30〜40代の金銭感覚について調べた意識調査の結果が興味深い。毎月のお小遣いの平均額から、サブスクサービスにかけているお金、結婚しようと思える年収などのデータが集計されている。早速、結果を紹介していこう。
2022年2月に30~49歳の男女を対象に調査を実施
調査結果を発表したのは、SMBCコンシューマーファイナンスである。2022年2月に30〜49歳の男女を対象にインターネット形式で調査を実施し、1,000人の有効サンプルの結果を集計したとのことだ。
毎月のお小遣いの平均額:前年比3,073円増の3万3,265円
毎月自由に使える「お小遣い」の金額は、30代が前年比3,378円増の3万4,318円、40代が同2,769円増の3万2,213円で、30代と40代を合わせると同3,073円増の3万3,265円だった。
なぜ増加したのかについては、「コロナ禍における新しい生活様式への適応や家計の見直し」「子育て世帯への臨時特別給付金」などが理由となっており、経済的に余裕ができた人が前年より増えた可能性が高いことが指摘されている。
ちなみに、30代で7.0%、40代で6.0%の人が1ヵ月のお小遣いが「0円」と回答した。1ヵ月のお小遣いが「10万円以上」と回答した人は、30代で3.4%、40代で2.8%だった。
サブスクの利用金額:月平均1,528円という結果に
昨今は、サブスクリプションサービスが人気だ。読者の中にも、動画や音楽、雑誌・マンガなどをサブスクで楽しんでいる人も多いはず。そんなサブスクサービスにお金をかけている人の割合は、30〜40代で33.4%だった。
この調査では、サブスクサービスにかけている金額の平均値も算出している。金額は、前年比576円増の1,528円だった。コロナ禍の「巣ごもり需要」が背景にあると考えられる。
なお、利用しているサブスクリプションサービス(複数回答)で最も多かったのが「動画配信」で72.8%となっており、「音楽配信」が41.0%、「雑誌・マンガ」が10.5%、「ゲーム」が7.2%と続いた。
結婚しようと思える年収:「500万円」が最多
日本では、結婚に消極的な若者が増えている。その理由はさまざまだが、「自分の年収では満足いく生活ができないのではないか」との思いで、結婚を諦めている人も少なくない。では、30〜40代は年収がいくらあれば結婚しようと思えるのだろうか。
この調査の結果によれば、「年収500万円」と回答した人が17.0%で最も多く、「年収600万円」と回答した人は11.0%、「年収700万円」と回答した人は6.0%だった。
付け加えると、「年収がどんなに少なくても、したいと思える」と回答した人は14.6%で、前年調査から微減した。「年収がどんなに多くても、したいと思えない」と回答した人は19.9%で、こちらも割合が微減している。
詐欺などのトラブルに遭った人:17.2%が「経験あり」
この調査では、詐欺などのトラブルに遭ったことがある人の割合も集計されている。30代と40代の合計では17.2%に経験があり、男性と女性では女性の方が詐欺に遭った経験がある人の割合が多い。
詐欺に遭った経験がある人の中で、トラブルの種類(複数回答可)として最も多かったのが「マルチ商法・ねずみ講」で25.6%だった。「ネットオークション詐欺」が20.9%、「ワンクリック詐欺」が16.3%、「フィッシング詐欺」が15.7%と続いた。
ちなみに、「詐欺などのトラブルに遭いそうになったことがある」と回答した人は25.7%に上り、30~40代のおよそ4人に1人が詐欺被害者の予備軍であるとも言える。甘い話に引っ掛からないよう、注意したいものだ。
コロナ収束後に楽しみたいこと:男女とも「旅行・観光」が最多
最後に、「コロナ禍が落ち着いたらどんなことにお金をかけて楽しみたいか」(複数回答可)について聞いた結果を紹介して締めくくろう。
男女ともに首位は「旅行・観光」で、男性は30.4%、女性は45.6%だった。旅行・観光に続くのが「外食」で、こちらも男女ともに2位で、男性が16.8%、女性が21.4%となっている。
男女で差があったのが、「テーマパーク」と「ライブ・コンサート」だ。テーマパークと回答した人は男性が7.6%にとどまったのに対し、女性は16.2%と多かった。ライブ・コンサートは、男性は7.2%、女性は16.0%となっている。
世代そして時代によっても変わってくる金銭感覚
お金に関する感覚は世代によっても異なるが、時代によっても変わってくる。特に、現在はコロナ禍でもあり、ビフォーコロナとはお金に関する考え方がかなり変わりつつあるようだ。
あなたの金銭感覚はどう変わっただろうか? もしくはほとんど変わらなかっただろうか?
文・岡本一道(金融・経済ジャーナリスト)