NFTの話題から、展覧会情報まで。ANDARTお取り扱いのアーティストの話題を中心に、1週間のアートニュースを振り返ります。(1ドル=114円、1ポンド=154円 で換算)

目次

  1. アーティスト
  2. 作品
  3. オークション
  4. NFT
  5. 展覧会

アーティスト

▍KAWS、現実空間とメタバースの2つの会場で個展を開催

KAWS、現実空間とメタバースの2つの会場で個展を開催
(画像=「Fortnite」上でのKAWSの展覧会の様子。KAWSオリジナルのスキンが作品の「コンパニオン」の像を見ている)

画像引用:https://www.theverge.com/

ロンドンの「サーペンタイン・ノース・ギャラリー」でKAWSの個展「KAWS: NEW FICTION」が開幕。同時に、この展覧会が人気のオンラインゲーム「Fortnite(フォートナイト)」の中で、バーチャルな展覧会として公開されている。プレイヤーは、ピンク色のKAWSの「コンパニオン」に扮して、展覧会会場の幻想的な敷地を歩き回ることができる。artnet news)

これまでにもKAWSはAR (拡張現実) を使った作品を公開するなど、リアルとバーチャルを組み合わせて作品を公開してきたが、今回の展覧会は、メタバースでの展覧会の先駆けといえそうだ。

作品

▍ハーシュホーン美術館とオルブライト・ノックス美術館が草間彌生の ≪Infinity Mirrored Room≫ を共同購入

ワシントンD.C.の「ハーシュホーン美術館」とニューヨーク州バッファローの「オルブライト=ノックス美術館」は、草間彌生の《Infinity Mirrored Room-My Heart Is Dancing into the Universe》(2018年)を共同購入した。この作品は、草間が継続的に制作している「Infinity Mirrored Room」シリーズの最新作のひとつ。近年、複数の美術館が大作を共同購入する事例が見られている。(ARTnews)

参考記事:アートの「共同保有」は美術館に広がるのか?世界の美術館での取り組み。

▍イングランドで描かれたバンクシーの壁画、壁を取り外し個人コレクターへ売却

イングランドで描かれたバンクシーの壁画
(画像=バンクシーの ≪A Great British Spraycation(英国のスプレーケイション)≫作品のひとつを見つめる親子)

画像引用:https://www.theartnewspaper.com/

2021年の夏に、バンクシーが新作シリーズ ≪A Great British Spraycation(英国のスプレーケイション)≫ としてイングランド東部の海岸沿いの町に複数のグラフィティを残したが、そのうちの1作品が個人コレクターに売却されたようだ。ハットをかぶった子供が両手でバールを振り回している作品。壁画が描かれた建物のオーナーが11月に壁を取り除き、作品を売ることを決め、地元からは落胆の声が上がっていた。壁画は数百万ドル (数億円) で落札されたと言われている。

これまでにも、バンクシーの作品が描かれた建物のオーナーがその壁画を売ろうとすることがあったが、壁の撤去に費用がかかり、また、バンクシーの認証サービスである「Pest Control社」は、そのような作品には真正性の証明書を発行しないという方針をとっている。それでもなお高額で売買したいと思わせるほどバンクシーの人気が上昇しているようだ。(The Art Newspaper)

参考記事:保護か撤去か?イギリスのバンクシー新作、その後を追う

オークション

▍ロビー・ウィリアムズ、バンクシーの作品3点を少なくとも10億円以上で売却へ

ロビー・ウィリアムズから出品される≪Girl with Balloon≫ / バンクシー
(画像=ロビー・ウィリアムズから出品される≪Girl with Balloon≫ / バンクシー)

画像引用:https://www.theguardian.com/

過去30年間で最も成功したといわれる英国のポップスターの一人、ロビー・ウィリアムズが、バンクシーの作品をオークションに出品する。彼のアートコレクションの ≪Kissing Coppers≫、≪Girl with Balloon≫、≪Vandalised Oils (Choppers)≫は、合計700万ポンドから1,000万ポンド (約10.8億円から15.4億円) で落札される見込み。これらの作品は、英国の2大スターであるロビー・ウィリアムズとバンクシーを結びつけるという意味でも価値を持つものとなる。(The Guardian)

