泰喜物産 原材料仕様「ロールケーキ」
(画像=泰喜物産 原材料仕様「ロールケーキ」)

泰喜物産はスイーツ関連の原材料として、「ソイホイップクリーム」と「リソジャミックス」の販売拡大に注力している。

同社は20221年から今年にかけて、大阪と東京で開催された「国際ホテル・レストラン・ショー」に出展したが、スイーツ業界からは「大豆でできているとは思えないほどおいしい」と反応は上々としており、すでに数社のチルド物流を持つ専門問屋と販売代理店契約も結び、泰喜物産から営業拠点に製品を納品している。金井健三社長は、「販売だけでなく、配達もしてもらう。地域に根差したベーカリー店などに、かなり力を入れて営業してもらえる」と期待を寄せる。

泰喜物産 原材料仕様「シュークリーム」
(画像=泰喜物産 原材料仕様「シュークリーム」)

「ソイホイップ」は、動物性原料不使用の植物性クリームだ。展示会後、多くの採用実績も出ており、都内のケーキ店ではヴィーガンケーキとして人気メニューになっている。ほかにも手土産用の菓子メーカーなどからもサンプル依頼が寄せられているという。

「ソイホイップ」は動物性原料不使用ということに加え、フルーツとの相性が抜群に良いことも訴求している。乳由来の生クリームをフルーツと組み合わせると、乳の香りでフルーツの香りがマスキングされてしまうと解説する。大豆由来の「ソイホイップ」を使うことで、フルーツの香りを前面に出すことができる。

金井友里専務は、「フルーツを宝石のようにあしらっているパフェやケーキなど、フルーツを押し出しているメニューに使ってもらいたい。フルーツサンドも『ソイホイップ』を使って試作したが、フルーツがよりおいしく感じる。販売代理店からは、香りが大事なジェラートなどにも使えると聞いている。乳を使う場合に比べて、フルーツの使用量も減らすことができる」とアピールする。

「リソジャミックス」は、大豆粉と米粉をブレンドし、ベーキングパウダーを加えたグルテンフリーのミックス粉で、「米粉に比べると糖質は約半分ほど」と訴求する。「ソイホイップ」とともに、豆腐メーカーの直売所で販売されているスイーツに採用されている。豆腐レストランにも両製品が使われているスイーツメニューがある。

また、7月27~29日に東京ビッグサイトで開催される「ジャパンベーカリー&スイーツショー」にも出展し、「今後はオンラインでの情報発信も強化したい」としている。

〈「大豆クリーム」はおぼろ豆腐への提案進める、ホテル・レストランも注目〉
豆腐関係では、大豆粉にココナッツオイルを加えた植物性のクリーム「大豆クリーム」は、おぼろ豆腐への提案を積極的に進めていく考えだ。豆腐に豆乳を充填した商品は市場にあるが、同社は「大豆クリーム」をおぼろ豆腐に加えることで、付加価値をもたせることを提案している。静岡の豆腐メーカーのおぼろ豆腐に数年前から採用されており、隠れたヒット商品になっているという。

金井社長は、「豆腐の味はあっさりしているが、こってりしたクリームを加えることで濃厚な味がして、ごちそう感がある。『大豆クリーム』そのものが味のついたタレになり、ちょうどいい粘性があるので豆腐もよく絡む」と説明する。今後は、下味として昆布エキスや塩味を加えた「大豆クリーム」の提案も行っていくとしている。また、「大豆クリーム」と「ソイホイップ」は、「ホテルとレストランの注目度も高くなっている」と述べる。大手ホテルチェーンの料理長がこれらを用いてスイーツの試作品を作ったケースもあり、特に「大豆クリーム」は、スープなどの調理にも使えるので便利という声も寄せられているという。

政府は6月から水際措置を緩和し、入国者枠を拡大しているが、ホテルやレストランはコロナを契機に激減したインバウンドの回復を見込み、「準備はかなりしっかりされている」と印象を語る。「大豆クリーム」や「ソイホイップ」はヴィーガン対応であることから、インバウンド需要にも期待している。

〈大豆油糧日報2022年7月20日付〉