国分グループは6月29日~30日の2日間、東京・池袋のサンシャインシティ文化会館で、首都圏・関信越エリア展示会および、全国低温フレッシュデリカ事業展示会を同時開催している。
2つの展示会合計でメーカー238社・約8,000アイテムを出展し、来場者数は小売・飲食店・卸関係者ら1,800人を見込んでいる。同様の展示会は3年ぶりのリアル開催となった。
開催テーマは「新天地を切り拓け 変わる消費・変わる意識・変える売場~令和の新常識を探る」とした。長期化するコロナ禍の中で新しい生活様式が定着し、ライフスタイルやトレンドが様変わりしており、未曾有の危機と時代の変化を好機と捉えることにより、新たなニーズの汲み取り、市場の創造を行い、「新天地を切り拓け」というメッセージを伝えられるよう今の生活、市場を踏まえた提案を用意したという。
全国低温フレッシュデリカ事業展示会では、メーカー小売業各社の方針を踏まえ、昨今の情勢から目指すべき「新天地」として、
〈1〉マーケットに対する新たな提案
〈2〉高付加価値商品の品揃え拡充
〈3〉同質競争からの脱却
〈4〉店舗全体の活性化
〈5〉人手不足への対応
――という5つのキーワードを設定。デイリー事業・フレッシュ事業・中食事業それぞれにおいて、これらキーワードに即した提案を行った。
冷食も含めた「デイリー事業」部門では、【〈1〉マーケットに対する新たな提案】として、「取組会議」による取組を紹介。「取組会議」は、同社グループ独自の機能を活用し、「コンサルタント卸」として、得意先と双方の課題・戦略・目標を共有化して需要創造を目指す取組を指し、売場提案、販促提案、商品開発、物流提案などを行っていくという。
具体例として、コロナ禍の中でも注目された全国各地の「うまいもの」を集めたご当地商品提案、全国のご当地ラーメン・焼そばフェア提案、沖縄本土復帰50周年に際して売場活性化を狙う「沖縄フェア」の提案、低温品+常温品による簡単アレンジレシピ提案などを行った。
【〈2〉高付加価値商品の品揃え拡充】では、オリジナルブランド「クリエイト商品」を紹介。同ブランドは、「おいしい」・「健康」・「幸福」を開発コンセプトとし、差別化に繋げることで価格競争に巻き込まれない商品を目指す。展示会では具体的な商品としてモランボンとコラボしたセラミドこんにゃく麺「韓にゃくめん」や、チルドの中華まん・小籠包、アーモンドミルクラテ、バターブーストコーヒーなどのライフスタイルドリンクを試食も交えて紹介していた。
【〈3〉同質競争からの脱却】では、「和の国分」を掲げる「和風」カテゴリーでの取組を提案。主に和菓子・和惣菜・練りカテゴリーを中心に、全国卸としての取引数の強みを活かし、地位確立を目指す。有力地場メーカーとの取組、商品開発や全国商品調達機能の確立、差別化により新たな客層を取り込み、需要を創出するという。
「和菓子」では、生・半生で日配とドライの部門が存在し、棲み分け・管理や商談が進めにくいという課題があり、「常温と低温の融合」を目指す同社グループの機能を活かし、カテゴリー育成を提案。今回は各地の厳選和菓子のほか、一押し商品としてオリジナル商品「魚沼おはぎ」(新潟・ゆのたに製造)を提案。冷凍で流通し常温で売る「フローズンドライ」商品で、新潟県産もち米「わたぼうし」100%使用で、十勝産小豆の自家製餡、従来品の1.5倍・90gの高付加価値品として、お彼岸のスポット採用から拡売を図るという。
「和惣菜」は、即食、機能性などで伸長が見込めるが、分析提案力があるメーカーが限られ、卸が売場・売上構成を取引先の特性にそって提案することで売場の独自性・差別化に繋げる。今回は「ごはんに合う和惣菜」コーナーを設け、多様な商品を紹介していた。
「練物」も高たんぱく・低脂肪などの機能性食品として注目されている一方、全国に特徴ある中小メーカーが多く、全国卸である国分グループが情報力・分析力・調達力を活かし、取引先の差別化に繋げるとする。今回は「発見 日本全国の練物」コーナーで全国各地の練物や、ご当地おでんなどを多数紹介した。
【〈4〉店舗全体の活性化】では、低温物流機能の拡充を紹介。全国の低温物流機能拡充と幹線便の構築に加え、フローズンチルド機能やセットアップ機能を強化することで、全国の地域発商品を各地で拡売し、店舗全体の活性化に貢献する。今回の展示会で冷凍食品では、グループの低温卸・ナックスの提案として「全国こだわり冷凍食品大集合」と題し、コロナ禍以降引き合いが強まっている各地の高付加価値冷凍食品を一堂に会して紹介。
また、「ウチ(家・内)で外食コラボ冷食」コーナーでは、和風・洋風・中華、そしてトレンドの各カテゴリーで、外食ブランドのこだわり冷凍食品を集めて提案していた。
〈冷食日報2022年6月30日付〉