▍クリスティーズ「シュルレアリスム」オークションの目玉に、シュルレアリスム時代のピカソの大作

3月1日にロンドンで開催されるクリスティーズオークション「アート・オブ・ザ・シュルレアリスム」において、パブロ・ピカソがミューズであり恋人でもあったマリー=テレーズ・ウォルターを描いた、色彩豊かなシュルレアリスム時代の大作≪La fenetre ouverte≫ (1929)を目玉とすることが発表された。

50年間同一の個人コレクションに所蔵されており、オークションに出品されるのは初。クリスティーズは、「ピカソはどのような運動にも傾倒しなかったが、本作は、ピカソのシュルレアリスム時代の最高潮に達した作品である」と伝えている。予想落差価格は1,400万ポンドから2,400万ポンド(約21.6億円から37.0億円)。(PENTA)

▍クリスティーズ、伝統的なロンドンセールに一石。高まる中国の需要を視野に

クリスティーズは、伝統的な春のロンドン・イブニング・セールにおいて、上海でも同時にイブニングセールを展開する新たな試みを行う。ますます重要になってきている中国の若いバイヤーを引きつける狙い。アジアからの買い付けと入札は、すでにロンドンのセールで40%を占めているという。

クリスティーズとしては、パンデミック以降、中国本土で行われる初の物理的なセールとなる。ジャン=ミシェル・バスキアやパブロ・ピカソなどの欧米の優良アーティストを中心に、アジアの現代美術の名前も混じえて販売する予定だという。(artnet news)

NFT

▍ダミアン・ハースト、NFTプロジェクトのChainlink価格指数を発表

ダミアン・ハーストのNFT作品≪The Currency≫に、ブロックチェーンネットワークと外部システムとをつなぐミドルウェア(中間処理役)の機能を持ったプラットフォーム「Chainlink」の価格指数が設けられた。これにより、ブロックチェーン外からもそのプロジェクトの価値を評価する指標が提供される。

ハーストと提携し、≪The Currency≫を取り扱っているプラットフォーム「HENI」の創業者ジョー・ヘイジは、「 ≪The Currency≫ は常に、アートをさらにお金のように感じられるようにするための試みだ」と語っている。(CoinDesk)

なお、≪The Currency≫では、作品を購入したコレクターは、NFTを保持するか物理的なアートワークと交換するかを選択する必要があるが、これまでに約5%にあたる492枚のNFTが破棄され、有形の絵画と交換され、多くはNFTのかたちで残されているという。(CRYPTO ECONOMY)

参考記事:ダミアン・ハーストが揺さぶる アートとお金の既成概念。NFTプロジェクト「The Currency」が問いかけるものとは?

▍Burnt Financeが約9.1億円を調達し、DeFi志向のNFTマーケットプレイスを開始

暗号資産スタートアップのBurnt Finance社は、2021年に300万ドル(約3.4億円) を調達していたが、この度シリーズAラウンドを実施し、800万ドル(約9.1億円) を調達した。さらに、同社はDeFi(分散型金融;金融資産の管理を自律的に行える)志向の独自のNFTマーケットプレイスを立ち上げ、NFTのハブとなることを目指しているという。

Burnt Finance社は、過去にBanksyの作品を燃やし、その作品のために鋳造したNFTを元の作品の10倍近い価格で販売した「Burnt Banksy」で注目を集めた企業。(TechCrunch)

参考記事:バンクシーの作品が無許可でNFTに。それって違法?NFTアートの権利問題とは

▍Twitter、NFTをプロフィール画像として設定可能に。六角形のアイコンで表示

Twitter社は、ユーザーがプロフィール写真にNFTを表示できるツールを発表した。この機能は、同社の定額制サービス「Twitter Blue」のユーザーがiOS上で利用できるもので、ユーザーのTwitterアカウントと、ユーザーが保有するNFTを保管する暗号ウォレットから結びつけるもの。NFTのプロフィール写真は六角形で表示され、写真をタップすると、その作品の詳細や所有者が表示される。 (Reuters)

▍商標権侵害?アート? 無断で「バーキン」のNFTを作成したデザイナーをエルメスが提訴

「バーキン」
(画像=毛皮などに覆われた8つのバーキンNFT画像)

