アンディ・ウォーホル
(画像=アンディ・ウォーホル)

2021年も残すところあとわずか。ANDART取り扱いのアーティストたちの2021年のニュースを振り返ってみよう。

アンディ・ウォーホルは、亡くなってから30年以上経つにもかかわらず、オークションから展覧会まで、多くのニュースが毎週のように報じられ、その影響力の大きさが伺える。(※ オークション落札価格は手数料込み。落札時点のレートでの計算。)

目次

  1. オークション
  2. NFT
  3. コラボレーション
  4. 展覧会
  5. その他(アクシデント・オマージュ作品など)

オークション

▍2021年上半期のオークション落札総額、アンディ・ウォーホルは3位に。
2021年下半期の集計はまだこれからだが、2021年のオークション落札総額で、上半期はアンディ・ウォーホルが3位にランクインした。オークションでは常に安定した人気を誇り、今年はNFT作品も高額で落札されるなど、今もなお注目を集め続ける美術史に残る重要人物であることが伺える。なお、後に述べるように下半期にも高額落札が相次いでいるため、こちらも注目だ。

▍≪Elvis 2 Times≫ が約41億円で落札。ウォーホルの今年の落札額3位に。

≪Elvis 2 Times≫ / アンディ・ウォーホル
(画像=≪Elvis 2 Times≫ / アンディ・ウォーホル)

画像引用:https://www.sothebys.com/

2021年5月12日から14日にかけて開催された、サザビーズによる印象派・近現代美術のオークションで、アンディ・ウォーホルの≪Elvis 2 Times (1963)≫が約41億円 (3,703万ドル)で落札された。誰もが認めるキング・オブ・ロックンロールを、207cmx181.3cmのカンバスに実物よりも大きく表現した作品。ウォーホルの今年の落札価格第3位となり、ウォーホル歴代でも18位の落札価格となった。

▍ウォーホルの描いたバスキアが約46億円で落札。ウォーホルの今年の落札額2位に。

≪Jean-Michel Basquiat≫ / アンディ・ウォーホル
(画像=≪Jean-Michel Basquiat≫ / アンディ・ウォーホル)

画像引用:https://news.artnet.com/

2021年11月11日に開催された、クリスティーズオークションのイブニングセールに、ウォーホルが描いたバスキアの肖像 ≪Jean-Michel Basquiat≫ が出品され、約46億円 ($40,091,500)で落札された。銅や金の塗料をキャンバスに塗り、ウォーホル自身か友人・アシスタントらにキャンバスに排尿させることで制作した「酸化絵画」シリーズの作品だが、同シリーズではバスキアをモチーフとしたものが唯一の肖像画の作品として知られている。ウォーホルの今年の落札価格第2位となり、ウォーホル歴代でも14位の落札価格となった。

▍やはりマリリンは人気!≪Nine Marilyns≫が約54億円で落札。ウォーホルの今年の落札額1位に。

≪Nine Marilyns≫ / アンディ・ウォーホル
(画像=≪Nine Marilyns≫ / アンディ・ウォーホル)

画像引用:https://www.sothebys.com/

2021年11月15日、今年のオークションの中でも最大級の注目を集めた「The Macklowe Collection」がサザビーズ・オークションで開催された。美術館管理者である元妻のリンダとの間の離婚問題の一環として開催されたオークションだが、この中で、アンディ・ウォーホルの≪Nine Marilyns≫が約54億円 ($ 47,373,000) で落札された。ウォーホルの今年の落札価格第1位となり、ウォーホル歴代でも12位の落札価格となった。

NFT

▍旧式のフロッピーディスクに眠ったアンディ・ウォーホル作品がNFTとしてオークションへ。

≪Untitled (Self-Portrait)≫ / アンディ・ウォーホル
(画像=≪Untitled (Self-Portrait)≫ / アンディ・ウォーホル (ca. 1985k, minted as an NFT in 2021).©The Andy Warhol Foundation. )

画像引用:https://news.artnet.com/

2021年5月27日、アンディ・ウォーホルが1980年代半ばに制作し、そのデータを2014年に旧式のフロッピーディスクから復元したNFT作品5点がクリスティーズのオンライン・オークションで競売にかけられた。5点の総落札額は約3.7億円(340万米国ドル)となった。一方、この作品がオリジナルから大きく手を加えられていることについて、デジタル作品の復元に携わったカーネギーメロン大学のGolan Levin氏が「どの時点から、オリジナルファイルではなくなるのか?」と問いかけ、議論を呼んだ。オリジナリティや個性主義を越えた芸術を模索したウォーホルの思想が、死後30年以上たった現代に議論を巻き起こし、その先進性が改めて感じられる事件となった。

▍暗号通貨プラットフォーム「TRON」の創設者、アンディ・ウォーホルNFT「3つの自画像」を約3.8億円で落札

≪Three Self-portraits≫ / アンディ・ウォーホル
(画像=≪Three Self-portraits≫ / アンディ・ウォーホル)

