「将来に備えて資産形成をしておかなければならない」という話はよく耳にしますが、一体どこから手をつければいいのか、そもそも資産形成をする意味は何なのか、いろいろな疑問を持っている人も多いでしょう。漠然と貯金をしようとしても続かなかったり、投資には株式や不動産、保険など多くの種類があって選び方がわからなかったり、悩んでしまいますよね。この記事では、資産形成について初心者向けに解説します。

目次

  1. 資産形成と資産運用の違い
  2. なぜ資産形成が必要?
  3. 資産形成の始め方と注意点
  4. 20代・30代におすすめの資産形成
  5. 資産としてのアートにも注目

資産形成と資産運用の違い

❙ 資産形成

もともとの金融資産がゼロに近い状態から、貯蓄や投資によって少しずつ資産を積み上げていくことを「資産形成」といいます。いきなりお金を増やしたいと思っても無理があるので、まずは土台をつくるイメージで着実に貯めていきましょう。

❙ 資産運用

ある程度の資産が形成できたら、次のSTEPが「資産運用」となります。この段階では、すでに持っている資産を活用して、効果的に利益を得ることを目指します。金融商品によってはリスクが高く損失が出る可能性もあるので、しっかり基礎知識を身につけておくことが大切です。

なぜ資産形成が必要?

 Photograph: Banksy Courtesy of Pest Control Office
(画像= Photograph: Banksy Courtesy of Pest Control Office)

https://www.theguardian.com/

❙ 老後資金が足りなくなる?

2019年に金融庁の報告書で「老後2000万円が不足する」という試算が発表され議論が巻き起こりました。平均寿命が延び人生100年時代となりましたが、少子高齢化の問題もあり、年金だけでは老後の生活費が足りなくなってしまうとのこと。この報告書では、定年退職後の平均余命を20年間〜30年間と仮定した場合の高齢夫婦世帯を想定した計算をしており、もちろん個人の状況によって必要な金額は異なります。しかし、家計にゆとりを持たせて豊かで充実したセカンドライフを送るために、資金は多めに用意しておいたほうが安心できるでしょう。

❙ 将来への備えも重要

日々の生活費だけでなく、いざという時のまとまった資金を備えておくことも重要です。子どもの教育資金やマイホーム購入費用など、人生にはさまざまなライフイベントに伴う支出が発生するもの。予期せぬ事態にも対応できるよう、不安を減らすためにしっかり準備しておきたいものです。

❙ お金は放っておくと目減りする

継続的な物価上昇をインフレといいます。たとえば「リンゴ1個=100円」だったのが「リンゴ1個=200円」となり、現金の価値が低くなるということ。基本的には時代とともにインフレが進むので、銀行に預けていた100万円の価値もだんだんと落ちていってしまうのです。バブル時代には高い利息が付きましたが、現在は預金金利もほんのわずか。そのため、預金することでお金を守っているように見えて、実は緩やかに減らしてしまっていることになります。

資産形成の始め方と注意点

資産形成の始め方と注意点
(画像=資産形成の始め方と注意点)

❙ ライフプランを立てる

ライフプランによって、将来必要になる金額は異なります。どのくらいの収入が得られるのか、退職金はあるのか。 独身でいるのか結婚するのか、子供を持つ予定はあるのか、子供は大学まで進学するのか。 賃貸に住むのか、住宅ローンを組んでマイホームを買うのか?……などなど、今後自身が求めるものを考慮して目標を決め、さまざまなシミュレーションをして人生設計を行いましょう。そのとおりになるとは限りませんが、預貯金の目的などを具体的に考えておいたほうがビジョンが明確になり、意欲が湧きますよ。

❙ 投資のリスクを把握する

投資商品によっては短期間で大きく儲けられる場合もありますが、元手が回収できないこともあるので、失敗する可能性も考えておかなければいけません。年齢が若ければある程度ハイリスクな投資商品を試してみるのもいいかもしれませんが、まず十分な貯蓄ができてから、余剰資金を投資に回すのが鉄則です。確実な資産形成のためには、ローリスクかつ複利効果も期待できる長期運用・長期投資がおすすめ。

❙ 分散投資を心がける

値下がりによるリスクを軽減するためには分散投資が有効です。そうすると保有している運用商品の一部の利回りが振るわなくても、他のところでカバーすることができます。比較的安定性のある国債を一定の割合で持っておく、ライフプランに合わせて積立額を調整するなど、上手に管理するようにしましょう。

20代・30代におすすめの資産形成

20代・30代におすすめの資産形成
(画像=20代・30代におすすめの資産形成)

