2022年5月19日、東京でマレットオークション「Modern and Contemporary Art」が開催。国内のアーティストを中心に近代美術から現代美術の作品208点が出品された。今回のオークションより、落札価格TOP5の作品とANDART関連アーティストの落札情報をピックアップして紹介。落札価格は手数料込み。
5)今井麗《お預けのクマ》
落札価格:約734万円
今井麗(いまいうらら)は1982年生まれ、神奈川県出身。2004年に多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業を卒業。クマやチンパンジーなどのぬいぐるみ、トーストや果物などの食べ物が並ぶ食卓や家の中の様子をあたたかい色彩で描いている。近年海外でのグループ展やアートフェアの参加、2021年はアメリカとメキシコで個展を開催するなど活動の場を世界に広げる注目のアーティスト。(予想落札価格:約60万〜90万円)
4)草間彌生《海に近づく》
落札価格:約792万円
世界的日本人アーティストの草間彌生の1978年の作品がランクイン。《海に近づく》は草間彌生の象徴的な柄である網目模様がエナメルを使って色紙に描かれている。画面全体を細かな網目模様が埋め尽くす構成の作品が多いなか、本作はまるで海の中にゆったりと浮かんでいるように、上下に二つに分かれた網が描かれた作品。(予想落札価格:約300万〜500万円)
3)バンクシー《Pulp Fiction》
落札価格:約816万円
イギリスの匿名ストリートアーティスト、バンクシーのエディション作品(600部サインなし)。2002年にロンドンに描かれた壁画で、映画『Pulp Fiction』のワンシーンがもとになっている。映画内では登場人物が拳銃を構えているのだが、それをバナナに置き換えることでユーモアたっぷりに反暴力を訴えているのではと考えられている作品。(予想落札価格:約400万〜600万円)
2)李 禹煥《From Winds》
落札価格:約839万円
「もの派」を代表する韓国生まれの作家、李 禹煥(リ・ウーファン)。「もの派」とは、1960年代末から70年代にかけて盛んになった具体美術と並ぶ戦後の日本美術の重要な動向のことで、木や石などの自然の素材、紙や鉄などをほぼ未加工のまま提示するのが特徴。本作はキャンバスに岩彩(主に鉱石を砕いてつくられた粒子状の絵具)で制作されている。(予想落札価格:約300万〜400万円)
1)ロッカクアヤコ《Untitled》
落札価格:約1,573万円
国内外のオークションで安定した人気がある千葉県出身のアーティスト、ロッカクアヤコ。ロッカクアヤコの象徴ともいえる段ボールを支持体に描かれたユニーク作品が今回のオークションのトップに。絵の具を指につけて直接描いていく手法で、やわらかなタッチと鮮やかな色使いが特徴。本作は120×75.5cmの大きさで2007年に描かれた作品。(予想落札価格:約600万〜800万円)
【ANDART取り扱いアーティスト】
アンディ・ウォーホル
《Sidewalk, From Eight by Eight to Celebrate the Temporary Contemporary》
落札価格:約396万円
先日のクリスティーズオークションでマリリン・モンローのポートレート作品が過去最高の落札価格を更新したアンディ・ウォーホル。本作はロサンゼルス現代美術館が発表した8人のアーティストの版画作品8点をまとめた「Eight by Eight to Celebrate the Temporary Contemporary」からの一枚。ウォーホルの他にはデイヴィッド・ホックニー、リチャード・ディーベンコーン、サム・フランシスらの作品がまとめられている。(予想落札価格:約180万~230万円)
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文:ANDART編集部