動かしておけば、
「いま休憩している」ということもわかります。

社労士業界初!?メタバース支店つくっちゃいました!
同じ会議室にいる人とだけ話すことができるため、同時に複数の会議室で打ち合わせをすることができる(画像=プロパートナーONLINE)


さらに便利なのが、動画も見られること。
自分のアバターをバーチャルオフィス内のテレビの前に移動させると、
動画視聴画面が立ち上がります。
研修用の動画などを仕込んでおけば、いつでも好きなときに視聴できるのです。

社労士業界初!?メタバース支店つくっちゃいました!
(画像=プロパートナーONLINE)

リモートワークを行っている士業事務所では、このように、
職員同士のコミュニケーションのためにバーチャルオフィスを
使っているところもあると思います。
私たちのメタバース支店の場合、何が特徴かというと、
アウトソーシング先にも入ってもらっていることと、
お客様ごとに専用のメタバースを設けている
ことです。

当事務所では、給与計算などで複数のアウトソーシング先を持っています。
打ち合わせが必要なときなど、通常であれば電話やメールで時間を調整して、
オンライン面談のURLを送って、といった手順が必要で、面倒くさいですよね。
しかし、バーチャルオフィス内に常駐してもらえば、
いつでも気軽に打ち合わせや相談ができてお互いに効率的です。

また、当事務所は、『スマコン』という
クラウド型の経営支援システムを活用していて、
お客様はいつでもクラウド上で研修動画や資料などを見ることができます。
お客様ごとのメタバースは、このスマコンと連動していて、
メタバース内で動画などを視聴でき、
事務所の職員がメタバース内でお客様向けの研修を行うことも可能です。
もちろん、自由に動画を見るならスマコン上で完結できますし、
研修もウェビナー形式で行えます。
ただ、それだと少し味気ないですよね。
「メタバースで研修しますよ」というだけで、ちょっと楽しくなりますし、
私のような30〜40代の男性は特に、
ドラゴンクエストみたいな画面にテンションが上がるんです(笑)。

ほかにも、メタバース支店の外にはレーシング場などがある“街”もつくってあって、
レーシング大会などの社内イベントも行っています。
そもそもバーチャルオフィス自体がファミコンのような画面で、
ゲーム感覚でアバターを動かせるので、意外と盛り上がりますよ。


メタバースは「リアル」に近いコミュニケーションが可能

現在、メタバース支店を運用してみて感じるメリットは、
やはりコミュニケーションの円滑化と見える化です。
リモートワークでも好きなときに話しかけられるよう、
ZoomやGoogle meetなどを常時立ち上げておくという方法もありますが、
ずっとカメラがONになっているのは苦手という人もいます。

また、メールや電話で「今からいいですか?」と連絡するのも手間です。
その点、アバターを近づけるだけで、
ほかの人に聞こえずに気軽に会話ができるというのは、
現実空間に非常に近いコミュニケーションだと感じています。

もう一つ、このシステムのメリットとして感じているのは、
2Dなのでデータが軽いこと。
サクサク動くので、ストレスがないのです。
画面を見て、意外とチープな絵だと感じた方もいるかもしれませんが、
現状で必要な機能を備えるためには、3Dである必要はありません。
よりリアルさを求めて高度な技術が必要になれば、費用も時間もかかりますし、
動作が重くなってしまっては日常的に使うことにストレスを感じてしまいます。
現在のシステムは、1週間もあれば自分たちで仮想空間をつくることができるうえ、
無料で使える範囲で活用しているので、ランニングコストもかかりません。


メタバースの時代が来るなら、今から取り組んでおくべき

プロフィール
五味田 匡功氏
五味田 匡功氏
キャンバス社会保険労務士事務所 創業者
税理士事務所勤務時代に社労士事務所を立ち上げ、人事労務設計の改善サポートに取り組む。
開業4年で顧問先300社以上、売上2億円超達成。
近年では、経営人材の育成やメタバース、NFT事業にも積極的に取り組んでいる。
プロパートナー
記事提供
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『月刊プロパートナー』
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