画像引用:https://www.dailymail.co.uk/

「エルメス」は、同社の人気のバッグ「バーキン」をモチーフにしたNFTを「MetaBirkins(メタ・バーキンズ)」として無断で制作・販売したデザイナーを提訴した。「バーキン」のデザインと形はそのまま、多色の毛皮やバナナを貼り付けたものなど、実際のバッグにはないパターンで表現している。

エルメス側は「商標権侵害」と主張しているのに対し、デザイナーは「私はバーキンバッグの偽物を制作・販売しているのではなく、毛皮で覆われた想像上のバーキンバッグを描いたアート作品を作っている。アメリカ合衆国憲法修正第1条が、アンディ・ウォーホルにキャンベルのスープ缶を描いたアート作品を制作・販売する権利を与えたように、私にもバーキンバッグを描いたアート作品を制作・販売する権利を与えている。」と述べている。(Daily mail Online)

展覧会

▍渋谷フクラス2階「世界一小さな美術館@GMOデジタル・ハチ公」で、世界初公開を含む3作品を同時展示!

世界一小さな美術館@GMOデジタル・ハチ公
(画像=「世界一小さな美術館@GMOデジタル・ハチ公」で公開される≪Love Is In The Air(花束を投げる暴徒)≫)

GMOインターネットグループは、2022年1月22日よりアートスペース「世界一小さな美術館@GMOデジタル・ハチ公」(渋谷フクラス2階)で、バンクシーの作品≪Love Is In The Air(花束を投げる暴徒)≫を第3弾展示として公開する。これにより、≪Girl with Balloon(風船と少女)≫(第1弾:2021年9月5日~展示)と≪Bomb Love Over Radar≫(第2弾:2021年12月1日~展示)を含め、バンクシーの3作品を同時に鑑賞できる。

以前の展覧会で同アートスペースを訪問した場合は、「無料ご招待メール」が送付されるという。(世界一小さな美術館@GMOデジタル・ハチ公)

▍アンディ・ウォーホルの初めてのドローイング集も展示。「視覚トリップ展」がワタリウム美術館で開始

東京・青山にあるワタリウム美術館で、202年1月22日より、「視覚トリップ展 ウォーホル、パイク、ボイス 15人のドローイングを中心に」が始まった。ワタリウム美術館のコレクション作品からの展示で、アンディ・ウォーホルの初めてのドローイング集や、ナムジュン・パイクが描いた、笑っているテレビ、泣いているテレビのドローイング、ヨーゼフ・ボイスが東京で描いた黒板ドローイングなど、14人のドローイングやペインティング作品が展示される。(ワタリウム美術館)

▍ドイツのルートヴィヒ美術館で、ゲルハルト・リヒター90歳の誕生日を記念する展覧会を開催

≪Krieg≫ / Gerhard Richter
(画像=≪Krieg≫ / Gerhard Richter)

≪Krieg≫ / Gerhard Richter 画像引用:https://www.wz.de/

ドイツのケルンにあるルートヴィヒ美術館では、2月1日から5月1日まで、所蔵するゲルハルト・リヒターの作品を紹介する展示を開催する。2022年2月9日にゲルハルト・リヒターが90歳の誕生日を迎えることを記念したもの。リヒター自身が「ホーム・ミュージアム」とも呼ぶ同美術館には、リヒターの最も重要な作品群が所蔵されている。人や物、抽象絵画、窓ガラス、鏡などを描いた作品など、幅広くリヒターの作品が紹介される予定だという。(WESTDEUTSCHE ZEITUNG)

▍ガゴシアンがスイスに新ギャラリーを発表。最初の出展アーティストはダミアン・ハースト

3大メガギャラリーのひとつ「ガゴシアン」は、昨年10月にパリに3つ目のギャラリーを開設したのに続き、新たにスイスのグシュタードにギャラリーを開設することを発表した。こけら落とし展はダミアン・ハーストの展覧会になるという。(HypeArt)

なお、「ガゴシアン」はニューヨークのギャラリーでも1月20日からダミアン・ハーストの「Forgiving and Forgetting」シリーズの展覧会を開催予定だ 。(HypeArt)

参考記事:ダミアン・ハーストの最新展示を紹介。メガギャラリーから会員制クラブまで

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文:ANDART編集部