自宅が教室やオフィスとなった現在、スマートデバイスが注目を集めています。コロナウイルスやその変異株の出現により、私たちの日常生活は大きく変化し、また「全てリモートで」という新常識のスタンスが確立されている今、スマートホームのトレンドは益々大きくなっています。

そこで今回は、世界から注目を集めるイスラエルで誕生したスマートデバイスや機器を6選ご紹介!私たちの生活をよりスマートなものにしてくれます。

Sensibo

Sensiboはエアコン用のスマートコントローラーを提供するイスラエルの会社です。米国のテックニュースサイトTech Crunchが発表する「2020スマートホームギフトアイデアリスト」にも、今年の必需品として掲載されました。

Sensiboは、空気の質も向上させるスマートなエアコン・コントローラー
(画像=Sensiboは、空気の質も向上させるスマートなエアコン・コントローラー)

「集中冷暖房システムがついていない家庭のために温度調節を行ってくれるスマートな機械がSensiboであると考えてください。エアコンやヒーター、熱ポンプなどリモコンで操作できる全ての機器に対応しており、Sensiboが温度を調節してくれます」とTech Crunchのマット・バーンズ氏は記しています。

エアコンの温度調節を自動で行ってくれるこの機械は、Paste誌の2020年ベスト機器15にも選出されました。

OrCam

イスラエルのOrCamにより開発されたAI人工視覚聴覚感知機器は世界中から称賛されています。Mobileyeの創設者らが代表を務めるこの会社のOrCam Readのデジタル音読機が、全米民生技術協会(Consumer Technology Association=CTA)が選ぶBest of Innovationの利便性カテゴリーにおいて、2020年10月に受賞を果たしました。

スマートデジタル音読機であるOrCam Readは、CESイノベーションアワードで「ベスト・オブ・イノベーション」賞を受賞
(画像=スマートデジタル音読機であるOrCam Readは、CESイノベーションアワードで「ベスト・オブ・イノベーション」賞を受賞)

OrCam Readは失読症や視力の弱い人々、読者疲れや多くの書物を読む人々など、何かしら本を読むことに困難を抱える人々をサポートする新しいテクノロジーです。

片手に収まるサイズのOrCam Readは新聞、本、商品ラベルやパソコン、スマートフォンなどに記載された活字からデジタル文書まで広く音読してくれます。これら全ての工程をインターネット接続なしのオフラインで行うため、データのプライバシーを保護しつつ、迅速に音声変換ができます。

普段使いでき、視覚や聴覚的な困難を抱える人々をサポートするこの機械は、米国の駆け込みクリスマスギフトリストでもおすすめされました。

ENTR Mul-T-Lock

コロナウイルスの蔓延がスマートロック市場の成長を急速に後押ししました。家庭内感染が最も頻発した感染経路であるため、触られる頻度が高い面に触れる回数を減らすことが良しとされました。ドアノブは家庭で特に触れる機会の多い箇所です。

ENTR Mul-T-Lockは指紋、鍵やアプリを使ってドアを開ける高度な技術を備えた特許を取得済みのスマートロックです。

ENTR Mul-T-LockはPCMagが選ぶ2020年ベストUKスマートロックに表彰され、「装着が簡単」で「最も可能性のあるスマートロックの1つ」と称されました。

PixCell

コロナ禍をきっかけに多くの企業が実際に病院に足を運ぶことなく、自宅で健康状態を図ることを可能にする商品の開発に取り組みました。

オーストラリアでは、PixCell Medicalが開発したイスラエル製ポイント・オブ・ケア診断装置の便潜血検査試薬(ヘモスクリーン)診断装置を使用し、コロナ患者をリモートで診察しています。

PixCell MedicalのヘモスクリーンCBC解析機
(画像=PixCell MedicalのヘモスクリーンCBC解析機)

「ヘモスクリーンは米国食品医療品局(Food and Drug Administration=FDA)から初めて承認され、非専門家による医療現場での使用が認められた血液分析装置です。とりわけ現在私たち置かれているパンデミック下という状況ではこの装置が感染症の広がりを最小限に抑えることに貢献します」とPixCell MedicalのCEO Avishay Bransky博士は述べています。

「私たちは即時血液検査の必要性を認知し、NSW Health Pathologyと共にポイント・オブ・ケア診断へのアクセシビリティを高めることができることを誇りに思っています」とBranksy博士は言います。

ヘモスクリーンはAIとコンピューターを活用し、PixCellの特許取得済みである粘弾性に着目した技術と組み合わせました。これにより細胞を一列に並べることが可能となり、迅速な分析に導きました。

Nanit

イスラエル人によって設立されたNanitは、カメラテックにより新生児の成長パターンを予測するスマートモニターです。ニューヨーク・マガジンの「親と睡眠コンサルタントが選ぶ最も優れた乳児モニター」の1つに選ばれました。

Nanitの乳児モニターは、コンピュータビジョンと機械学習機能を使用して、乳児の睡眠スケジュールを測定
(画像=Nanitの乳児モニターは、コンピュータビジョンと機械学習機能を使用して、乳児の睡眠スケジュールを測定)

この米国系イスラエル企業は、コンピュータビジョン、機械学習機能、高度なカメラセンサー機能を駆使し、乳児の睡眠サイクルと呼吸運動を計測します。エルサレム・ベンチャー・パートナーズ(Jerusalem Venture Partners=JVP)のFiona Darmon氏によると、寝ている間に孫と絆を深める手段として、年配の人々の間で人気が高まっているとのことです。

Nanitはニューヨークに拠点を置き、テルアビブにR&D拠点を構えています。多くのモニタリングアプリが流通している中、Nanitはデータトラッキング機能とスリープトレーニングのコツを提供することで差別化を図っています。

Tyto Care

コロナウイルスの影響で遠隔医療や診断が大いに拡大しました。2020年初めに急速な需要の高まりと遠隔医療の導入により、Tyto Careは追加で5000万ドルの支援を受けました。

Tyto Careが開発した遠隔医療・診断用の家庭用デバイス
(画像=Tyto Careが開発した遠隔医療・診断用の家庭用デバイス)

9月にはオーストラリア薬品・医療品行政局(Therapeutic Goods Administration=TGA)の承認を受け、オーストラリア中の医療機関や消費者への提供が開始されました。10月には臨床医に向け、AIを搭載した診察支援ソリューションを提供しました。この診察ツールはFDAから承認を得ています。

「パンデミックはリモートでの医療サービスの必要性を急加速させました。私たちは医療機関、病院、消費者 高品質の遠隔医療ソリューションに対する世界的な需要をいち早く察知しました」とTyto CareのCEO兼共同設立者であるDedi Gilad氏はいいます。「Tytoの診察支援ソリューションを通して、臨床医が遠方からより適切な診断を下す手助けをします。私たちは更に遠隔医療や遠隔診断を促進できるよう、新製品の開発に取り組みます」

テキスト:Viva Sarah Press