矢野経済研究所
(画像=zasabe/stock.adobe.com)

2021年度の外壁材(7分野)市場規模は前年度比101.3%の3,533億円

~2021年度は住宅着工の回復に伴い住宅向け外壁材が増加、一方で非住宅向け外壁材は引き続き苦戦~

株式会社 矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、国内の外壁材市場を調査し、市場規模、分野別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

外壁材(7分野計)市場規模推移・予測

矢野経済研究所
(画像=矢野経済研究所)

1.市場概況

2021年度の外壁材市場規模[窯業サイディング、押出成形セメント板、ALC、外壁用タイル、金属サイディング、モルタル外壁材(既調合モルタル)、外壁仕上塗材の7分野合計]は、前年度比101.3%の3,533億円と推計した。2021年度は新設住宅着工の回復に伴い、窯業サイディングや金属サイディングなどの戸建て住宅向けを主な用途とする外壁材市場が回復した。
一方で、押出成形セメント板やALCなどの非住宅向けの比率の高い外壁材は、コロナ禍以後、ホテル向けなどインバウンド(訪日外国人客)需要に支えられてきた用途の需要消失が影響し減少が続いている。

2.注目トピック

環境への取り組みの強化

外壁材メーカー各社は、環境面への取り組みを強化している。
CO2の排出量については、政府が2030年の温室効果ガスの2013年度比46%削減や、2050年のカーボンニュートラル達成を目標とするロードマップを策定している。
各社は、ESG経営の推進、環境基本方針の策定、事業活動のSDGs17目標への落とし込み、工場での製造プロセス改善や省エネ実現、再生可能エネルギーの活用、プレカットの推進によるCO2削減、端材のリサイクルシステムによる環境負荷低減、輸送効率化による地産地消の物流網構築によるCO2削減、原材料メーカーと協力した脱炭素に向けた原材料の開発などを進めている。
具体的には、工場内や施工現場において発生した廃材を回収し、材料として再利用するリサイクルの取り組みや、原材料の見直し、リサイクル材料製品の開発などに取り組んでいる。その他、ソーラーパネルの取り付けが可能な外壁材や壁面緑化に対応した外壁材の販売強化が進められている。

3.将来展望

2022年度の外壁材市場規模(7分野計)は、前年度比102.9%の3,637億円を見込む。
全体の傾向としては、施工面積や重量など数量ベースではほぼ横ばいが見込まれるが、原燃料価格高騰による価格改定があらゆる素材で進められていることから、金額ベースでは前年度と比較して拡大の見込みである。

調査要綱

1.調査期間: 2022年7~9月
2.調査対象: 外壁材メーカー、各種外壁材関連団体等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査併用
<外壁材市場とは>
本調査における外壁材市場とは、窯業サイディング、押出成形セメント板、ALC、外壁用タイル、金属サイディング、モルタル外壁材、外壁仕上塗材の7分野の外壁材を対象とする。なお、2021年度までの外壁用タイルは経済産業省「生産動態統計」を基に算出、それ以外の6分野および2022年度見込値は矢野経済研究所推計値である。
<市場に含まれる商品・サービス>
窯業サイディング、押出成形セメント板、ALC、外壁用タイル、金属サイディング、モルタル外壁材、外壁仕上塗材

出典資料について

資料名2022年版 外壁材市場の全体像と素材別実態
発刊日2022年09月30日
体裁A4 305ページ
価格(税込)165,000円 (本体価格 150,000円)

お問い合わせ先

部署マーケティング本部 広報チーム
住所〒164-8620 東京都中野区本町2-46-2
電話番号03-5371-6912
メールアドレスpress@yano.co.jp

©2022 Yano Research Institute Ltd. All Rights Reserved.
本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
報道目的以外での引用・転載については上記広報チームまでお問い合わせください。
利用目的によっては事前に文章内容を確認させていただく場合がございます。