イレギュラーサイズ,レディスLサイズ市場,2019年
(写真=G-Stock Studio/Shutterstock.com)

2019年度のイレギュラーサイズ(レディースLサイズ)市場規模は前年度比99.5%の1兆320億円を予測

~百貨店を中心にリアル店舗が苦戦するなか、リピーターが多いイレギュラーサイズ顧客には、複数点購入してもらう仕掛けが重要~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内ファッションアパレル業界における5つの注目マーケットを調査し、市場規模、参入企業動向、将来展望を明らかにした。
ここでは、取り上げた5つのマーケットのうち、イレギュラーサイズ(レディスLサイズ)市場規模、その動向について公表する。

イレギュラーサイズ(レディスLサイズ)市場規模推移と予測

イレギュラーサイズ(レディスLサイズ)市場規模推移と予測

1.市場概況

2018 年度のイレギュラーサイズ(レディス L サイズ)の市場規模は、小売り金額ベースで1兆370億円(前年度比 99.5%)と推計した。当該市場は既に成熟していることに加え、今後国内の女性人口が緩やかに減少していくことを考慮すれば、金額ベースでみた市場が今後拡大していくことは考えづらい。

2.注目トピック

~オーダースーツ市場は、消費者ニーズの二分化が始まる~

紳士オーダースーツについても、本調査で注目マーケットとして調査を行った。
フルオーダー、イージーオーダー、パターンオーダーなどのオーダースーツ市場は、低価格化を背景に、消費者ニーズの二分化が始まっている。ひとつは「嗜好品としてのオーダースーツ」のニーズで、もうひとつは「手間をかけずにフィットするオーダースーツ」のニーズである。主要企業のなかでも、紳士服専門店は前者に比重を置き、いずれのニーズにも応える傾向にあり、既成スーツも扱う企業は後者のみに注力するケースが多い。

3.将来展望

アパレル全般において百貨店を中心にリアル店舗が苦戦するなか、イレギュラーサイズ(レディスLサイズ)アパレルもその売場の確保が年々厳しくなっている。イレギュラーサイズの顧客はリピーターが多く、一人の顧客に複数点購入してもらう仕掛けが重要である。いかにイレギュラーサイズのスペースを確保できるかが今後の大きな課題である。
一方、大きいサイズの認知を高めるため、また販売効率をあげるためにEC活用は必須であり、オムニチャネル化も重要である。