顧問先の不満の声から、契約解消を防ぐヒントを紹介。
今回は、開業後のビジョンを完全否定されてしまったために起きたトラブルです。
顧客の気持ちを無視したアドバイスに意味はある?
現在勤めている会社からの独立を予定しており、
開業にあたって経営相談に乗ってくれる税理士を探しています。
職種はWebをメインとした広告サービス業で、今年度中に開業予定。
今から仲間に声をかけるなどして、
開業から1年以内にメンバー7〜8名の体制にしようと頑張っています。
しかし、知人から紹介を受けた税理士に相談したところ、
資本金を含めた開業後のキャッシュ状況の試算を提示され、
「開業からしばらくは1人の体制のままで、
従業員なんて雇用せずに外注するべきだ」
とハッキリ言われてしまいました。
そのほかの事業の展望を話しても、どこか批判的な返答ばかり。
会社側とも話し合って、現在担当している案件や
顧客の一部を開業後も引き継ぐことになっていますし、
資金面に関しても親の援助を受けられる可能性があるので、
こちらとしては十分な見通しを立てていたつもりです。
確かに安全策を取るのであれば、
その税理士の言うことも正しいのかもしれませんが、
起業はスタートダッシュが何よりも大切ですし、
こちらとしてはいち早くメンバーを揃えることが
会社の成長につながると考えています。
その税理士は経営に関するアドバイザリー業務なども行っているようですが、
どこまで私の仕事内容を理解しているのかわかりませんし、
共感性の低い方と付き合っていけるかわかりません。
とはいえ、お世話になった知人からの紹介なので
無下にはできず、少し困っています。
もっと親身になって資金調達や会社の成長について
相談に乗ってくれる税理士が見つかればいいのですが……。
相手の意向を尊重しながら、ホスピタリティのある対応を
経営に関するアドバイザリー業務も行っているということなので、
実は先生のアドバイスが正しいのかもしれません。
しかし、士業は接客業でもあるので、
相手の意向を尊重することも大切です。
すべての意向に沿う必要はありませんが、
「なぜ、そう考えたのか?」と、
理由を聞きながら同意・共感をするなかで
「でも、こういう方法もありますよ」
と伝えると理解を得やすいのではないでしょうか。
知り合って日が浅いため、
信頼関係が築けていないのも要因の一つです。
相手が求めていることをよく考え、
ホスピタリティのある対応を心がけましょう。
※月刊プロパートナー2021年6月号より抜粋
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