スターゼン 横田社長
(画像=スターゼン 横田社長)

スターゼングループの阿久根食肉流通センター(鹿児島県阿久根市)は7月22日、ビーフ棟竣工式、内覧会を行った。

スターゼンは、牛肉の海外輸出拡大と、国内の取扱いの拡大を目的に、関連会社の阿久根食肉流通センターとスターゼンミートプロセッサー阿久根工場ビーフセンターについて、2020年からビーフ棟の増改築工事を進めてきた。このほど竣工し、7月1日に引渡しを受けた。工場全体の建設面積は、工事前に対し2,461平方メートル増加し、処理能力の拡大、多様化するスペックへの対応、スキンパック商品製造ラインの設置などを行った。

牛棟増築工事の竣工式で阿久根食肉流通センターの西田啓二代表取締役社長は、「高品質でおいしい和牛を世界各国に届けたいとの思いから、2020年~22年に、厳しい輸出基準を守りながら工場を安全に稼働させるという厳しい工事に取り組んできた。計画段階から多くの皆さんに協力をいただき、敷地を拡張し、食肉衛生検査所は、当社の都合により敷地内を移転するという難しい判断をしていただいた。関連して太陽光発電、自動化・省力化にも取り組んだ。関係者の皆さんのご協力に感謝するとともに、末永いおつきあいをお願いしたい」とあいさつした。

スターゼングループを代表してスターゼン横田和彦代表取締役社長は、「1957年、この阿久根の地に阿久根出張所を設立して65年の長きにわたり阿久根市と深い関係を結び、共に発展してきた。阿久根食肉流通センターも、99年に阿久根市、JAいずみ農業協同組合の協力で設立し23年が経過し、安全で安心な食肉の供給体制を整備している。今日では、阿久根食肉流通センター、スターゼンミートプロセッサー阿久根工場は、日本有数の食肉加工工場として、お客様に多大な支持をいただいて、スターゼングループの国内外向け食肉生産工場として、最も重要な拠点の一つとなっている。増築したセンターは、米国、EU、香港、シンガポールなど25の国・地域への輸出認定を取得している。

牛肉の前年の取扱量は過去最高を記録した。国の政策では牛肉の輸出額目標を2030年に3,600億円とし、21年比で6.7倍という高い目標を掲げている。スターゼングループとして、少しでもこの目標達成に貢献できるよう、さらなる高みを目指したい」と輸出拡大に意欲を示した。

工場の設備については、「人手不足が顕著になるなかで、2018年に豚モモ部位除骨ロボット、そして豚ウデ部位除骨ロボットの導入など機械化、省人化を積極的に推進してきた。今回も、ナイフの自動研磨ロボットを業界に先駆けて各工場に導入し、加工従事者にとって働きやすい環境の職場づくりを推進している。今後もスターゼングループでは、防疫体制や品質・衛生面をさらに強化し、鹿児島の地で、安心・安全で良質な食肉を安定的に供給できるよう尽力していきたい」と述べた。

来賓では、西平良将阿久根市長、橘木宏幸鹿児島県北薩地域振興局長が、阿久根工場の輸出拡大と、地域経済への貢献に触れてあいさつした。

〈畜産日報2022年7月26日付〉