【税理士替えたい110番】親しき中にも礼儀は大事に!仕事と私事の線引きこそ税理士変更の境界線
(画像=プロパートナーONLINE)

顧問先の不満の声から、契約解消を防ぐヒントを紹介。
今回は、顧客との旧知の関係が崩せず、解約につながったケースです。


大学時代の上下関係はもうたくさん!
仕事とプライベートの境界線がない

父が経営する建設会社を承継して、もうすぐ3年になります。
会計事務所は父の代からお世話になっているところなのですが、
うちが代替わりするタイミングで担当者も新しくなり、
偶然にも私の大学時代の先輩が担当してくれることになりました。

ともにラグビー部で汗を流し、ぶつかり合った仲間なので、
気心も知れているのですが、そのぶん体育会系のノリの上下関係は維持されたまま。
心配ごとがあって連絡しても、背中をバシンバシン叩きながら励まされるだけ。
さらに、お互いにそのまま直帰できるような日は必ず飲みに行き、
ラグビー部時代の武勇伝を延々と語られます。

悪い人ではないのですが、仕事とプライベートの境界線が見えづらく
さすがに少し疲れてきました。
加えて、会計に関しても、ミスはないにしろ
プラスアルファのサービスを感じることもほとんどなく、
経営に関するアドバイスなどがもう少しあってもいいんじゃないかな、
と物足りなさを感じるようになりました。

一度、もう少し経費計算を柔軟にできないかと相談したのですが、
「先輩である俺のやり方に注文つけようってのか!」
と笑い飛ばされてしまいました。

父の代の頃と顧問料は同じですが、
サービスの質は下がっているのではないかと感じています。
昔からの人間関係を仕事に持ち込まれるストレスがあるぶん、
支払っている金額に妥当性も感じにくくなっています。
今の担当のレベルにあわせた顧問料にしてほしいという申請は可能なのでしょうか?
こちらとしては、たとえプライベートでの付き合いがなくなるとしても、
担当を替えてもらいたいくらいです。


顧客満足度を高めるワンポイントアドバイス
親密だからこそ丁寧な対応を心がけよう

税理士事務所は、まず顧客から何を求められているのか、把握することが大切です。
それは、どんなに仲の良い間柄であっても同じです。
プライベートの流れのまま、サービスを提供しようとするのではなく、
交流のある相手だからこそ、自分に期待されているサービスとは何か、
経営についての悩みや、将来的に会社をどうしていきたいのか
といった要望などを聞き出して、親身に相談にのるように心がけましょう。

士業業界では、紹介での案件受注が大半です。
顧客対応の丁寧さといった接客面が他事務所と差別化するポイントにもなります。

顧問料についても、交友関係があれば、本音で交渉し合えるところ。
お互い納得いくよう、折り合いをつけることで、
後々もよい関係でお付き合いすることができるでしょう。

知り合いだからこそ金額の交渉がしづらいという場合は、
契約締結時に一定期間内での総業務時間に応じて
自動的に顧問料が増額される規定を盛り込んでおくなど、
予め値上げのルールを決めておくことも有効です。

プライベートで交友がある相手は、
お互いの素性がわかっているという安心感があり、
親密に相談し合える関係を築けるはず。
困ったときには、必ず受け止めてくれるような、
公私ともに信頼されるパートナーを目指しましょう。

プロフィール
横山祐作氏
横山祐作氏
株式会社アックスコンサルティング コンサルタント
会計事務所を中心に人事制度や採用といった社内制度の構築から、
マーケティング・営業まで幅広くサポート。
サポートした士業事務所は300件を超え、職員が辞めない事務所のつくり方を伝授。
プロパートナー
記事提供
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『月刊プロパートナー』
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