日米連(《一財》日本米穀商連合会、山﨑政治理事長・千葉)は12月8日、都内で創立60周年記念式典・記念祝賀会を開いた。

来賓として農林水産省、全農、全集連、全米販など、米流通の川上から川中まで多数が参集し、川下の事業者団体である日米連を祝福した。また、功労者に対して農林水産大臣感謝状などが贈られた。

〈山﨑政治理事長〉

当会は時代に沿って組織形態を変えつつも、本年で60周年を迎えることができた。ひとえに関係各位の指導・支援のたまもので、改めて御礼申し上げる。昭和26(1951)年の食糧配給公団の民営化に伴い、各都道府県に米穀商組合が作られた。事業の発展と組合員の意志疎通のため、昭和37(1962)年に日本米穀商組合連合会が設立。その後、昭和46(1971)年には発展的解散して、中団法に基づく日本米穀小売組合連合会に改組した。

昭和61(1986)年には(社)日本米穀小売振興会(日米振)を設立し、長年にわたって日米連と日米振の両団体が両輪として業界を振興してきた。そして、苦渋の決断でもあったが平成31(2019)年には日本米穀小売組合連合会を発展的解散し、(一財)日本米穀商連合会を設置して現在に至る。この間、持続可能な組織としての日米連に手ごたえを感じている。

昭和46年には1人当たりの米の消費量は120kgあったが、現在では1俵(60kg)にも至らない。総生産量も1,400万tが700万tを割り込むまでになった。今後も少子高齢化、食の多様化などにより、このままでは衰退してしまうことを危惧している。

その中でも日米連は時代の変化に即した組織活動をしてきた。代表がお米マイスターで、今では社会でも広く知られる存在となり、消費者と私たちの接点として各地で活動をしている。米の消費拡大に向けて、北海道から沖縄までの人材ネットワークを活かし、米のすばらしさを伝えていきたい。

〈農水省農産局・平形雄策局長〉

ロシア・ウクライナ問題からわが国でも食料安全保障へ注目が集まっている。国内で唯一自給が可能な農産物である米の消費拡大は極めて重要で、お米マイスターや出前授業など消費者への啓蒙活動による多大な貢献をいただいている。

〈全米販・木村良理事長〉

2022年6月には農林水産大臣へ「国に米の重要性をはっきりと示して欲しい」と要望を出した。また、関係団体にコスト上昇への理解を求める説明もしている。改めて米業界で団結力をもって協力していきたい。日米連・全米販が今後も米流通の両輪として進んでいきたい。

〈全集連・梅本典夫会長〉

生産者の高齢化が進んでおり、70代以上、80代になっても田んぼで仕事をしている。米価がここまで下がると、農機具の更新もままならない。一時期は農地の集約も進んだが、現在は条件が悪い圃場はタダでも借りたくないという。米価だけの問題ではなく、全国の水田の区画整理を進めるなど、生産コストを下げる仕組みが必要だ。

〈感謝状受賞者(敬称略)〉

【農林水産大臣感謝状】△渡辺正宏・秋田△山﨑政治・千葉△米澤治夫・富山△大八木修三・京都△藤木孝一・熊本。【農産局長感謝状】△片野啓三郎・埼玉△岡達也・岡山。【日米連理事長感謝状】△48名。

〈米麦日報2022年12月12日付〉