画像引用:https://www.binance.com/ 7月、大手の暗号通過取引所「Binance」が、NFTマーケットプレイス「バイナンスNFT」をローンチし、マーケットプレイス初のプレミアムイベントのオークション「Genesis」が開催された。目玉となったのは、アンディ・ウォーホルの「Three Self-Portraits」をNFT化したもの。約3.8億円($280万)という価格で落札された。落札したのは「Tron」の創業者であるJustin Sun。彼はNFTの熱心なコレクターであり、今年3月にはBeepleのNFT作品≪Ocean Front≫を約600万円(約6.7億円)で落札したことも話題となった。

コラボレーション

▍ウォーホルと佐藤可士和、河村康輔がコラボレーション。限定UTを発売。

佐藤可士和とコラボレーションした≪Cow≫のUT。
(画像=佐藤可士和とコラボレーションした≪Cow≫のUT。)

画像引用:https://www.uniqlo.com/

ユニクロはUTではじめてアンディ・ウォーホルとの2つのコラボレーションを行った。ひとつめは、クリエイティブディレクター・佐藤可士和とのコラボレーション。国立新美術館で開催された「佐藤可士和展」限定で発売され、≪Cow≫モチーフのTシャツも発売された。もうひとつは、日本を代表するコラージュアーティスト・河村康輔とのコラボレーション。誰もが知る“キャンベルスープ缶”や“花”の作品がアレンジされたTシャツとなった。

▍アンディ・ウォーホル、ジャン=ミシェル・バスキア、キース・へリングの象徴的な作品がUTに

キャンベル・スープ缶をモチーフにしたUT
(画像=キャンベル・スープ缶をモチーフにしたUT)

画像引用:https://www.uniqlo.com/

6月28日、ユニクロのUTから、ポップアート界の礎を築いた アンディ・ウォーホル、バスキア、キース・へリングの、今もなお色褪せない不朽の名作を用いたコレクションが発売された。アンディ・ウォーホルの有名なモチーフである、キャンベル・スープ缶、ブリロ・ボックス、バナナなどのモチーフがあしらわれている。これらのTシャツは、現在も購入可能だ。

▍SK-IIがウォーホルとコラボした「ピテラ™エッセンス アンディ・ウォーホル限定版コフレ」を発売。

ピテラ™エッセンス アンディ・ウォーホル限定版コフレ
(画像=ピテラ™エッセンス アンディ・ウォーホル限定版コフレ)

2021年10月20日、スキンケアブランドSK-IIは、ポップアートの巨匠アンディ・ウォーホルとのコラボレーションにより実現した「ピテラ™エッセンス アンディ・ウォーホル限定版コフレ」を数量限定で発売した。限定ボトルには、“すべての人は美しい”というアンディ・ウォーホルとSK-IIが共有する美の哲学に インスパイアされ、ボトルには彼が残した3つの名言「すべてのものは美しい(All is pretty)」、「美しくない人なんていない(If everybody’s not a beauty, then nobody is)」、「ぼくは美しくない人に会ったことがない(I’ve never met a person I couldn’t call a beauty)」をフィーチャー。また、彼が ポップアートのクリエイションを探求する中で手掛けたテレビ番組「Andy Warhol T.V」を象徴する大胆なカラーバーがあしらわれている。

展覧会

▍2022年に日本でアンディ・ウォーホル大回顧展の開催が決定!

「アンディ・ウォーホル・キョウト / ANDY WARHOL KYOTO」展
(画像=「アンディ・ウォーホル・キョウト / ANDY WARHOL KYOTO」展)

2021年9月、Covis-19影響で開幕延期となっていた「アンディ・ウォーホル・キョウト / ANDY WARHOL KYOTO」展が、2022年9月17日 (土)~2023年2月12日(日)の会期で開催されることが発表された。アメリカのアンディ・ウォーホル美術館の所蔵作品のみで構成される日本初の展覧会であり、展示される約200点のうち、100点以上が日本初公開になるという。会場は京都市京セラ美術館の単館開催であり、巡回展示は行われない。(特設サイト)

▍アンディ・ウォーホルの全てを知れる展覧会、中国で開催

2021年7月3日から約3ヶ月にわたり、中国・北京にあるユーレンス現代美術センター(UCCA)で、大規模個展「Becoming Andy Warhol」が開催された。アメリカ・ピッツバーグにあるアンディ・ウォーホル美術館のコレクションから、ドローイングやペインティング、写真、映像など400点近くの作品が展示され、高校時代の遺品、初期の作品から代表作、写真、映像などウォーホルのアート史を網羅した展示となった。なお、11月6日からは上海にある「UCCA Edge」にも巡回している。

