「成功する経営者には共通点がある」ということを考えたことはありますか。
今まで雇用される側でしか経験がなく、これから初めて会社を立ち上げようと考えている人は、この「共通点」についてじっくり考えたところで、漠然とぼんやりしたイメージしかできないかもしれません。
しかし、これからご説明する心がけるべきポイントは、経営者になる場合、常によく考えているべき内容です。
なぜならば、経営者は会社の意思決定に関わる最高責任者だからです。
この記事では、経営者が成功するために心がけるべきポイント2つと、必ず身につけていかなければならない技術について解説していきます。
成功する経営者に共通して心がけるべきポイント1「忍耐力」
経営者として歩み出したとき、一番初めに感じることは「孤独」です。
どんな方針を立てても、どんな出費をしても、全てが自己責任です。
この孤独には、必ず一人で向き合わなければなりません。
誰も助けてくれないし、誰も全てを理解してくれることはありません。
それが例え家族であってもです。
同時に、大きな出費をすればするほど、「後には戻れないという怖さ」が襲いかかってきます。
「これだけ投資や出費をしたのだから、売り上げで必ず回収しなければならない」という義務感も生まれます。
孤独を乗り越えなければ、冷静に動くことができない
孤独は、経営者になったら誰しもが経験することです。
しかし、そこで焦って行動してはいけません。
経営者の意思決定の一つ一つが、会社の存続に大きく関わることだからです。
利益を出して黒字にできるのも、利益が出なくて赤字になるのも、経営者の腕次第です。
孤独や、後には戻れないという怖さから、勇み足で物事を進めてしまう経営者がいますが、後に必ずほころびが生じてしまいます。
軌道修正をするだけで解決できる問題であればいいのですが、仮に取引先や顧客に大きな影響を与えてしまうような要因になった場合、信頼の回復が非常に難しくなってしまいます。
倒産しないために、まずは周りとの関係を深める
新しく設立された会社の約70%が赤字経営に悩んでいるということを聞いたことはありませんか。
設立から3年以内に倒産する確率は35%、5年以内だと85%と言われています。
2017年は、8,874件の会社が倒産しました。
倒産しないために重要なのは、取引先と顧客との関係性、そして従業員との関係性です。
これらの関係性が壊れてしまわないよう、勇み足で物事を進めるのではなく、草案した事業計画の下で、着実に進めていく必要があります。
成功する経営者に共通して心がけるべきポイント2「アンテナを広げる」
成功する経営者に共通するのが、人脈の広さです。
中には「自分は一人でも大丈夫だ」とか、「同業種や他業種とのつながりは不要だ」という経営者がいます。
もちろん、人脈を持たずに成功する経営者も数多く存在しています。
しかし、倒産せず長く成功している経営者の多くが、同業種や他業種に広い人脈を持っているということは事実です。
そこで、なぜ人脈が大切なのかを解説していきます。
幅広いネットワークを持つことで、さまざまな最新情報が入ってくる
横の繋がりがあると、さまざまな最新情報が入ってくるようになります。
この最新情報には、メディアよりも緻密で現場主義であり、外部にまだあまり知られていないような情報が多く含まれています。
このような情報に敏感でいることによって、問題が起きる前に自分の会社を守ることができることもあります。
また、同業種や他業種とのつながりが将来の取引先になりうることがあります。
経営者間では、横の繋がりを大事にし、優先的に仕事の声を掛けてくれるケースが多く存在しているのです。
非常に速い時代の波から取り残されてしまうことに
人脈がないと、困ったときにすぐに相談できて意見をしてくれる相手がいません。
そして、自ら動かなければ最新情報を得ることができないため、常に主体的になって情報収集をしなければいけません。
例えば、あまり評判の良くない会社の情報をキャッチできなかったがために、他の人が負った痛手を自分の会社でも同じように味わうようなことに繋がってしまうことがあります。
最新情報というのは、何も、ポジティブでプラスになる情報ばかりではありません。
このように、マイナスな情報もたくさん出回っているのです。
むしろ、そのマイナスな情報を取り入れることによって、被害を未然に防ぐことができるかもしれません。
必ず身につけていかなければならない技術とは
前述の「孤独に耐えなければならないこと」や、「人脈の広さ」は、成功している経営者であれば、常に心がけているポイントです。
これらはどちらかというと「心のありかた」です。
一方、経営者は数字に強くなければなりません。
これは「技術的なもの」です。
もし経営者として会社を設立する前であれば、必ず事業計画を立てて、具体的な数値を向こう3年分割り出しておくといいでしょう。
また、初年度の経営が終わった段階で、可能なら税理士に決算書類を作成してもらい、損益計算書と貸借対照表の見方を教授してもらってください。
損益計算書と貸借対照表は、会社の利益状況と、会社の現在価値を教えてくれる大切な書類です。
この2つを具体的な数値で見ることにより、より具体的に自分の会社の将来を設計することが可能となります。
成功している経営者の多くは、利益や会社の財産状況に敏感です。
利益が伴っていなければ、当然のことながら会社は倒産してしまいます。
すると、従業員も取引先も関係者も全てが一瞬で不幸になってしまいます。
経営者は、やりたいことを追求しつつ、黒字経営が維持できるよう努めなければならないという使命があるのです。
まとめ
会社経営者は、孤独を感じても、常に会社を一番に考えて動かなければいけません。
そのためには、同業種や他業種への人脈の構築と、会社の数字に強くなる必要があります。
会社が存続する限り、これらのことから逃れることはできません。
しかし経営者は、与えられた環境、与えられた範囲内から抜けだし、自分で自分の会社を自由に切り盛りすることができます。
これは、大きな海で舵をきる航海と似ています。
このように、やりがいがある裏にはさまざまな苦悩がありますが、信念をもって正しい経営ができるよう、揺るぎない精神力をもって邁進するのが、成功する経営者の姿です。(提供:ベンチャーサポート税理士法人)