量販店のマーガリン売場
(画像=量販店のマーガリン売場)

マーガリン類(加工油脂)の2021年度は、家庭用は上期を中心に内食需要の反動減や、秋口の各社による価格改定影響で物量の減少が見られ、前年から大きく下振れした。

業務用は下期以降、人の動きが戻りつつあり販売数量に回復の兆しが見られたもようだ。家庭用・業務用ともに、主原料の油脂価格高騰を背景に価格改定に注力するも、コストアップ上昇をカバーするには至らず、利益面は非常に厳しい1年だった。

家庭用については、内食需要の恩恵を受け需要が拡大した前期から一転、2021年度は再びマイナスとなった。家計調査のマーガリン購入数量の推移を見ても、前年を下回る月が散見された。市場構成比が最も大きく、市場をけん引してきたグルメタイプ(バター風味・バター入)についても、バター供給に制限がなく潤沢な中、代替需要が低減されたこともあり前年を割った。プレーン、ヘルシータイプ、ケーキ用など全カテゴリで苦戦を強いられた。

2022年家計調査 マーガリン購入数量の推移と増減率
(画像=2022年家計調査 マーガリン購入数量の推移と増減率)

また、昨年の価格改定後も、原料油価は想定を超える上がり幅で推移し、今期もコスト増への対応が不可避な状況にある。主要メーカーからは、「市場が苦戦しており、手段やタイミングは慎重な判断が必要にあるが、(再度の価格改定を含め)更なる対応は避けられない」との見解が聞かれる。

〈食品ロス削減や各種原料高騰などユーザーの課題に油脂で貢献、PBFの品質向上も〉
業務用加工油脂の2021年度は、インバウンド消失などコロナ禍の影響が継続したほか、価格改定交渉が営業の中心とならざるを得ず厳しい販売環境にあった。一方、緊急事態宣言が解除され人の動きが戻り始めた下期以降は、コロナ禍初年度は大ダメージを受けていた土産菓子や外食などで回復の兆しが見られ、「底を脱した」との声も聞かれる。さらに今期は、外出制限のないゴールデンウィークに向けて、4月生産量は上向いたもようだ。

主原料のパーム油の高値更新、菜種、大豆油の高値安定に加え、各種コストが上昇し、各社は昨年に続く4回目の価格改定を打ち出している。為替相場や、パーム油主産地のインドネシアが輸出禁止を発出するなど(すでに解除)輸出国の動向、ロシア・ウクライナ情勢など不確定要素も多く、コスト環境の改善が見込めず、厳しい環境が継続する懸念がある。

そのような中、食品ロス削減や人手不足対応などユーザーが抱える継続課題に対応する品質保持効果や省力化に繋がる機能性油脂は、引き続き評価が向上している。さらに、小麦粉など各種原料高騰がユーザーを直撃する中、生地のボリュームアップ効果など費用対効果に優れる油脂や、最終製品の単純な値上げではなく付加価値を高める動きもあり、加工油脂メーカーはこれらのニーズに応える製品投入や提案を図っている。

そのほか、昨今注目が高まっている大豆ミート製品などプラントベース食品のおいしさアップやジューシー感付与など食感改良に油脂の貢献度は大きいことから、活況な同市場に向けた製品投入の動きが今期も活発だ。今後の動向が期待される。

〈大豆油糧日報2022年6月16日付〉