建設業の許可は、工事の種類ごとに取得します。
建設業での営業を行っていると、新たな顧客の紹介や関連工事の発注などによりいろいろな種類の工事の仕事が増えてくると思います。
軽微な工事であれば、既存の許可の範囲内で受注することもできますが、それ以上のものについて許認可を取得したうえで受注することとなります。
会社の事業が拡大し、新たな種類の許可を取得する場合の注意点は下記の2点です。
1 そもそも新たな種類の許可が必要な工事かを把握する
建設業許可を受けていなくとも請け負うことのできる工事とは、建設業法3条、同施行令第1条の2に規定する小規模な工事です。
基本的に請負金額が500万円未満のものになります。建築工事一式の場合は、どうしても総額が大きくなることへの配慮より、1,500万円未満または延べ床面積が150㎡(木造住宅)に満たないものとされています。
また、附帯工事についても、許可は必要ないとされています。
あくまでも附帯工事である点から、主たる建設工事よりも受注金額が大きくなることはあり得せん。ただし、附帯工事に該当する工事であったとしても、その工事を自社において施工する場合には専任技術者の配置などの要件について注意が必要です。
2 建設工事の種類と関連性について理解する
建設工事の種類は全部で29あります。
これは、2つの一式工事と27の専門工事に分かれています。
基本的には、請け負おうとする種類の工事に関する許可が必要になります。
したがって、それぞれの工事の内容について深い理解が必要です。
誤った判断によって新しい業種の許可を取得したとしても無意味なものとなってしまう可能性があるからです。
とりわけ、土木一式工事と建築一式工事の内容については誤解が多いところです。
これらの一式工事については、企画や調整をもとに行う工事になります。
このため、基本的には一式工事は元請けの業種といえます。
下請け工事が、一式工事に該当することはないということです。
公共工事においては、一括下請が禁止ですので、判断に迷うのは一般の工事において適法に一括下請けの契約がなされた場合のみといえそうです。
また、平成28年に施行された改正建築業法により新たな区分である解体工事が新設されました。従来、とび土木工事に含まれていた内容になります。
このたび、当該業種から分離され独立した業種として設けられました。
この新しい業種については次の2点の注意点があります。
一つ目は、従前別の業種に含まれていた内容であり、営業上の影響も考慮され経過措置が設けられているということです。
具体的には、平成31年5月31日までは、とび土木工事の業種の許可を有していればこの内容の工事を行うことができます。
短期のプロジェクトや単発の工事の受注のためにこの業種の許可を考えている人にとっては、必要がないということです。
二つ目は、ほかの業種の工事に含まれる内容もあるということです。
たとえば、古い内装を解体して新たな内装工事を行うような場合には、内装仕上工事の許可があれば問題ありません。(提供:ベンチャーサポート行政書士法人)