▍カナダのオンタリオ美術館、アンディ・ウォーホルの展覧会で長期休館から復帰

オンタリオ美術館での展示風景
(画像=オンタリオ美術館での展示風景)

画像引用:https://www.cbc.ca/

2021年7月21日からは、カナダのカナダのオンタリオ美術館(AGO)でもウォーホルの大規模個展が開催された。COVID-19の影響で8ヶ月の休館となっていた同美術館の再オープン後初の展示だ。AGO、テート・モダン、ケルンのルートヴィヒ美術館との国際的なコラボレーションにより実現したという展示で、ウォーホルの人生における40年間のアートメイキングを、絵画、ドローイング、写真、フィルム、インスタレーションなど250点以上の作品を通して紹介する。

▍ブルックリン美術館で、アンディ・ウォーホルの信仰に焦点を当てた展覧会がスタート。

「Andy Warhol: Revelation」展 ブルックリン美術館
(画像=「Andy Warhol: Revelation」展 ブルックリン美術館)

画像引用:https://www.brooklynmuseum.org/

2021年11月19日より、ブルックリン美術館で約半年にわたる個展「Andy Warhol: Revelation」展がスタートした。ウォーホルの作品に頻繁に登場する信仰についての関係を探る展覧会。100点以上の展示品の中にはウォーホルの「最後の晩餐」シリーズのほか、ローマ・カトリック教会がウォーホルに資金提供した未完成の実験映画 ≪The Chelsea Girls≫ なども展示される。

その他(アクシデント・オマージュ作品など)

▍アンディ・ウォーホル作品の写真のフェアユース、第二審で覆される。プリンスの写真を使用した作品で。

アクシデント・オマージュ作品など
(画像=アクシデント・オマージュ作品など)

画像引用:https://www.hollywoodreporter.com/

ウォーホルが生前に制作したプリンスの肖像について、元となる写真を撮影した写真家のリン・ゴールドスミスは、写真の使用がフェアユースではないとして、アンディ・ウォーホル財団を相手取った著作権訴訟を行っている。2019年には、一度公正な使用であると認められたが、3月26日に開催された第二審で、この判定が覆された。

1980年代半ばに、リン・ゴールドスミスは雑誌に彼女の写真をライセンスし、雑誌がウォーホルにシルクスクリーンの制作を依頼。ウォーホルはプリンスに関するシリーズのために15点の追加作品を制作たが、ゴールドスミスは2016年にプリンスが亡くなるまでこのことを知らなかったという。

▍アンディ・ウォーホルの排泄物がオークションに?エロ・マンゾーニの《Artists’ Shit》のオマージュNFT。

2021年7月29日〜30日、フィリップスのオンラインオークションにて、カナダ出身のパフォーマンス・アーティスト、カシルスが、ピエロ・マンゾーニ(1933-1963)が制作した《Artists’ Shit》をオマージュしたNFT作品《$HT Coin》を出品し、話題を呼んだ。アンディ・ウォーホルやバンクシー、ダミアン・ハースト、ジェフ・クーンズといった経済的成功を遂げたトップクラスの白人男性アーティストの食生活を綿密に調査し、7月中、カシルス自身がそれに基づいた食生活を送った際の排泄物を缶詰にしたものだ。なお、アンディ・ウォーホルをテーマとした《$HT Coin: After Warhol》缶詰は、約53万円($4,800)と、カシルスに次ぐ2番目の価格で落札されている。

▍ウォーホルの偽物999点と本物1点が各250ドルで販売。作品の価値を問うアートコレクティブが登場。

アンディ・ウォーホルの≪Fairies≫のレプリカを作るために設計されたMSCHFの機械
(画像=アンディ・ウォーホルの≪Fairies≫のレプリカを作るために設計されたMSCHFの機械)

画像引用:https://news.artnet.com/

アートコレクティブ・MSCHFが、アンディ・ウォーホルが描いた初期のスケッチを購入し、999枚の正確なレプリカを作成、オリジナルと複製の区別がつかないようにしてすべてを一枚250ドル (約2.9万円) で販売することを試みた。購入者は、0.1%の確立で2万ドル (約230万円) 相当のウォーホル作品を250ドルで購入出来ることになるが。それが本物かどうかは入手後も分からない。MSCHFの声明によれば「針を針山に埋めることで、オリジナルを私たちの複製と同じように贋作にしてしまう」ことになるという。

没後30年たった今なお、展覧会から、若いアーティストによるオマージュまで、その大きな影響力が伺えるアンディ・ウォーホル。2022年には日本で大規模個展が開催され、さらに大きな話題を呼ぶことが考えられる。

ANDARTでは、以下のアンディ・ウォーホル作品を取り扱っている。この機会に、1万円からのデジタルコレクションを検討してみるのはどうだろうか?

≪Campbell’s Soup I (Pepper Pot)≫

≪Liz≫

≪Cow≫

≪KIKU (F&S II.308)≫

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文:ANDART編集部