2022年度のリース取扱高は前年度比115.0%となる4兆8,500億円へと復調を予測
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のリース市場の調査を実施し、現況や参入企業の動向、および将来展望を明らかにした。
リース取扱高の推移と予測
1.調査結果概要
公益社団法人リース事業協会「リース統計」によれば、2021年度のリース取扱高は4兆2,186億円、前年度比91.9%であった。2020年度以降、2年連続の減少基調となっている。
減少要因は、新型コロナウイルス蔓延に端を発した景気後退に伴う設備投資控えが様々な業界で広がった影響が大きい。一般消費者の在宅需要をつかむインターネット通販など一部の業界においては活発な投資も散見されたが、自動車や航空などを中心に多くの産業では設備投資の先送りが頻発し、リース取扱高の減少に直結したとみられる。
また、公益社団法人リース事業協会「リース統計」によれば、昨今のリース業界では「情報通信機器分野」でのリース取扱高が4割近くを占める最大需要分野となっているが、半導体不足の問題も重なり商談や納期の遅延などが業界内で生じたことも影響を及ぼしている。
2.注目トピック
リース市場の将来展望
2022年度は、コロナ禍が継続する環境下ながらも設備投資需要に復調の兆しが出てきており、リース取扱高も大きく回復するとみる。近年はESG(環境・社会・企業統治)経営や脱炭素化への対応(再生可能エネルギーの積極的な利活用など)に向けた設備投資ニーズが増えており、特に大企業を中心に前年度実績を大きく上回る設備投資計画が2022年度に見込まれている。
こうしたなか、2022年度のリース取扱高は前年度比115.0%となる4兆8,500億円規模まで大きく復調するものと予測する。また、2023年度には2022年度の復調の反動によって微減に転じるものの、3年後の2025年度には再び回復し、2023年度比で103.2%の4兆8,000億円を予測する。
調査要綱
1.調査期間: 2022年7月~9月 2.調査対象: 国内有力リース会社等 3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査併用 |
<リース市場とは> 本調査におけるリース市場とは、あらゆるモノの貸借サービスのうち全てのレンタルサービスを除いたものを対象とし、且つファイナンス・リースとオペレーティング・リースの双方を含めた市場と定義する。 一般的にレンタルサービスとは、レンタルサービス会社の保有する在庫物件をユーザーが選択し賃借するが、リースはユーザーが自身で指定した物件をリース会社に代理購入してもらい、それを賃借するものである。なお、リースはファイナンス・リースとオペレーティング・リースの2つの契約形態に大別され、前者はユーザーがリース物件の取得金額全額を負担する「フルペイアウト(全額回収)」と、リース期間中に契約解除できない「ノンキャンセラブル(中途解約不可)」の2つの要件を満たすリース契約をさし、リース市場の主たる取引手段になっている。一方、後者はファイナンス・リース以外のリース契約の総称をいう。 またリース市場はリース取扱高ベースで算出し、2017年度~2021年度実績値は公益社団法人リース事業協会「リース統計」より引用、2022年度以降は矢野経済研究所予測値である。 |
<市場に含まれる商品・サービス> ファイナンス・リース、オペレーティング・リース |
出典資料について
資料名 | 2022年版 リース市場の実態と将来展望 |
発刊日 | 2022年09月30日 |
体裁 | A4 214ページ |
価格(税込) | 165,000円 (本体価格 150,000円) |
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