❙ 定期預金

手元に貯蓄が少ない若い世代にまず挑戦してほしいのが定期預金。口座開設の手間も少なく、普通預金よりも引き出しにくくなるため、貯金の習慣がない人でも無駄遣いを防げます。また、自動積立式の定期預金なら、月々決まった額を先取りして貯金に回すことが可能。積立期間という時間が味方してくれることが20代・30代の強みなので、毎月1万円など少しずつでも積み重ねていけば、数十年後にはかなりの金額になります。

❙ 株式投資

株式投資は成功すれば大きなリターンが狙えるものの、日々変動する株価により元本割れするリスクもあるため、投資初心者は注意が必要。最近はミニ株など少額からトライできる商品も増えているので、きちんと仕組みを理解したうえで利用してみるのもいいでしょう。上場企業の株式を保有していると、値上がり益が出たり配当金を受け取れたりするだけでなく、魅力的な株主優待が用意されているのもポイント。日用品や商品券などがもらえる場合もあるので、気になる企業の優待を調べてみると楽しいかもしれません。

❙ 投資信託

複数の株式や債券など、さまざまな種類の資産に分散投資をする投資信託。収益性や安全性にはバラツキがあるものの、個人投資家の代わりにプロの知識を持った運用会社が投資や運用をしてくれるので、一般的にはそれほどこまめに株価の値動きをチェックする必要はありません。ただし非常に多くの銘柄が存在し、投資対象や信託報酬と呼ばれる手数料に違いがあるため、特に最初は慎重に選ぶようにしましょう。「ノーロードファンド」と呼ばれる販売手数料がない投資信託もあります。人気の投資信託ランキングや証券会社の説明などで、それぞれの銘柄の特徴が紹介されているので、参考にして比較してみてください。

❙ NISA・つみたてNISA

投資には証券会社での証券口座開設が必須となりますが、通常、投資で得た利益には20.315%の税金がかかります。つまり10万円の配当金がもらえても、実際に手元に残るのは8万円に満たないということ。ところが「NISA口座」で運用したものについては税金がかからないため、前述の例ではまるまる10万円を受け取ることができます。「NISA」と「つみたてNISA」は、非課税で保有できる期間や、年間で投資できる上限額に差があります。どちらか一方しか利用できないので、自分の投資スタイルに合うほうを選びましょう。

❙ iDeCo

NISAと同じく近年注目されているのが「iDeCo」(個人型確定拠出年金)。これまでの公的年金・私的年金だけでは老後資金が不足する可能性があるため、プラスアルファで個人で備えておくための制度です。NISAと同じように運用益に課税されないだけでなく、毎月の掛金によって所得税・住民税が控除されるという節税効果が大きなメリットです。ただしデメリットとして挙げられるのが、原則として60歳までは自由に引き出せないこと。途中でまとまった資金が必要になっても当てにできないので計画性が求められます。一方、誘惑にかられて引き出してしまう心配がないので、長期的な目線で備えるのには向いています。

資産としてのアートにも注目

ANDARTのアートスペース展示風景。取り扱い作品一覧はこちら
(画像=ANDARTのアートスペース展示風景。取り扱い作品一覧はこちら)

近年、アート=資産という考え方が徐々に広まり、投資対象として美術品を購入する人も増えています。アートマーケットでの値上がりは予測が難しいものの、お気に入りのアーティストや作品を見つけて楽しみながら資産づくりができる点が魅力です。

オークションニュースで見かけるアート作品は平気で1000万円を超えていたりもするので、富裕層のものと思われがちですが、実際には数万円程度で購入できるものも。「YOUANDART」のようにオンラインで手頃な価格からアートを販売するサービスもあるので、アート購入のハードルは低くなってきています。

日本初のアートの共同保有サービス「ANDART」では、バンクシーやKAWSなど人気の作品を1枠1万円から気軽に共同保有することができます。専門家が選んだ本格アートがそろっているので、「興味はあるけど知識がなくて一歩が踏み出せなかった」という人でも大丈夫。会員間売買の機能もあるので、資産運用の選択肢としてもぜひ候補に入れてみてください。

3分でわかる資産形成
(画像=3分でわかる資産形成)

2021年はコロナの影響も続き、経済状態も不安定だったので、資産形成の必要性をより強く感じた方も多いはず。この記事で紹介した以外にも、国債や外国為替などさまざまな金融商品があります。資産形成や資産運用については、入門用の本やオンラインセミナーもたくさんありますし、口コミなどで信用できそうなFP(ファイナンシャルプランナー)などアドバイザーを見つけて相談してみるのもいいでしょう。皆さんご自身の年収や人生におけるタイミングなどを見ながら、負担にならずにできる最適な資産形成の手法を検討してみてくださいね。

資産運用を目的に活用しているユーザーも多いANDART。簡単な会員登録で共同保有サービスが利用できるだけでなく、無料で旬なアートニュースを受け取れるなどメリットがいっぱいです。オークション結果やお得なキャンペーン情報をお見逃しなく!

文:ANDART編集部