スマート農業で東北支援。イスラエル発点滴灌水システムを用いて育てた新米収穫イベント開催
(画像=スマート農業で東北支援。イスラエル発点滴灌水システムを用いて育てた新米収穫イベント開催)

2021年10月2日、宮城県亘理町に位置するメノラー国際リーダーシップセンター内「メノラーファーム」で、ファーム初となる新米収穫イベントが開催されました。収穫イベントには、地元住民と共に点滴灌水システムを提供したイスラエル発アグリテック企業「ネタフィム」、亘理町長が参加し、農業経験者たちの指導のもと、米の収穫を行いました。

地元の子どもたちと一緒に収穫を行うネタフィムジャパン株式会社 代表取締役社長ジブ・クレマー氏
(画像=地元の子どもたちと一緒に収穫を行うネタフィムジャパン株式会社 代表取締役社長ジブ・クレマー氏)

アグリテック企業ならではの東北支援のカタチ

世界各地に拠点を有するネタフィムでは、「GROW MORE WITH LESS™️」というビジョンのもと、水・食料・土壌不足問題に取り組んでいます。そしてそのビジョンを達成するための一環として、収穫を通した地域との交流と参画による復興支援を行い、開かれた農業と「生産者による生産者のためのイノベーション」を目指し、東日本大震災以降、継続的に東北支援を行っています。主な支援として、津波により利用できなくなった土地に、イスラエル大使館と共に点滴灌水システムの資材を提供、また原子力発電所の周辺地域には、ココナッツシェルの繊維を砕いて作られるココピートと点滴灌水システムを組み合わせることで、放射能により汚れてしまった土壌でも土に触れずにすぐに水耕栽培が可能になるセットを提供し、多くの農家が農業を再開することができました。

メノラーファームで実際に使用されているネタフィムの点滴灌水システム(9月17日撮影)
(画像=メノラーファームで実際に使用されているネタフィムの点滴灌水システム(9月17日撮影))

今回収穫イベントが行われたメノラーファームは、イスラエル親善大使を務めるセリア・ダンケルマン氏率いるNPO法人「セリアの会」が2020年に設立したメノラー国際リーダーシップセンター内に位置しています。東日本大震災直後より支援活動を行なうセリア氏は、津波の被害にあった亘理町で、教育プログラムを通じた支援活動の拠点としてメノラー国際リーダーシップセンターを設立しました。600坪余りの土地には、当時実際に使用された仮設住宅が移設され、京都府から寄贈された発電機、イスラエルから寄贈されたオリーブの木などの他、地元住民によって整備されたグラウンドなど、多くの人による支援のカタチが見受けられます。

また宮城県亘理町はイスラエルと親交の深い町として知られており、東京オリンピック2020ではイスラエルの「復興ありがとう」ホストタウンにもなりました。

NPO法人「セリアの会」 代表 セリア・ダンケルマン氏
(画像=NPO法人「セリアの会」 代表 セリア・ダンケルマン氏)
メノラー国際リーダーシップセンター 。右手に見えるのが実際に使用されていた仮設住宅。
(画像=メノラー国際リーダーシップセンター 。右手に見えるのが実際に使用されていた仮設住宅。)
メノラー国際リーダーシップセンター内メノラーファーム
(画像=メノラー国際リーダーシップセンター内メノラーファーム)

2021年2月にネタフィムの点滴潅水システムが提供されてから、メノラーファームではひよこ豆や季節の野菜などを栽培。農業経験のない子どもたちでも農作業ができるよう、ネタフィムジャパンのスタッフが定期的に畑に出向き、支援を行っています。今回の収穫イベントにはネタフィムジャパンのスタッフをはじめ、東京および他県の協力会社サポートスタッフ、亘理町長、地元の子どもたちと保護者たちが参加し、稲刈りの時期を迎えた米の収穫を行いました。

収穫の後には、地元の農家から提供されたイチゴの苗を作付け。また子どもたちがイスラエルのフォークダンス「ハバ・ナギラ」を披露すると、山田町長もダンスに加わり地元の人たちとの交流を楽しみ、農業を通して地元の住民、公的機関、企業の枠を超えた交流が実現しました。

大人も子どもも一緒に稲刈り
(画像=大人も子どもも一緒に稲刈り)
山田周伸亘理町長も自ら鎌を取り稲刈りを行った
(画像=山田周伸亘理町長も自ら鎌を取り稲刈りを行った)
稲刈りの後は稲を天日干しする「はぜ掛け」
(画像=稲刈りの後は稲を天日干しする「はぜ掛け」)
子どもたちがイスラエルのフォークダンス「ハバ・ナギラ」を披露
(画像=子どもたちがイスラエルのフォークダンス「ハバ・ナギラ」を披露)