ビジネスエリートが身につける教養ウイスキーの愉しみ方
(画像=Milan/stock.adobe.com)

(本記事は、橋口 孝司氏の著書『ビジネスエリートが身につける教養 ウイスキーの愉しみ方』=あさ出版、2020年12月25日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

好みのウイスキーを見つけるヒント

先ほどウイスキーを愉しむには、「味の嗜好性(好み)を知ること」が大切とお伝えしましたが、「好み」は、「おいしさ」につながるとても重要なポイントになります。

好みのウイスキーを見つけるうえでヒントになるのが、ウイスキーの「香り」です。

ウイスキーには千差万別な香りがあります。たとえば、次のようなものです。

・バニラのような香り(バーボン樽熟成のウイスキーなど)
・フルーティな香り(シェリー樽やワイン樽熟成のウイスキーなど)
・スモーキーな香り(ピーテッドモルトを使ったウイスキー)

まずは、ただ愉しんでみてください。「ウイスキーのにおいが苦手」という方も少なからずいますが、ウイスキーにはバラエティに富んだ香りがあるので、まずはさまざまな香りに触れるところから始めるといいでしょう。

ただし、アルコールが高いウイスキーは、いきなり香りを嗅ぐとそれだけで鼻がツンとしてしまって苦手に感じてしまう場合が多いです。

ウイスキーの香りを愉しむときは、ウイスキーをグラスの中で何回か回したあと、しばらく静かにおき、アルコール分を飛ばします。その後グラスを鼻の下の方からだんだん鼻に近づけて、ウイスキー本来の香りを感じていただくといいでしょう。

私がバーテンダー時代のお客様で、いつも一緒にいらっしゃるお2人のうち、お1人はまったくウイスキーを飲めない方でした。

あるときウイスキーが苦手とおっしゃる方に、とても華やかなで甘い香りのウイスキーをお出しして「まずは香りを楽しんでみてください」とお話しました。

そして、先ほどのウイスキー本来の香りを感じていただく飲み方をお教えしました。

すると、その方は「あっ!いい香り」とおっしゃったのです。それから少しだけ舌の上に乗るように試していただくうちに、だんだんウイスキーが飲めるようになられました。

このように、さまざまな経験の中からウイスキーの自分なりのおいしさを見つけるのも、ウイスキーならではの愉しみ方です。おいしいウイスキーに、方程式はありません。

おいしさを作り出しているものの基本的な知識を知ったうえで、個人個人でおいしさが異なることを十分理解し、ウイスキーの魅力を探し求めていくことこそが、ウイスキーの愉しみ方であり魅力なのです。

ビジネスエリートが身につける教養 ウイスキーの愉しみ方
橋口 孝司(はしぐち・ たかし)
株式会社ホスピタリティバンク代表取締役。ホテルバーテンダーから料飲支配人、新規ホテル開業、運営などを手がけ、26年間ホテルに勤務。2008年より、株式会社ホスピタリティバンク代表取締役に就任。2015年からは「橋口孝司 燻製料理とお酒の教室」を主催。NPO法人FBO評議員・公認講師、ビア&スピリッツアドバイザー協会顧問、スピリッツナビゲーター認定講師などを務めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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